精進料理とは何か簡単に!使ってはいけない食材は?献立・レシピも紹介!
精進料理とは何かを知っていますか?簡単に知りたいですよね。今回は、日本の伝統「精進料理」の意味・歴史やヴィーガンとの違いにくわえ、使ってはいけない食材・材料なども紹介します。精進料理の献立・レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
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精進料理とは何?簡単に知りたい!
日本の伝統料理として知られている精進料理ですが、作法や決まりが難しいイメージを持っている人も多いかもしれません。今回は、精進料理について簡単に知りたいという方に、どういった料理なのかを紹介します。
日本の伝統「精進料理」の意味と歴史
精進料理とは、仏教の修行を円滑に行うための、菜食が中心の食事です。無駄な殺生をせず、贅沢な食事や刺激物を避けることで、悟りを開く修行に集中して取り組むために考案されました。また、精進料理には命である食材を無駄にせず余す事なく使い、調味料は多用せずに素材の味を活かすといった特徴があります。
精進料理は、平安時代に中国から仏教と共に伝来し、修行僧の食事法として取り入れられました。鎌倉時代以降になると調理法の技術が飛躍的に発展し、肉や魚に見立てた「もどき料理」が確立します。この和食技術が庶民の間に広まり、精進料理は懐石料理などの派生料理を生み出すきっかけになりました。
精進料理とヴィーガンの違い
精進料理は仏教の教えにならい、悟りを開くための修行の一環です。当時の僧侶の間で取られた食事様式で、食が人格の形成や仏道成就に通じるとされた哲学に反映されています。仏教の五戒に無益な殺生をしない、という掟があるため、自ずと菜食中心になりました。しかし、例外的に肉食が許される事もあります。
一方でヴィーガンとは、動物由来の素材を衣食住すべてにおいて、生活に取り入れない主義の人たちです。ヴィーガンは動物を搾取せずに生きるという主義を持っており、乳製品、卵や蜂蜜といった動物由来の食品はもちろん、毛・革製品、動物性由来の化粧品なども禁止の対象としています。
このように本来の目的や精進料理に肉が含まれる場合がある点では違いますが、菜食中心の食生活を送る点では共通しています。
精進料理で使ってはいけない食材・材料は?
精進料理で使用してはいけない食材や材料は、どんなものがあり、その理由はどんなものなのでしょうか。ここでは、精進料理で使ってはいけない食材と材料について、その理由と併せて紹介します。
①魚・肉など動物食材
精進料理では、基本的に魚や肉などといった動物性食材を使いませんが、これは仏教の教えで無益な殺生を禁止を説いている事が理由です。
しかし、条件が揃う事で、肉や魚を使用する事も例外として認められています。自分のために動物が殺生されたのを見ていない場合や聞いていない場合、その疑いがない場合には食べる事を許可されるそうです。食べてよいかどうかの判断は、自分ために殺生されていないかどうかが重要なポイントのようです。
②五葷(ごくん)
精進料理には植物由来による食材であっても、使用してはいけない食材として五葷(ごくん)が存在します。五葷には以下のような食材が該当します。
・玉ねぎ
・ネギ
・ニンニク
・ニラ
・ラッキョウ
これらの食材は精がつく食材として知られていますが、精のつく食事は煩悩を刺激して欲情や怒りといった激しい感情を持ちやすくなり、修行の妨げになるとして禁止されています。また、その食材の持つ強い臭いが修行の際の集中力を削ぐと言った理由からも禁止されている様です。なお、禁止される五葷は、時代や地域により異なります。
精進料理でよく使われる食材・材料は?
精進料理でよく使われる食材や材料には、どんなものがあるでしょうか。ここでは、人気の料理と併せて紹介します。
精進料理には野菜・豆類が中心で使われる
精進料理には野菜・豆類が中心で使われ、その料理の一例は以下の通りです。
・豆ご飯
・けんちん汁
・胡麻豆腐
・野菜の天ぷら
・山菜のお浸し
・がんもどきの揚げ出し
・いこみ高野豆腐
・ナスの漬物
精進料理は、野菜を中心に大豆といった豆類が好んで使われますが、これは野菜のみでは不足しがちなタンパク質を補うためです。また、豆を利用して作られる肉や魚を模した「もどき料理」と呼ばれる食材も、食事の満足度を上げる目的で使用されます。
精進料理の献立・レシピ
精進料理は御膳立てとなっており、ご飯の飯椀・汁物の汁碗・煮物の平皿・酢の物の猪口といった様に、それぞれ料理に応じた器に盛られます。ここでは、精進料理の献立のレシピを盛り付けるお皿に併せて紹介します。
①飯椀:栗ご飯
精進料理の飯碗にはご飯をよそいますが、季節によって栗や芋などを一緒に炊き上げる事もあります。こちらはシンプルにお米と栗、塩といった素材の味を愉しむ最小限の調味料で炊き上げる栗ご飯のレシピです。
②漬け物皿:干し大根の漬物
うま味が凝縮された干し大根を使った、漬物のレシピです。干し大根の持つ歯応えと、りんご酢のさっぱりとした風味とゆずの爽やかさが箸休めになります。
③ 汁椀:けんちん汁
野菜がたっぷり入ったけんちん汁は、市販の冷凍野菜を使用する事で手軽に作れるレシピです。豆腐を入れる事で、タンパク質も取る事ができて、栄養価の高い一品に仕上がります。
④膳皿:ほうれん草の白和え
膳皿には、和え物をよそって膳に並べます。こちらは、膳皿としておすすめのほうれん草を豆腐で和えた白和えのレシピです。すりごまを加えることで香ばしい風味が加わり、体が喜ぶ優しい味にまとまります。
⑤平皿:がんもどきの煮物
がんもどきは、鳥類の雁(がん)に見立てたもどき料理で、精進料理で好まれる食材です。甘辛い煮汁が染み込んだがんもどきを生姜でさっぱりといただくレシピです。
⑥壷:五目煮豆
壺と呼ばれる皿には、煮物のほか、おひたしをよそう事もあります。こちらは精進料理で人気のある豆をこんにゃくや人参と一緒に炊いた煮豆のレシピです。ふっくらとした豆と食材を同じ大きさに切る事で、口の中で統一感が生まれます。
⑦猪口:椎茸ときゅうりの酢の物
椎茸の戻し汁を使って味付けした、きゅうりとわかめの酢の物のレシピです。ミョウガや生姜がアクセントになり、精進料理の五味である、塩味・甘味・酸味・苦味・辛味の全てがこの一品で味わえます。
精進料理を食べてみよう
精進料理は、仏教の伝来と共に伝わり日本の食文化により発展した日本独自の料理です。現代の日本人が慣れ親しんでいる食事も、精進料理が元になっていると考えると奥深さを感じるでしょう。精進料理を食べて、素晴らしい和食の文化を感じてみてはどうでしょうか。