ミニトマトが赤くならない…なぜ?原因・対処法や正しい栽培方法を紹介!
【七久里農園監修】ミニトマトが赤くならないのはなぜか知っていますか?今回は、ミニトマトがなかなか赤くならない原因・〈ビニール袋などを使った〉対処法やミニトマトが赤くならないのを防ぐ正しい栽培方法・コツを紹介します。ミニトマトが赤くならない・色づかない時の活用レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
- ミニトマトがなかなか赤くならない?赤くなる原理とは?
- ミニトマトでリコピンが作られ赤くなる
- ミニトマトが赤くならない・着色ムラがある原因は?秋・冬なのになぜ?
- ①日照時間・気温が不足している
- ②チッ素肥料・水が適量ではない
- ③わき芽かき・摘果・摘芯が不十分
- ミニトマトが赤くならない時の対処法は?
- ①緑色のミニトマトを収穫してビニール袋で保存する
- ②余計な葉をカットする
- ③着色促進剤を使う
- ④葉かきをする
- ミニトマトが赤くならないのを防ぐ正しい育て方・コツ
- ①実生苗ではなく接ぎ木苗を選ぶ
- ②5号以上の素焼きバチをプランターにする
- ③浅く植え付ける
- ④わき芽かき・摘芯・摘果をする
- ⑤支柱を使う
- ⑥有機肥料を使う
- ミニトマトが赤くならない・色づかない時の活用レシピ3選
- ①カレー
- ②ピクルス
- ③チャツネ
- ミニトマトが赤くならない時は対処法を試そう
ミニトマトがなかなか赤くならない?赤くなる原理とは?
ミニトマトは、家庭菜園でも栽培しやすいことで人気の野菜です。ミニトマトを家庭菜園で栽培していると、トマトが赤くならない場合があります。ここでは、ミニトマトが赤くなる原理について解説します。
ミニトマトでリコピンが作られ赤くなる
ミニトマトが赤くなるのは、リコピンと呼ばれる色素が作られるためです。ミニトマトにはクロロフィルと呼ばれる葉緑素が含まれているため、未熟な状態では緑色をしています。ミニトマトが熟していくとクロロフィルが分解されて赤色の色素であるリコピンが増加し、その結果ミニトマトが赤色に色づくのが特徴です。
ミニトマトの品種のなかには、色素の影響を受けてオレンジ色や黄色に色づくものがあります。ミニトマトが熟する過程では、リコピンだけでなくルテインやカロチンと呼ばれる色素も同時に作られます。ミニトマトに様々な色があるのは、品種によってどの色素が強く現れるかが違うためです。
ミニトマトが赤くならない・着色ムラがある原因は?秋・冬なのになぜ?
家庭菜園でミニトマトを育てる際に、秋や冬の収穫の時期になっても、赤く色づかなかったり着色しなかったりする場合があります。ここでは、成長したミニトマトが赤く色づかない原因について、詳しく紹介します。
①日照時間・気温が不足している
ミニトマトが赤く色づかないのは、日照時間や気温が不足していることが原因だと考えられます。ミニトマトが赤く色づくためには、十分な日光に当たる必要があります。日当たりの悪いところで栽培するほか、梅雨で雨が続く時期などに日照不足になると実が色づくほど成長することができません。
ただし、8月ごろの日光が強い時期にミニトマトを栽培すると、皮が硬くなったり分厚くなることがあります。真夏の暑い時期には、スダレなどを使って木陰の下でミニトマトを栽培するのがおすすめです。
また、ミニトマトが赤く色づくためには、平均気温の累積がおよそ800℃必要であると言われています。そのため、天気の良い日が続いても積算温度が不足している場合や、平均気温が低い日が続くと色付きにくくなります。
②チッ素肥料・水が適量ではない
