エビの漢字「海老」「蝦」の由来は?魚へんと虫へんの違いがある理由も紹介!
エビは漢字でどう書くか知っていますか?今回は、エビの漢字<蝦・鰕・海老>のそれぞれの由来や、虫へんの「蝦」と魚へんの「鰕」の違いも紹介します。「海老」と「蝦」の使い分け方についても紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
エビは漢字でどう書く?

和洋中問わず様々な料理に使われるエビですが、以下のような複数の漢字が当てられています。
・海老
・蝦
・鰕
それぞれの漢字はどのように使い分けられているのでしょうか。ここからは、それぞれの漢字の由来も併せて詳しく解説します。
エビの漢字①【蝦・鰕】

エビを表す漢字の中で「蝦」と「鰕」はつくりは同じで、へんのみ異なっています。この2つの漢字の由来と違いについて説明します。
エビの漢字「蝦・鰕」の由来
「蝦」と「鰕」に共通するつくりの「叚」には「からだを曲げる」という意味があり、エビのからだが曲がっていることから、このつくりの漢字が当てられました。「魚」へんは水中に住む生き物に、「虫」へんは昆虫類以外にも様々な生き物の漢字に用いられています。
「鰕」という漢字は、平安時代の漢和辞書である和名類聚抄にも記載されている漢字であり、古くから使われていたことがわかります。
虫へんの「蝦」と魚へんの「鰕」の違いは?
「蝦」は古くは両生類のガマやヒキガエルに用いられた漢字で、魚へんの「鰕」がエビの本来の漢字でした。しかし、後の時代の人がエビを魚として扱うのはおかしいと考え、虫へんの「蝦」という漢字に改められたと考えられています。ただし、現代では「蝦」の「鰕」どちらもエビを表す漢字とされています。
エビの漢字②【海老】

現在、エビの漢字の中で最も一般的なのは「海老」という漢字でしょう。この「海老」の漢字は何が由来になっているのでしょうか。
エビの漢字「海老」の由来
エビには長いヒゲがあり、体を丸くした様子が腰が曲がった老人に似ていることから、海にいる老人といった意味を込めた「海老」という当て字が日本で作られました。なお、ヒゲが長く伸びるまで、腰が丸く曲がるまでという長寿の意味を込めておせち料理にも使われています。
エビの漢字「海老」と「蝦」の使い方が違う?

エビには複数の漢字があることがわかりましたが、どのように使い分けられているのでしょうか。ここからは「海老」と「蝦」の使い分けについて解説します。
エビの漢字は移動の仕方で使い分けられる
エビの漢字は移動の仕方で使い分けられています。「海老」は砂地に住み、海の底を歩く歩行型のエビの時に用いられます。代表的なのが伊勢エビで、他にはウチワエビ、ゾウリエビなど硬い殻を持ち、サイズも大きいのが特徴です。
それに対して「蝦」は海の中を泳ぐ遊泳型のエビに用いられます。殻も薄く、サイズも歩行型に比べて小さいのが特徴です。芝エビや車エビ、桜エビ、甘エビの他に、日本人の食卓によく登場するブラックタイガーやバナメイエビも遊泳型のエビに含まれます。
エビの漢字の使い分け方は厳密に決まってはない
上記のように使い分けられていると聞くと、「海老」と「蝦」のどちらを使えば良いか迷ってしまう人も多いことでしょう。現代では歩行型や遊泳型という区別よりもサイズによる区別が一般的であり、伊勢エビのような大きなエビは「海老」、「芝エビ」や「桜エビ」などの小型のエビは「蝦」の漢字を当てはめるのが通例のようです。
しかし、エビの漢字の使い分け方は厳密に決まっているわけではありません。現在の日本では「海老」表記の方が一般的なため、芝エビや桜エビなども「芝海老」や「桜海老」と「海老」で表記されることの方が多いです。
ちなみに英語での使い分け方は…?
ちなみに「エビ」を意味する英単語は「ロブスター」「プローン」「シュリンプ」の3種類があります。これらはエビのサイズによって使い分けられており、「伊勢エビ」などの大型のエビは「ロブスター」、中型の車えびサイズのものが「プローン」、小型のエビは「シュリンプ」と呼ばれています。
ただし、「シュリンプ」は海水のエビで「プローン」は淡水のエビと使い分けている国や地域もあるなど例外も存在しているので、実物を見て判断したほうが良いでしょう。
エビの漢字を覚えよう
エビには「海老」「蝦」「鰕」と複数の漢字があり、それぞれに由来や使い分け方があることがわかりました。今日では「海老」の表記が多くなっていますが、エビの漢字を覚えて「蝦」「鰕」の表記にも注目してみて下さい。