上新粉と米粉の違いは原料?代用できる?特徴別に比較して紹介!
上新粉と米粉の違いを知っていますか?今回は、上新粉と米粉の違いを〈原料・粒度・カロリー〉など特徴別に比較して紹介します。上新粉と米粉は代用できるかや、上新粉を使った〈バン・からあげ〉などの人気レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
上新粉と米粉の違いは何?原料?
グルテンフリーに注目が集まる中、小麦を原料としない上新粉や米粉を使った商品やレシピを目にする機会も増えましたが、上新粉と米粉にはどのような違いがあるのでしょうか。今回は、上新粉と米粉のそれぞれの定義や特徴を紹介した上で2つの違いを解説します。
上新粉はうるち米を原料とした米粉の一種
上新粉はうるち米という種類の米を粉化したものであり、米粉の一種です。米の種類には、普段ごはんとして食べられるうるち米と、餅や赤飯などに使用されるもち米の2種類あります。どちらも粉化した製品が存在しますが、上新粉の原料はうるち米に限定され、もち米を原料としたものは別の製品として定義されます。
米粉は米の粉化製品の総称
米を粉化した製品の総称を米粉と言うため、うるち米を原料にした上新粉や、もち米を粉化した製品もすべて米粉の一種とされます。スーパーなどで米粉として販売されている製品は製菓用や製パン用として製造されているものが多く、原料は上新粉と同じくうるち米が使用されています。
上新粉と米粉の違いは?特徴別に比較!
米粉の一種と定義されている上新粉は、他の米粉と何が違うのでしょうか。またスーパーなどで米粉として販売されているものは、どのような特徴があるのかも気になるところです。ここでは上新粉と米粉のそれぞれの特徴と違いを見てきましょう。
①原料・製造方法
上新粉と米粉の製造方法は、以下の通りです。
【上新粉】
1.洗米後、米を乾燥させる
2.ロールの剪断力で粉砕するロール製粉法という方法で米を粉砕する
3.粉砕した米をふるいにかけ、目の細かい方が上新粉になる
【米粉】
1.洗米する
2.米の水分が残った状態で、石臼と杵でつく胴づき製粉法で米を粉砕する
米粉の原料はうるち米ももち米も使用されますが、製菓用や製パン用の米粉は上新粉と同じうるち米が原料です。違いは製造方法で、上新粉は製粉の時間が短く、粘りが出るのが特徴のロール製粉法で製造されます。米粉の製造方法である胴つき製粉法は時間はかかりますが、より細かく質の高い米粉を製造できるのが特徴です。
②粒度
【上新粉】
・粒度は約90メッシュ
・胴づき製粉法で製造した米粉に比べると粒度は粗い
【米粉】
・約200~400メッシュのものが多い
・粒度が細かいほど製菓用や製パン用に向いている
メッシュとは粒度を表す単位で、数字が大きいほど粒子が細かくなります。上新粉は米粉に比べて粒度が粗く、粘りが出て歯ごたえのある食感が特徴です。一方で米粉はきめが細かいため、米粉を使用した洋菓子やパンは滑らかな舌触りに仕上がるようです。
③用途
【上新粉】
・餅のような食感を活かして和菓子に使用されることが多い
・とろみを付けるために料理に使用されることもある
【米粉】
・洋菓子やパンを作る際の小麦粉の代わりとして使用されることが多い
・製菓用は非常に細かい粒度で製造されていたり、パン用は小麦グルテンが添加されていたりと用途によって米粉の製造方法も異なる
米粉に比べて粘りが強い上新粉は、団子や柏餅、ういろうなどの和菓子作りによく使用されます。また粘り気を料理のとろみづけとしても使用でき、あんかけやとろみのあるスープなどが作れるようです。対して米粉はパンケーキやマフィンなどの洋菓子やパン作りに適しています。小麦粉よりも、もっちりとした食べ応えのある仕上がりになるのが特徴です。
④成分・カロリー
100gあたり | カロリー | 糖質 | 脂質 | たんぱく質 |
上新粉 | 343kcal | 77.9g | 0.9g | 6.2g |
米粉 | 356kcal | 81.3g | 0.7g | 6.0g |
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています。(※1)
上新粉と米粉の原料は同じうるち米のため、100gあたりの成分やカロリーにあまり差はありません。代用されることが多い小麦粉と比較すると、小麦粉100gあたりのカロリーは349kcalで上新粉や米粉とほぼ同じくらいです。一方で小麦粉100gあたりの脂質は1.5gなので、上新粉や米粉の方が低脂質と言えるでしょう。
上新粉と米粉は代用できる?
