伊達巻の名前の由来は?おせちで食べる意味は?発祥や作り方などを紹介!
伊達巻の名前の由来について知っていますか?おせち料理で食べるだけといった人もいるでしょう。今回は、伊達巻の名前の由来の説や、おせちで食べる理由・意味を紹介します。伊達巻の豆知識や<フライパン・オーブン>での作り方も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
伊達巻の名前の由来は?
甘く味付けされた卵と魚介のすり身の旨味を愉しめる伊達巻は、お正月に家族で囲むおせち料理の中でも、人気の高い祝い肴であると言えます。晴れの日を祝う伊達巻は、なぜこの名前が付けられたのでしょうか。伊達巻の名前の由来や、これにまつわる幾つかの説を紹介します。
説①「伊達」が由来の説
伊達巻の名前の由来は諸説ありますが、「伊達」に由来した一説が有力で、この言葉には、洒落ている、人目をひく豪華な様子といった意味があります。伊達巻は豪華な品々が並ぶおせち料理の中でも、人目をひく鮮やかな黄色をしており、手間のかけられた渦巻状の形も「伊達」の言葉に合っていると言えるでしょう。
説②着物の帯の「伊達巻き」が由来の説
着物は着付けの際に幅の違う2本の帯が使われていて、太い帯は締めるための「伊達巻き」と呼ばれる細い帯を使うことが大きな特徴です。伊達巻は、こちらの「伊達巻き」からその名前が取られたとも言われています。
「伊達巻き」と伊達巻の形が似ていることや、「伊達巻き」を締める動きと、伊達巻を作る際に巻く動作が似ていることが由来したのではないかと考えられています。また、着る服に困らないように願いが込められたといったことも有力な一説です。
説③「伊達政宗」が由来の説
戦国時代の武将である、伊達政宗の好物が伊達巻のもとになる料理だったことに由来すると考える一説もあります。伊達政宗は「平玉子焼」といった、白身魚に卵を混ぜて平たく焼いた料理を好んで食べていたことから、この料理は別名「伊達焼」と呼ばれていたようです。
その後「伊達焼」の見た目を美しくするために、巻きすで巻くひと手間が加えられるようになりました。その渦巻きのような見た目から、いつしか「伊達焼」が「伊達巻」と、現在の名前で呼ばれるようになったそうです。
伊達巻をおせちで食べる理由・意味は?
おせち料理は味を愉しむだけではなく、縁起を担いだり、その一品ずつに様々な願いが込められています。伊達巻が縁起が良いとされる、理由や意味を見てみましょう。
①学業成就
伊達巻はその形状が巻物に似ていることから、学業成就の縁起物だとされています。巻物は、昔から文書や絵画・勉強に用いられ、知性を象徴するものです。この巻物に似た伊達巻を、一年の始まりに食べることで、知性が身に付き学問や習い事が成就するようにとの願いが込められているのでしょう。
②子孫繁栄
卵を使った伊達巻は子孫繁栄を象徴していて、子宝に恵まれるようにといった願いが込められています。伊達巻の黄色には豊穣を表すとされ、子孫が繁栄していく様子がイメージ出来るでしょう。また、卵の丸い形は家庭円満を表していて、伊達巻の渦のようにかみ合う形は家族皆で力を合わせるという意味も持つことから、家内安全を願う料理でもあるようです。
伊達巻の豆知識は?
伊達巻の名前の由来などの他に、伊達巻にまつわる豆知識はあるのでしょうか。5つの豆知識を紹介するので、お正月の家族団らんの際の会話などに活用してください。
伊達巻の発祥は長崎
伊達巻は江戸時代に長崎へ伝来した、カステラかまぼこと呼ばれる料理が発祥とされる説もあります。カステラかまぼこは、卵に魚介のすり身を混ぜて甘い味付けをしてから型に入れて焼き上げた料理です。このカステラかまぼこと伊達巻の味わいが良く似ていることから、伊達巻のもとになった料理だと九州や沖縄を中心に語り継がれています。
伊達巻は関東と関西で味が違う
出汁の味付けが違うように、伊達巻の味わいも関東と関西では異なります。関西では甘みの強い伊達巻よりも、魚の旨味が感じられる程度の甘みが良いとされ、おせち料理には伊達巻ではなく出汁巻き卵を入れる場合もあるそうです。
関東の伊達巻は、関西の伊達巻の倍ともいえる量の砂糖を使います。これは、昔は砂糖は高級品で普段はあまり口に入らないものでしたが、お正月を祝う伊達巻にはたっぷりと砂糖を加え、晴れの日を愉しんだことがきっかけです。
伊達巻の巻く向きは決まっている