家庭菜園で栽培しているミニトマトが赤くならない時は、水やチッ素肥料の量が適切でない場合があります。チッ素肥料とは、野菜が葉を茂らせて茎を伸ばすために必要な肥料です。しかし、チッ素肥料をミニトマトに与えすぎると、茂り過ぎた葉によって実の日当たりを悪くする恐れがあります。
また、トマトは湿気に弱い性質があるため、水を与え過ぎても色づきにくくなります。家庭菜園のミニトマトを大きく育てたいからと言って肥料や水を与えすぎると、逆効果になる場合があるので注意が必要です。
③わき芽かき・摘果・摘芯が不十分
ミニトマトを栽培している時に、わき芽かきや摘果、摘芯が不十分だと色づきが悪くなります。ミニトマトは成長すると、わき芽が伸びて芽の成長に栄養が使われ、実に十分な養分がいきわたらなくなります。摘果や摘芯が不足することで小さい実が生り過ぎると、それぞれの実に必要な栄養が不足して、赤く色づいたミニトマトを収穫しにくくなるでしょう。
家庭菜園でミニトマトを栽培する時は、こまめに摘果や摘芯、わき芽かきをして一つ一つの実に栄養をいきわたらせることが大切です。かきとったわき芽を育てると、秋トマトとして10月頃に収穫することもできます。
ミニトマトが赤くならない時の対処法は?
家庭菜園でミニトマトを栽培する際に、赤くならない時はどうすればよいのでしょうか。ここでは、ミニトマトが赤くならない時にとるべき対処法を紹介します。
①緑色のミニトマトを収穫してビニール袋で保存する
家庭菜園で栽培したミニトマトが赤くならない時は、収穫した緑色のミニトマトをビニール袋に入れて追熟させると赤く色づきやすくなります。10月頃の温度が低い時期にミニトマトを追熟させたい時は、ビニール袋に入れて日当たりの良い場所に保存すると高い温度を保てるため、早く追熟させることができます。
伊藤貴裕
七久里農園
実が大きくなる途中のものは追熟しても赤くなりません。
②余計な葉をカットする
葉が茂りすぎてミニトマトの実が日照不足の状態になった場合は、余計な葉をカットしましょう。余計な葉をカットすることでミニトマトの実に太陽光が当たり、色づきやすくなります。チッ素肥料を使い過ぎて葉が成長し過ぎた時にも、おすすめの対処法です。
③着色促進剤を使う
ミニトマトが色付かない時は、野菜専用の着色促進剤を使うのもおすすめです。着色促進剤を使うと赤くならないミニトマトが色づきやすくなります。ただし、商品によって使い方が異なるため、使用説明書を確認してから使いましょう。
④葉かきをする
ミニトマトの実が赤くならない時は、葉かきをする方法も有効です。葉かきを行うことで株の日当たりや風通しがよくなり、ミニトマトが赤く色づきやすくなります。葉かきをする際には、実が生っている場所から下に伸びた古い葉を手で摘み取ってください。
ミニトマトが赤くならないのを防ぐ正しい育て方・コツ
ミニトマトが赤くならないのは温度や日当たりなど様々な原因がありますが、栽培中に赤くならないのを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、ミニトマトが赤く色づくようにするための正しい栽培方法を紹介します。
①実生苗ではなく接ぎ木苗を選ぶ
家庭菜園でミニトマトを栽培する時は、実生苗ではなく接ぎ木苗を選ぶのがおすすめです。実生苗とは種から育てた苗のことで、安く手に入る一方で病気に弱く、実の付きもよくない場合が多いです。また実生苗は、特定の野菜を栽培した場所に植えつけると病気になりやすくなる連鎖障害を受けやすい性質があります。
接ぎ木苗は病気に耐性のある品種に接ぎ木して作られた苗なので、連作障害の影響を受けにくいため実が付きやすく、収穫量が増えるメリットもあります。
②5号以上の素焼きバチをプランターにする
