豆腐に使う添加物「消泡剤」とは?害はない?不使用の豆腐ってあるの?
【管理栄養士監修】豆腐に使われている食品添加物「消泡剤」とは何か知っていますか?今回は、消泡剤の役割・用途や種類のほか、摂取することで害・危険性はないのかも紹介します。消泡剤の不使用・使用で豆腐の出来上がりに違いはあるのかも紹介するので参考にしてみてくださいね。
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消泡剤とは?どんな食品添加物?
食品添加物のひとつに消泡剤がありますが、消泡剤とはどんな働きをする食品添加物なのでしょうか。ここでは消泡剤の役割と用途、仕組みや消泡剤を使う理由について解説します。
消泡剤の役割と用途
消泡剤とは、様々な製品の製造工程の中で泡ができたり泡が残ったりするのを防ぐために使われる添加物のことです。消泡剤は、主に以下のような製品の製造工程で使われます。
・食品
・化粧品
・日用品
例えば、食品では豆腐を製造する際に消泡剤が使われます。豆腐の原材料である大豆にはサポニンという成分が含まれますが、サポニンは水に溶かして混ぜると石鹸のように泡立つのが特徴です。
そのため、豆腐の製造過程では大豆のサポニンから大量の泡が発生してしまい、昔はその泡を消すために相当な労力が必要とされていました。今では消泡剤を使うことで豆腐を製造する作業効率が上がり、安定的に生産することが可能になっています。(※1)
消泡剤で泡が消える仕組み
泡は、液体の状態が安定している時に安定して発生します。この泡を消すためには、既に生じている泡を消す働きと、泡が新たに生じること自体を抑える2つの働きが必要です。消泡剤は液体の状態を不安定にさせることで、この2つの働きを可能にします。
具体的な仕組みとして、まず既に生じている泡の場合には、泡の表面の状態が不安定になって表面の膜が破れることで泡が消えます。一方の新たに生じる泡に関しては、あらかじめ消泡剤を液体の中に加えて液体を不安定な状態にしておくことで、新たに膜を作って泡に変わるのを抑制する仕組みです。
消泡剤で豆腐の泡を消す理由
もし消泡剤を使わずに豆腐を作った場合、前述した通り大豆に含まれるサポニンの性質により製造工程の中で泡が多量に発生することになります。気泡だらけの豆腐は見た目が悪いだけではなく、食感も悪く、たくさん空気に触れることになり品質の劣化が進みやすくなるでしょう。
また、次から次へと発生する泡を取り除くために泡をすくい取ったり布で何度もこしたりする必要があるなど多大な労力が必要になり、豆腐の安定的な生産を妨げます。このように、消泡剤は豆腐を安定的に生産するためには欠かせない添加物なのです。
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管理栄養士
食品添加物は全て、ラットやマウスなどの動物実験にて食品安全委員会や国際的機関が無害と確かめた量の1/100を、毎日食べ続けても安全な量としています。さらにこの量よりもずっと少なくなるように、法律で安全基準が定められています。
消泡剤の種類は?
消泡剤の役割は分かりましたが、消泡剤にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、消泡剤の種類について解説します。
①シリコーン系消泡剤
シリコーン系の消泡剤は水性の液体にも、油や溶液などの非水性の液体に対しても効果があります。即効性があることから汎用的に使用され、オイル型・溶液型・オイルコンパウンド型・エマルジョン型・自己乳化型に分類されます。豆腐の消泡剤として使用する場合、多くは煮沸した後の消泡を目的として使われるようです。
②グリセリン脂肪酸エステル
グリセリン脂肪酸エステルは油脂から得た脂肪酸とグリセリンを結合させたもので、豆腐の消泡剤以外にも起泡剤・デンプンの品質改良剤として使用されます。防腐効果や品質の改良効果もあるとされていて、豆腐の消泡剤としては最も多く活用されている種類です。
消泡剤に害・危険性はある?
消泡剤は食品添加物のひとつですが、人体に害や危険性はないのでしょうか。ここでは、消泡剤の害・危険性について説明します。