さつまいもは追熟で甘くなる!熟成期間・条件や食べ頃の見分け方を紹介!
【アムザ農業部監修】さつまいもを追熟させると甘くなると知っていますか?どうしてでしょうか?今回は、さつまいもを追熟すると甘くなる理由や追熟・熟成する保存方法にくわえ、食べ頃の見分け方も紹介します。完熟さつまいもの美味しい食べ方・レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
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- さつまいもを追熟すると甘くなる?なぜ?
- 甘くなるのは熟成するとでんぷんが糖化するため
- 追熟する前後の糖度を比較
- さつまいもを追熟する期間・環境など条件は?
- 追熟する期間はさつまいもの状態による
- 追熟する環境は温度約13℃・湿度85%
- 追熟させるさつまいもの選び方
- 購入したさつまいもを追熟する保存方法は?
- 収穫したてのさつまいもを追熟する保存方法は?
- さつまいもが熟成して食べ頃の見分け方は?
- ①皮のピンク色(紫色)が深まる
- ②切り口から黒い蜜が出ている
- 追熟したさつまいもの美味しい食べ方は?
- ゆっくり低温で加熱する
- 完熟さつまいもの活用レシピ
- ①大学いも
- ②さつまいものバター焼き
- ③甘露煮
- さつまいもを追熟させて美味しく食べよう!
さつまいもを追熟すると甘くなる?なぜ?
さつまいもは芋類の中でも甘い味で人気ですが、追熟させるとより甘くなることで知られています。追熟とは、購入した野菜や果物を自宅で熟成させることです。ここでは、さつまいもが追熟すると甘くなる理由を説明します。
土田彩加
アムザ農業部
さつまいもを追熟するには適している品種があります。食感がねっとり系の「べにはるか」「シルクスイート」などの品種がお勧めです。最近では紫芋の「フクムラサキ」なども注目が集まっています。
甘くなるのは熟成するとでんぷんが糖化するため
さつまいもは温度や湿度に配慮しながら保存することで、自宅でも追熟できます。なぜ追熟したさつまいもが甘くなるかというと、時間の経過とともに含まれているでんぷんが糖化するからです。でんぷんは糖化することで甘味が強くなる特性があり、追熟したさつまいもは熟成前より糖度が高くなります。それが、さつまいもを追熟させると甘くなる理由です。
追熟する前後の糖度を比較
糖度 | |
追熟する前 | 8度〜30度 |
追熟した後 | 16度〜60度 |
さつまいもは1~2ヶ月の追熟によって、糖度が2倍程度になることがわかっています。4ヶ月熟成させると糖度が2.7倍にもなるとのデータもあるものの、自宅で温度や湿度を管理し続けるのは難しいので、そこまで待たずに食べきることをおすすめします。
さつまいもを追熟する期間・環境など条件は?
さつまいもはスーパーで販売されているものであっても、自宅で追熟させることができます。しかしさつまいもが熟成しやすいよう、保存する環境を整えることが前提です。ここでは、さつまいもを追熟する期間や、そのために必要な環境について説明します。
追熟する期間はさつまいもの状態による
さつまいもを追熟させる期間は、どのような状態に置かれていたかで変わります。熟成が進んでいない未熟なさつまいもの場合、スーパーで販売されていたものは2週間程度、家庭菜園などで芋堀りしたものであれば1~2ヶ月ほどの期間が目安です。しかしスーパーで店頭に並ぶのは熟成がある程度進んださつまいもが大半なので、追熟する期間に差が生まれます。
追熟する環境は温度約13℃・湿度85%
さつまいもを自宅で追熟させるためには部屋の温度を約13℃、湿度を85%に保ったままにする必要があり、以下のような場所が保存場所として適しています。
・温度と湿度を保てる部屋
・台所などの床下収納
さつまいもの追熟は冷蔵庫に入れるのではなく、常温保存が基本です。実はさつまいもは10℃以下の状態で保存すると、低温障害で腐り始めてしまうため、冷蔵庫では保存しない方がよいとされています。そして、さつまいもは保存している場所の温度や湿度が高くても低くても、熟成が進まないので注意が必要です。
追熟させるさつまいもの選び方
さつまいもを追熟させたいと考えているなら、さつまいも自体の選び方も大切です。まず、さつまいもの皮が傷ついているものは避けましょう。そして、さつまいもの皮全体にツヤとハリがあり色鮮やかで、凸凹が少ないものがおすすめです。また全体的にふっくらした形状で持つと重さがあり、皮にひげ根がないさつまいもは、より追熟に適しています。
なお、土付きのさつまいもを追熟する場合には、そのままの状態で直射日光に当てないように配慮しながら2~3日乾かすのがポイントです。陰干しすることで、さつまいもが含んでいる余分な水分が抜けるので、傷みにくくなるからです。さつまいもを日持ちさせやすくするためにも、この手順は守りましょう。