ゆべし(柚餅子)とは?名前の由来は?原料・発祥地や食べ方・作り方も紹介!
「ゆべし」(柚餅子)とは何か知っていますか?地域によって原料・見た目が変わる和菓子です。今回は、<名前の由来・発祥地・原料>など「ゆべし」の特徴に加えて<蒸す・炙る>など美味しい食べ方や作り方・レシピも紹介します。<備中・くるみ・丸柚餅子>など「ゆべし」の種類も紹介するので参考にしてみてくださいね。
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「ゆべし」(柚餅子)とは?どんなお菓子?
ゆべし(柚餅子)は居住地域によってはなじみの薄い和菓子なので、一度も食べたことがない人もいるでしょう。ここではゆべしとはどんなお菓子かについて、歴史や名前の由来を交えて説明します。
「ゆべし」は源平時代に生まれた発祥地不明のお菓子
ゆべし漢字では柚餅子と書き、源平時代である11世紀末から12世紀にはすでに登場していたといわれています。当時のゆべしは実をくりぬいた柚子の中に米粉と味噌と木の実を入れて蒸したものを干し、乾燥させて作っていました。保存食あるいは携行食として用いられていたものの、発祥地は不明です。
「ゆべし」の名前の由来
ゆべしの名前は、指で押して作ることが由来になっています。当時の米農家では収穫時に壊れた米を集め、米粉として使用していました。その米粉に醤油や砂糖を合わせてから丸めて蒸したものを子供のおやつにしており、その際に指で押して飾りをつけていました。当時の母親たちの優しさが、名前の由来として残っているのです。
「ゆべし」の原料は地域によって変わる
ゆべしは、福島をはじめ仙台や山形、鹿児島、岡山、備中と広範囲にわたる全国の各地域で今でも作られています。しかし、同じゆべしと名付けられていても、東北と東日本と西日本では原料がまったく違うのです。原料が違うことで味や見た目も全く異なる仕上がりになるので、地域によって違う美味しさを食べ比べてみるのも良いでしょう。
「ゆべし」はどんな種類がある?
柚餅子は、かつてはくりぬいた柚子を使って作られていましたが、現在ではゆべし作りに必ずしも柚子が使われるとも限らないようです。ここでは、代表的なゆべしの種類とその違いを紹介します。
①くるみゆべし
くるみゆべしの特徴は、以下の通りです。
・産地:福島県
・原料:くるみ、白玉粉、黒砂糖、お湯、醤油
・味わい・食感:素朴な甘さでくるみの歯応えが感じられる
くるみゆべしは柚子が手に入りにくい福島県で、くるみを代用して作ったことが始まりとされています。柚子を使ったゆべしとは違い、見た目が四角くなっているのも特徴的です。黒砂糖のコクと醤油の塩味のバランスがよい一品です。
②丸柚餅子
丸柚餅子は以下のような特徴を持つことで知られています。
・産地:石川県輪島市
・原料:柚子、もち粉、砂糖
・味わい・食感:柚子のほろ苦さが感じられる、上品な甘さ
丸柚餅子は1年に一度しか作れない希少品で、完熟柚子の中身をくり抜いて透けるまでワタを取り除き、材料を入れて何度も蒸した後に半年かけて自然乾燥させる手間のかかる一品です。全国にファンがいることでも有名で、そのままスライスして食べても、料理の風味付けに使っても美味しいです。