伊達巻を盛り付けるときの渦の向きは、右巻きが縁起が良いとされています。それは、右巻きはエネルギーが入り、逆に左巻きはエネルギーが抜けるといった意味があるからです。このため、おせち料理に伊達巻を入れるときは、縁起の良い右巻きが表に来るように盛り付けましょう。
伊達巻と卵焼きの違い
伊達巻と卵焼きはどちらも卵料理ですが、卵の他に加える材料に違いがあります。伊達巻は魚やエビのすり身を入れるため、弾力があることが特徴です。一方卵焼きは、出汁が使われることが多く、食べた時の口当たりが伊達巻よりも柔らかいと言えるでしょう。また、使われる砂糖の量が卵焼きよりも伊達巻の方が多いため、食べた時に甘みを強く感じます。
なお、作り方にも違いがあり、伊達巻は焼型に卵液を一気に流して焼いてから、巻きすでしっかりと巻いて渦巻状に成型します。一方卵焼きは、卵焼き器に卵液を少しづつ足しながら巻いていき、焼き上がった後に巻きすで軽く形を整えるだけです。このことから、伊達巻と卵焼きは似ているようで、全く別の料理だと言えるでしょう。
伊達巻の日は5月24日
伊達巻の日は5月24日で、この日は伊達巻の発祥の一説とされている、伊達政宗の命日に由来されています。これを定めたのは、大阪府吹田市にある卵を使った食品を製造・販売している、株式会社千日総本社です。伊達巻の日は、日本の食文化である伊達巻を後世まで伝えることを目的として、日本記念日協会に認定・登録されています。
伊達巻の作り方は?
伊達巻は市販のものを購入する人が多く、手作りをする機会はないかもしれませんが、身近な調理器具で作ることも可能です。家庭でも出来る、伊達巻の作り方を紹介します。
①フライパンを使った作り方
伊達巻は、専用の焼型がなくてもフライパンを使って作ることが出来ます。以下は、フライパンを使った伊達巻の材料と作り方です。
【1本分の材料】
・はんぺん:1枚
・卵:4個
・砂糖:大さじ2
・みりん:大さじ1
・めんつゆ:大さじ1
・サラダ油:適量
【作り方・手順】
1,はんぺんは一口大に切っておく
2,ミキサーにはんぺん・卵・調味料を入れ、30秒ほど混ぜてからザルで濾す
3,油を敷いたフライパンに卵液を入れて、蓋をして弱火で5分~7分焼く
4,表面が固まったら裏返し、蓋をして3分焼く
5,きれいに焼けた方を下にして、巻きすを使ってきつめに巻く
6,輪ゴムでしっかり固定して、粗熱を取る
7,冷めたら食べやすい大きさに切り分ける
伊達巻に使われる魚のすり身は、はんぺんで代用することが可能です。伊達巻に使う卵液を作るときには、一般的にすり鉢を使って材料をすり混ぜていきますが、こちらのレシピはミキサーを使うことでその工程を省略できます。また、どの家庭にもあるフライパンを使うことで、手軽に作れると言えるでしょう。
しかし、仕上がりの見た目や味わいは、本格的な伊達巻に引けを取りません。美味しく作る為のポイントは、卵液を濾してなめらかにしておくことと、巻きすで巻いた後にしっかり固定し美しい渦巻を作ることです。
②オーブンを使った作り方
オーブンを使った、伊達巻の作り方を紹介します。材料と手順は以下の通りです。
【1本分の材料】
・はんぺん:1枚
・卵:4個
・砂糖:大さじ2
・みりん:大さじ2
・醤油:小さじ1/2
・だし汁:50ml
・塩:ひとつまみ
【作り方・手順】
1,フードプロセッサーに調味料とちぎったはんぺんを入れ、なめらかになるまで混ぜる
2,卵を加え、さらに混ぜる
3,20cmの型にクッキングシートを敷き、卵液を流し入れる
4,200度に予熱したオーブンで20分、薄く焼き色がつくまで焼く
5,粗熱が取れたら巻きすで巻いて、輪ゴムで固定する
6,冷めてから食べやすい大きさに切り分ける
こちらのレシピで使わるフードプロセッサーは、ミキサーでも代用が可能です。先にはんぺんと調味料をよく混ぜておくので、卵液を濾す必要はありません。
オーブンを使った方法は、フライパンを使った方法よりも時間はかかるものの、裏返さなくても良いため作る際の工程が少なく済みます。また、レシピによって調味料の量も異なるので、色々なレシピを試して自分好みの味わいに調節しましょう。
伊達巻を美味しく食べよう
伊達巻の名付けの由来は伊達・伊達巻き・伊達政宗など諸説あることがわかりました。また、伊達巻が縁起の良い食べ物とされている理由や意味、豆知識を知ることでより一層伊達巻が美味しく感じることでしょう。家庭でも作ることのできる、フライパンやオーブンを使った伊達巻の作り方も参考にし、是非自分好みの伊達巻を作ってください。