原料や成分は似ている上新粉と米粉ですが、お互いに代用できるのでしょうか。味や食感、仕上がりなどに影響が出ないのか気になるところです。ここでは上新粉と米粉が代用できるのか、また代用する際の注意点も紹介します。
上新粉と米粉はお互いに代用できる
米粉として販売されているものの多くは上新粉と同じうるち米を原料としているため、味に影響することなくお互いに代用できます。但し粒度や製造方法が異なるため、食感や仕上がりに差が出る場合があるようです。例えば米粉で団子を作ると軽い歯ごたえになったり、上新粉でマフィンを作ると弾力のある仕上がりになったりすることがあります。
(*米粉の代用品について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
ちなみに上新粉・米粉と白玉粉・もち粉の違いは?
米を原料とする米粉には、上新粉以外にも白玉粉やもち粉といったものがありますが、それらの特徴も気になるところです。白玉粉ともち米が、上新粉や米粉とどのような違いがあるのか見ていきましょう。
白玉粉・もち粉も米粉の一種
白玉粉ともち粉も米を粉化した製品のため米粉の一種ですが、白玉粉ともち粉の原料はうるち米ではなくもち米が使用されます。もち米を使用することで粘りが強く出るため、大福や団子などの和菓子に使用されることが多いです。ケーキなどの洋菓子に使用される場合もありますが、仕上がりは餅のような弾力のある食感になるようです。
上新粉・米粉を使う人気レシピ5選を紹介!
上新粉と米粉は、それぞれの特徴を活かして料理やお菓子作りに使用すると、食感や仕上がりを楽しめます。ここからは、上新粉と米粉の特徴を活かした人気レシピを5品紹介します。
①上新粉を使ったからあげ
からあげの衣に粒度の粗い上新粉を使用すると、歯ごたえのあるクリスピーチキンのような食感に仕上がります。からあげをいつもと違った食感に仕上げたいときには、上新粉を使ってみてください。
②上新粉で作るいちご蒸しパン
製パン用の米粉ではなく上新粉を使用することで、餅のような弾力のある仕上がりになります。蒸したてもおいしいですが、時間が経つとより上新粉ならではの弾力のある食感を味わえます。
③上新粉入りの米粉クッキー
上新粉を加えた食感が楽しい米粉クッキーのレシピです。上新粉と米粉で作ったクッキーは、バターや小麦粉を使用しなくてもバタークッキーのような味わいに仕上がります。米粉だけでも作れますが、上新粉を入れることで食感が強調されるので食べ応えが増します。
④さつまいもと餡子の米粉まんじゅう
米粉で作ったまんじゅうの生地を蒸しあげると、空気を含んだような柔らかい仕上がりで、きめ細かい米粉ならではの滑らかな食感を味わえます。小麦粉で作るよりも膨らみにくいですが、ベーキングパウダーを使用すれば、小麦粉で作ったような仕上がりになります。
⑤米粉のお団子
こちらはもち粉の代用として、米粉で作るお団子のレシピです。もち粉で作ると粘りが強く出ますが、米粉で作ることで歯切れがよくなり、子どもや高齢者でも安心して食べやすい食感に仕上がります。
上新粉と米粉の違いを知っておこう
上新粉と米粉は、原料は同じでも製造方法の違いにより料理の仕上がりや食感に差が出ます。お互いに代用できますが、それぞれの特徴を覚えておくと使用する際に役立つでしょう。和菓子以外にも料理やパン作りなど幅広く活用できるので、上新粉と米粉を料理に使ってみてください。