ガムの原料は?主成分は石油製のプラスチック?作り方や安全性について解説!

ガムの原料を知っていますか?今回は、ガムの原料や最近のガムの主成分(酢酸ビニル樹脂・ポリイソブチレン)の安全性について紹介します。ほか、昔と現代のガムの違いやガムの作り方についても紹介するので、参考にしてみてくださいね。

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目次

  1. ガムの原料は?石油って本当?
  2. ガムの昔の原料はチクル
  3. 最近のガムの主成分はプラスチックの仲間の酢酸ビニール樹脂
  4. ガムを食べる・飲み込んでも問題ない
  5. ガムはどう作られている?
  6. 昔のガムの作り方
  7. 現代のチューイングガムの作り方
  8. ガムの成分は体に害はない

ガムの原料は?石油って本当?

虫歯予防やリフレッシュなどの目的で噛むことの多いガムは、「石油から出来ている」といった噂もありますが、実際はどうなのでしょうか。ここからは、昔と現代のガムの原料の違いや、食べた時の体内への影響などについて解説します。

ガムの昔の原料はチクル

昔のガムは、中南米や東南アジアを中心に自生する、アカテツ科の樹木「サポディラ」の樹液を煮詰めた「チクル」を原料にしていました。ガムの歴史は非常に古く、アステカ族やマヤ族などの古代民族は、昔からサポジラなどの樹液を噛む習慣を持っていたとされています。

チクル自体は自然素材で味がないため、甘味料や香料を加えて今のような「ガム」として売られるようになりました。ガムを噛む習慣が広まったのは、1860年頃にメキシコからアメリカにチクルを持ち帰り、甘味料を加えて売り出した事が始まりでした。

日本では、1916年に初めて自然素材のチクルを使用したガムが輸入され、そこから多くの人に好んで食べられるようになったと言われています。

最近のガムの主成分はプラスチックの仲間の酢酸ビニール樹脂

かつてはチクルがガムの主成分でしたが、天然チクルの生産量の減少や合成樹脂の開発が理由で、チクルはあまり使用されなくなりました。そのため、最近のガムの主成分は、酢酸ビニール樹脂と呼ばれる石油を精製して合成されたプラスチック化合物に変化しています。

プラスチックの仲間でもある酢酸ビニール樹脂は、木工用ボンドや乳化剤・化粧品・洗濯のりなどの成分としても使用される成分です。

酢酸ビニール樹脂を製造するには、まず石油を精製させて生じるナフサと呼ばれる物質を、さらに分解精製してエチレンを抽出します。このエチレンに酸素と酢酸に反応させて生成されるのが、ガムベースである酢酸ビニール樹脂です。このように石油が原料になっていることが「ガムは石油からできている」とされる所以です。

ガムを食べる・飲み込んでも問題ない

酢酸ビニール樹脂はプラスチックの仲間なので、食べると危険だと感じる場合もあるかもしれません。しかし、ガムの原料となる酢酸ビニール樹脂は、食品衛生法の厳しい規定に基づく様々な試験で安全性を確認されているので食べても問題ありません。

また、酢酸ビニール樹脂は消化器官で分解されず、体内に吸収されない高分子です。そのため、万が一ガムを飲み込んでしまったとしても、体に吸収されず排泄されます。

ガムはどう作られている?

昔と現代では、ガムの材料が異なるため、その作り方も変化しています。ここからは、昔と現代のガムの作り方の違いについて詳しく紹介しましょう。

昔のガムの作り方

昔のガムは、下記の様にして作られていました。

【作り方】
1、サポディラの樹液を採取する
2、採取した樹液を煮詰める
3、固めて形を整えチクルにする
4、甘味料、香料を加える
5、飴玉サイズに切る


昔のガムの作り方は、自然素材のチクルに甘味料と香料を入れて裁断するだけの非常にシンプルなものでした。最近では、チクルを主原料として使用した昔ながらの製法や原料にこだわったガムも販売されています。

現代のチューイングガムの作り方

現代では、下記の様にしてガムが作られています。

【作り方】
1、チクルを溶かして精製する
2、精製したチクルと酢酸プラスチック樹脂などを混ぜてガムベースを作る
3、ガムベースに甘味料と香料を混ぜて練る
4、ローラーに入れてガムを板状に伸ばす
5、板状に伸ばされたガムを裁断する
6、裁断したガムを冷却する
7、冷却したガムを包装して出荷する


現代のガムは、チクルを溶かしたものと酢酸プラスチック樹脂と混ぜ合わせてガムベースを作っています。商品によってはチクルを使用していないものもあり、その内訳は製品によって異なります。ガムベース自体には味や香りがないため、砂糖や香料を加えて練り合わせ、裁断などの過程を経て板状や粒状のガムに仕上げられるのが一般的です。

ガムの成分は体に害はない

現代のガムはプラスチックの仲間である酢酸ビニール樹脂を主原料として作られていますが、食品衛生法の基準を守って生産されているため、体に害はありません。安心して色々なガムを楽しみましょう。

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