ミニトマトをプランターで育てる時は、5号以上の大きさの素焼きバチを使うのがおすすめです。小さい鉢に植え付けると根が張りにくくなり成長を妨げる原因になるため、十分に根が伸ばせる程度の30cmほどの深さのある大きめの鉢を選んでください。素焼き性のバチは通気性がよい性質があるため、鉢の内部の温度を適温に保ち植物を傷みにくくする効果があります。
③浅く植え付ける
ミニトマトの苗を植える際には、苗の根本部分が土の表面に来るように浅く植え付けるようにしてください。特に接ぎ木苗の場合は、深く植えて苗を土に埋め過ぎないように注意が必要です。複数のミニトマトを植え付ける時は、株間を30~40cmほど開けて植え付けます。
④わき芽かき・摘芯・摘果をする
ミニトマトの苗が成長してきたら、実に栄養を行きわたらせるためにわき芽かきや摘芯、摘果を丁寧に行います。わき芽かきや摘芯をすることで枝が太くなり、実がつきやすくなります。初めて生った実はすべて摘み取って摘果し、一つの房にミニトマトが3~4個程度生るように調節してください。
伊藤貴裕
七久里農園
ミニトマトはあまり摘果しません。3~4個では少なすぎると思います。果房が長くなりすぎた場合先端の果実は敵果する場合はありますが。
⑤支柱を使う
ミニトマトの苗が倒れそうなほど成長したら、支柱を使って支えます。支柱を使わないで栽培すると、風を受けてミニトマトの茎が倒れたり折れたりしやすくなります。ミニトマトの苗からやや離れた場所に支柱を立て、麻紐を使って支柱と茎を固定してください。この際に、苗を傷つけないように八の字型にして緩めに結ぶのがポイントです。
⑥有機肥料を使う
ミニトマトを栽培する際には、有機肥料を使いましょう。有機肥料は動物の骨や糞、米ぬかなどの自然由来の肥料なので、有機肥料で育てたミニトマトは安心して口にすることができます。ミニトマトなどの実を食用とする野菜を栽培する場合は、花や実に養分が行きわたらせるリン酸成分が多く含まれるものを選ぶのがおすすめです。
苗の植え付けの際に元肥を与え、その後栽培中に葉の色が悪くなった時などに2か月に1回程度の頻度で追肥してください。
ミニトマトが赤くならない・色づかない時の活用レシピ3選
温度が低い環境などで育てて色付かなかったミニトマトは、調理の仕方を工夫すれば美味しく食べられます。ここでは、青いまま収穫したミニトマトの活用レシピを紹介します。
①カレー
秋などの涼しい時期に青いミニトマトを収穫した時は、他の野菜と一緒に煮込んでカレーにするのがおすすめです。青いトマトのほどよい酸味がアクセントになり、美味しく仕上がります。具材ににんじんやじゃがいもなどの野菜を加えて作るのもおすすめです。
②ピクルス
青いトマトをピクルス液に漬け込んで作る、夏の暑い時期に最適な爽やかな味わいのピクルスのレシピです。未熟な状態で収穫した青いミニトマトは実がしまっているため、ピクルスに向いています。ミニトマトとともにパプリカなどの野菜を漬け込んでもよいでしょう。
③チャツネ
青いミニトマトを砂糖と塩、ガラムマサラで煮詰めて作るチャツネのレシピです。焦げないように火加減に注意しながら煮詰めれば、トマトの酸味と砂糖の甘みが美味しいチャツネが完成します。ミニトマトとともにすりおろしたにんじんなどの野菜を加えて作るのもおすすめです。
ミニトマトが赤くならない時は対処法を試そう
ミニトマトは家庭菜園でも手軽に栽培できる野菜ですが、温度が低い時期には赤くならない場合もあります。収穫したミニトマトが赤くならない時は、追熟させたり青いままでも食べられる活用レシピを試したりすれば、美味しく食べられます。ミニトマトが赤くならない時には、様々な対処法を試してみましょう。