パネトーネとは?クリスマスのお菓子?食べ方や作り方・レシピのおすすめも紹介!
パネトーネとはどんな食べ物か知っていますか?今回は、「パネトーネ」の名前の意味や、食べ方・切り方に加えて、味わい・食感や、材料のパネトーネ種についても紹介します。パネトーネの美味しい作り方・レシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
パネトーネ(パネットーネ)とは?食べ方は?
パネトーネとはどのような食べ物なのでしょうか。ここではその起源や名前の由来、クリスマスのお菓子の食べ方について紹介します。
パネトーネとはクリスマスに食べられるイタリアの伝統菓子
パネトーネとはパネトーネ種という自然発酵種を用いて発酵させて焼いた甘くて柔らかい円筒型の大きな菓子パンです。ヨーロッパではクリスマスシーズンに食される伝統的なお菓子があり、ドイツのシュトーレンやイタリア・ミラノのパネトーネ、べローナのパンドーロなどがあります。
パネトーネの起源はローマ時代にその原型が出来たとされ、祭礼に用いられていました。自然発酵種を用いた北イタリアの甘いパンはミラノ地方でパネトーネとなり、ベローナ地方ではパンドーロになったと言われます。パネトーネは時間をかけて発酵させたブリオッシュのような生地にレーズンやオレンジピールなどのドライフルーツを練りこんで焼くのが特徴です。
イタリアでは伝統を受け継ぐために、2005年からパネトーネの材料や製法に細かい規定が制定され、それらを満たしたものだけがパネトーネの名前を使っても良いとされました。また、伝統的なパネトーネは頭部に十字のクープが入っているそうです。
「パネトーネ」の名前の意味
パネトーネの名前の由来には2つの説があり、その1つはパネが「パン」、トーネが「大きい」を表し「大きいパン」の意味からとされるものです。イタリアではクリスマスシーズンになると1kg近い大きなパネトーネがスーパーマーケットに山積みにされているそうです。
もう1つは、ミラノの伯爵に仕えたパン職人のアントーニオが作り始めたことから「パン・デ・トニー(トニーのパン、トニーはアントーニオの愛称)」が訛ったと伝えられています。パン屋で働くトニーが材料を間違ってしまい出来上がったのがパネトーネだったという話や、貧しいパン職人のトニーの娘に恋した青年の話などもあります。
パンが認められて世に広まる逸話には様々な言い伝えがあるようです。
パネトーネの食べ方・切り方
パネトーネは縦に放射状に切り分け、分けあって食べる習慣があります。中心まで包丁を入れ内側から左右に少しずつ切り分けて行くことで、余っても乾燥しにくく美味しいまま保存できます。パネトーネはイエス・キリストの降誕を待つクリスマスの準備期間(待降節)に食されると言われています。またクリスマス以外にもお祝いの席には欠かせないお菓子です。
パネトーネ種とは?
パネトーネはパネトーネ種を用いた伝統的なお菓子であることがわかりました。ここでは自然発酵種のパネトーネ種について詳しく紹介します。
パネトーネ種とは天然の酵母
パネトーネ種はイタリア北部から南アルプス周辺地域で数百年受け継がれた自然発酵種で、イタリアではリエビト種と呼びますが、日本ではパネトーネ種と言われ知られています。北イタリアの特定の地域の環境でしか培養が難しく、母種の扱いは職人の技術と経験が必要と言われています。
最初の元種の誕生には諸説がありますが、パネトーネ研究の盛んなミラノ大学農学部の研究では元種の原料はぶどうが主であったと推定しているそうです。昔は種づくりの袋に仔牛の腸を利用したことから仔牛の腸内の乳酸菌が作用したとも言われますが、実際の菌叢には腸内細菌などの微生物は存在しないようです。
パネトーネ種を使うと日持ちする
パネトーネ種を用いて作られたパネトーネは、保存料無添加でも平均3ヶ月の長期保存が可能と言われます。パネトーネの生地は水分が少なく油分、糖分が多い配合で、柔らかくしっとりした食感が長持ちするのはこのためです。油脂が多く糖度の高い生地をまとめ捏ね上げるのに通常のイーストでは難しいのですが、パネトーネ種を用いることで可能になります。
パネトーネ種には酵母菌だけではなく乳酸菌が存在します。乳酸菌が糖を発酵することで酢酸や乳酸等を生成し生地のpHが低くなるため、カビなどの微生物が増殖しにくい環境を作っているようです。
パネトーネの美味しい作り方・レシピ
ここではクリスマスのお菓子であるパネトーネをアレンジしているレシピを紹介します。ドライイーストを使った簡単で手軽なものから、伝統的なパネトーネに近い風味を楽しめるレシピや自家製酵母を使うレシピなどいろいろあるので参考にしてください。
①ドライイーストで作る簡単なパネトーネ
材料を混ぜ合わせて発酵させるだけのとても簡単なレシピで、初心者でも挑戦しやすいパネトーネです。ドライフルーツの代わりにチョコチップを入れてもよいでしょう。
②ドライイーストで作る冷蔵発酵のパネトーネ
ドライイーストを使ったレシピで、そのまま発酵させるストレート法と、フルーツを混ぜてから一晩冷蔵庫でねかせるオーバーナイト法が動画で紹介されています。ゆっくりと冷蔵発酵させることでフルーツがしっとりとし、生地とよく馴染みます。
③パネトーネマザーを使ったパネトーネ
パネトーネマザーはパネトーネ種を粉末化してドライイーストを加えたもので、パネトーネ種を輸入しているパネックスの製品です。パネトーネマザーを使うと本格的なパンの風味・香味を手軽に出すことができます。イーストで作る場合との食感の違いを感じてみてください。
④自家製酵母のパネトーネ
干しぶどうから起こす自家製酵母を使い、ヨーグルトを少し加えてパネトーネに近い生地を作ります。本格的で時間がかかりますが、自然発酵種を育てるのを楽しみたい方はチェックしてみてください。
⑤自家製ヨーグルト酵母のパネトーネ
こちらはヨーグルトで起こした自家製酵母を使ったパネトーネです。ヨーグルト酵母のパンは発酵力がよく柔らかくふんわりとした食感に仕上がります。自家製酵母作りに慣れている方は挑戦してみてください。
パネトーネを食べてみよう
イタリアの伝統的なクリスマスの銘菓のパネトーネを紹介しました。クリスマスシーズンには美味しいパネトーネ作りを楽しんでみましょう。またパネトーネ種を用いた本物のパネトーネを見つけた時は、柔らかくてしっとりとした食感をぜひ味わってみてください。