にんにくの芽は食べられる?毒はない?栄養価や食べ方のおすすめも紹介!
【管理栄養士監修】にんにくの芽が生えた時どうしていますか?毒はないのでしょうか?にんにくの芽は中華料理のメニューで目にすることもありますよね。今回は、にんにくの芽の安全性や栄養素に加え、食べ方も紹介します。にんにくが発芽しない方法も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
にんにくは昔は発芽しなかった?

にんにくから芽がでるということに馴染みが薄い方もいると思います。現在も昔も様々な理由があり発芽するものが少ない、あるいは発芽しないようにされていたのです。その理由を確認していきましょう。
発芽抑制剤が散布されていた
2001年頃までは収穫される1週間前までに発芽抑制剤と呼ばれるホルモン剤を散布していました。そのため、出荷されたにんにくから発芽することはありませんでした。しかしその翌年の2002年から国内で発芽抑制剤の使用が禁止されたため、にんにくを放置すると発芽することが起こるようになりました。
現在では農家にて乾燥や冷蔵、さらには熱処理をし、適切な温度管理をして極力発芽しないような工夫をされてから出荷されています。農家の方の努力でのおかげで、発芽抑制剤が散布られていない安全なにんにくが食べられるようになりました。 それがゆえに処理をされないにんにくが一部混じってしまい、たまたま発芽してしまうことがあるのです。
にんにくの芽は食べられる?毒は?

発芽したにんにくの芽は食べられるのでしょうか。じゃがいもの芽のように毒が無いか心配ですよね。気になる毒性の有無と、芽と茎の違いをご紹介します。
にんにくの芽は食べられる
にんにくの芽はじゃがいもの芽と異なり、毒性はないので食べることができます。にんにくの鱗片から生えた芽には栄養素が豊富でむしろ食べたほうが良い部分と言えます。 芽の部分は鱗片部よりも匂いは少ないです。
スーパーなどでにんにくの芽として販売されているものは実は茎の部分です。茎は鱗片部の芽が成長したものであるため、にんにくの芽として販売されています。
中国ではにんにくの茎が日常的に食べられており、茎を栽培する目的で品種改良されています。芽を成長させ茎まで収穫するには大変な労力が必要なため、人手が少ない日本の農家では栽培できません。そのため、国内で流通しているにんにくの芽のほとんどが中国産になります。
にんにくの芽に含まれる栄養素

カロリー | 45kcal |
---|---|
水分 | 86.7g |
タンパク質 | 1.9g |
糖質 | 6.8g |
食物繊維 | 3.8g |
脂質 | 0.3g |
にんにくは鱗片部もスタミナがつくとよく言われていますが、芽の部分も栄養素が豊富でスタミナをつけるにはもってこいのスーパーフードなのです。含有量の多い成分を効能とともにチェックしていきましょう。
①ビタミンC
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
45mg | 100mg | 45% |
にんにくの芽100gあたりにはビタミンCが45㎎含まれており、この量はレモンの約半分に相当します。ビタミンCは柑橘類や緑黄色野菜に多く含まれます。私たちの体内のコラーゲンはビタミンCが無くては生成、保持できません。肌や髪の毛のうるおい維持、爪や筋肉を美しく保つためにはコラーゲンを摂取するだけではなく、ビタミンCを同時に摂取する必要があります。
強い抗酸化作用もあるビタミンCは免疫向上に非常に役立ってくれます。日常的な体調不良やストレスだけでなく、動脈硬化やがんなどの予防にも有効な栄養素です。にんにくの芽を食べることで健康増進と老化防止、美容にも役立ちますね。
②βカロテン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
710μg | 850μg | 84% |
βカロテンはビタミンAに分類される脂溶性ビタミンです。肌を健康に維持したり喉や鼻などの粘膜で働き、風邪などの原因である細菌から私たちの体を守っています。ビタミンCと同じく免疫力を高めたり、活性酸素を除去する役割もあります。風邪を引きそうな時や体調を崩せない時などに、にんにくの芽を使った料理を食べると安心できますね。
石川桃子
管理栄養士
ビタミンAは脂溶性ビタミンですので、油を使って調理することで吸収率が高まります。ですが、植物性の油を高温で熱してしまうと酸化しやすいので身体にはあまりよくありません。一緒に豚肉などの脂の出やすい部位と調理すると良いでしょう。
③食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3.8g | 20g | 19% |
食物繊維は不溶性と水溶性に分けられ、にんにくの芽には水溶性食物繊維が含まれます。水溶性食物繊維は腸の中で水分を多く含み、腸を刺激してぜんどう運動を活発にすることで便通を促します。
大腸の中で発酵するのでビフィズス菌などを増やし腸内をキレイに保つ整腸作用もあります。にんにくの芽をよく噛むことで、あごの刺激にもなりますし腸を美しく保つこともできます。
石川桃子
管理栄養士
よく噛むには食感を残すように調理することがポイントです。生でも食べて問題ないので炒め物などにする際には長時間炒めず、にんにくの芽の食感を残すようにするとより噛むことを意識できるようになりますよ。
にんにくの芽を発芽させない方法は?

にんにくの芽の発芽を防止するにはどのような保存方法があるのでしょうか。新鮮さを保つ保存のポイントを紹介します。
冷蔵で保存をする
にんにくは0℃以下であれば発芽しにくいので、冷蔵庫での保存がおすすめです。にんにくは丸ごと使うことは少ないので、鱗片部に分ければ保存期間を延ばすことができます。
①鱗片を1つ1つにわけ、薄皮をむく。
②1つずつペーパーに包む。
③ジップ付きの保存袋に入れ、冷蔵庫で保存する。
このひと工夫をするだけで冷蔵庫で2~3か月保存することができます。片鱗を一つ一つに分けずに丸ごと保存する場合は、新聞紙などに包んで保存するようにしましょう。20℃以上で日光が当たるような環境だと発芽しやすいため、すぐ使う場合や冬場などを除き常温保存はやめた方がいいでしょう。
(*にんにくの芽の保存方法について詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
にんにくの芽の食べ方のおすすめは?
私たち日本人には馴染みの少ないにんにくの芽のおすすすめの食べ方を紹介します。
豚肉とにんにくの芽のオイスター炒め
豚肉とにんにくの芽の定番レシピです。玉ねぎのシャキシャキ感がアクセントでオイスターソースのコクでご飯が進みます。
②エビとにんにくの芽のガーリック炒め
エビの赤、パプリカの黄色、にんにくの芽の緑と彩り鮮やかなレシピです。エビに含まれるアスタキサンチンやパプリカやにんにくの芽に含まれるビタミンCやβカロテンで免疫力UPできます。ガーリックソルトが無い場合はにんにくを刻んで加えてもいいですね。
③にんにくの茎のごまマヨネーズ和え
にんにくの芽をゆでて調味料と和えるだけのお手軽副菜レシピです。ごまとマヨネーズの抜群な相性で、あと1品おかずが欲しいときに便利ですね。
にんにくの芽は食べても問題ない
にんにくの芽は栄養素がたっぷり含まれるおすすめの野菜です。ビタミンCやβカロテンで免疫力を高めつつ、アンチエイジングにも貢献してくれます。鱗片部も芽の部分もすべて活用し、農家の方に感謝しながら正しく保存し無駄なくおいしく頂きましょう。