「腐っても鯛」の意味や語源・由来とは?正しい使い方を例文で紹介!

ことわざ「腐っても鯛」の意味を知っていますか?腐の字が入ることで、ネガティブなイメージを持つ人もいそうです。今回は、「腐っても鯛」の意味や語源・由来〜正しい使い方を例文で紹介します。腐っても鯛の類語も紹介するので参考にしてみてくださいね。

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目次

  1. 腐っても鯛の意味とは?
  2. 腐っても鯛の意味は「優れたものは腐っても価値がある」
  3. 腐っても鯛の語源・由来は?
  4. 腐っても鯛の語源は「鯛が圧倒的に高級魚」であることに由来する
  5. 実際に鯛は腐りにくい魚ともされる
  6. 腐っても鯛の使い方と例文は?
  7. 腐っても鯛を使う際のポイント
  8. 腐っても鯛の例文
  9. 腐っても鯛の類語は?
  10. ①古川に水絶えず
  11. ②破れても小袖
  12. ③沈丁花は枯れても芳し
  13. 腐っても鯛の反対語は?
  14. ①騏驎も老いては駑馬に劣る(きりんもおいてはどばにおとる)
  15. 腐っても鯛を正しく使おう

腐っても鯛の意味とは?

腐っても鯛はよく見聞きすることわざではあるものの、正しい意味を説明できる人は少ないかもしれません。ここでは、腐っても鯛の意味を詳しく説明します。

腐っても鯛の意味は「優れたものは腐っても価値がある」

腐っても鯛には、普段食用とされる魚の鯛が使われ、優れたものは腐っても価値があることを意味します。本来有能な人や、上等なものならばその状態が悪くなっても、品格が落ちないことを腐った鯛に例えた言葉です。腐っても鯛は、腐るといった言葉が使われていても、人や物をほめる際に使いましょう。

腐っても鯛の語源・由来は?

腐った鯛を実際に食べることはないはずなのに、なぜこのフレーズがことわざに使われているのか、疑問に思う人もいることでしょう。ここでは、腐っても鯛の語源について詳しく解説します。

腐っても鯛の語源は「鯛が圧倒的に高級魚」であることに由来する

腐っても鯛の語源は、鯛が圧倒的に高級魚であることに由来しています。日本では昔から「めでたい」といった言葉の響きのある鯛は、慶事の際の縁起物として高値で取引されてきました。また、神仏への奉納にも使われる鯛は腐ったとしても、他の安価の魚と同価値にはならないことが由来とされています。

実際に鯛は腐りにくい魚ともされる

腐っても鯛の語源についてはもう一つの説があり、実際に鯛は腐りにくい魚ともされています。鯛は他の魚と比べると、少々匂いが変わっていても、水でしっかり洗って加熱すると食べることができる魚です。つまり、鯛は傷んだとしても、その味わいを保てることに由来したと言えます。

腐っても鯛の使い方と例文は?

腐っても鯛は、どのような時に使うのがふさわしい言葉なのでしょうか。ここでは、腐っても鯛の正しい使い方を、例文を挙げながら紹介します。

腐っても鯛を使う際のポイント

腐っても鯛を使う際のポイントは、以下の通りです。

・ほめ言葉として使う
・他者に対して直接使わない


ほめることわざではあるものの、腐ってもといった言葉が入ることで、相手にネガティブな印象を与える可能性があります。人によっては皮肉と受け止められることもあるので、話し相手に対して直接、腐っても鯛のことわざを使うのは避けましょう。

腐っても鯛の例文

腐っても鯛を使った例文として、以下のものが挙げられます。

・中学校時代にジュニアの強化選手だった彼は、社会人ホッケーで圧倒的なプレイを見せてくれました。腐っても鯛とはこのことですね。
・社長令嬢として裕福な家庭に育った彼女は、父の会社が倒産した時もその品位を失うことはありませんでした。まさに腐っても鯛と言えるでしょう。
・両親から成人の記念に贈られた真珠のネックレスは、祖母から受け継がれたものです。当時は破格だったと聞いていますが、腐っても鯛と言える輝きを今でも放っています。

上記のように、人に対して使う時は、直接本人がいないところでほめる際に使うと良いでしょう。また、自分の持ち物に関することや親しい間柄の者同士が、おもしろおかしく使用する際などに適した言葉です。

腐っても鯛の類語は?

腐っても鯛には類語がいくつかあるため、状況に合わせて使い分けましょう。ここでは、腐っても鯛の類語を3つ紹介します。

①古川に水絶えず

古川に水絶えずとは、伝統があるものやしっかりした基礎があるものは、衰えているように見えたとしても、そう簡単に滅びることはないことを意味することわざです。腐っても鯛と同じような意味がありますが、古川に水絶えずはそのものに伝統があることや、基礎がしっかりしたことが強調されています。

②破れても小袖

破れても小袖とは、価値があるものは見た目が劣化しても、その値打ちは失われないことを意味します。小袖とは絹地の間に綿を入れた防寒着を指し、それが破れたとしても、高価な絹地に変わりはないことが由来です。意味のほかにも、鯛や絹といった高級品に例えている点が、腐っても鯛と非常によく似たことわざだと言えるでしょう。

③沈丁花は枯れても芳し

沈丁花は枯れても芳しは、良質のものはその全盛期が過ぎても価値があることを指します。沈丁花は香りが強く、花が枯れた後もその残り香が楽しめる、といったことが語源です。腐っても鯛と同じように、状態が悪くなっても価値があるものに対して使われますが、より優美さを称える際に用いると良いでしょう。

腐っても鯛の反対語は?

腐っても鯛には類語だけでなく、反対語と言えることわざも存在します。ここでは、腐っても鯛の反対の意味を持つことわざを見てみましょう。

①騏驎も老いては駑馬に劣る(きりんもおいてはどばにおとる)

こちらのことわざで使われている、騏驎(きりん)は走るのが早い馬を指し、千里をも駆け抜ける駿馬(しゅんば)のことです。一方の駑馬(どば)は走るのが遅い馬を意味することから、どんなに優れた才能に恵まれた人であっても、加齢や衰えによって凡人にさえ及ばなくなることを意味しています。

腐っても鯛を正しく使おう

腐っても鯛の意味や由来、正しい使い方を例文を挙げながら解説しました。相手をほめることわざではあるものの、使い方を間違うと失礼にあたることもあるようです。今回紹介した腐っても鯛の類語も活用し、正しく使うように心がけましょう。

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