落し蓋を使う意味とは?役割・効果やない時の代用品の作り方も紹介!
落し蓋とは何か知っていますか?使う意味・効果はあるのでしょうか?今回は、落し蓋を使う意味・役割や正しい使い方に加え、素材別のおすすめ商品も紹介します。落し蓋がないときの〈アルミホイル・キッチンペーパー〉での代用品の作り方も紹介するので参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
落し蓋とは?
日本には和食をつくるうえで欠かせない調理器具がいろいろありますが、落し蓋もその一つです。しかし、調理実習以外で使ったことがない人もいることでしょう。ここでは、落し蓋とは何かについて説明します。
落し蓋は煮物などの上にのっける蓋のこと
落し蓋とは調理の際に煮物などの上にのせて使う蓋のことで、普通の蓋とは違います。普通の蓋は鍋とサイズが合うようにつくられ、保温やほこりなどの侵入を防ぐために使われるのが一般的です。
しかし落し蓋は煮物などの素材の上にのせて、素材に直に蓋をするように使うことで、食材に味をしみ込ませる役割を果たします。落し蓋に沸騰した煮汁があたるため、少量の調味液でも蒸発することなく、ムラなく煮含めることができます。
落し蓋の正しい使い方は?
落し蓋の正しい使い方は、以下の通りです。
・使う鍋よりも一回り小さい落し蓋を使う
・落し蓋は食材に合わせて素材も選ぶ
・落し蓋は水で濡らしてから使う
・落し蓋は食材の上に直にのせる
・煮汁が煮詰まったら、落し蓋は外す
・使い終わった落し蓋はすぐに洗う
使う前に落し蓋を水で濡らすのは、匂いが移るのを防ぐためです。特に木製の落し蓋は使用する前に水で濡らしたうえで、しっかり水気を拭きとって使うのが基本です。そうすることで、カビがつきにくくなります。
メニューによって水分の蒸発が多くなりそうな場合は、落し蓋をした状態でさらに鍋の蓋をする方が美味しく仕上がります。その場合は煮物ができあがったら、普通の鍋の蓋だけにして構いません。
落し蓋を使う意味・役割とは?
日本で古くから落し蓋が活用されてきた背景には、その調理方法によって様々なメリットがあったことがあげられます。ここでは、落し蓋を使う意味とその役割について詳述します。
①全体的に味が染み渡る
落し蓋は少ない煮汁でもムラなく、食材全体に味を染み渡らせる役割を担っています。調味液が少なく済むことで、鍋のふきこぼれのリスクがなくなる意味もあり、薪や炭を使って調理をしていた時代には特に重宝しました。
落し蓋を使わずに煮物をつくることはできますが、食材が置かれた場所によって加熱の度合いや味にムラが出やすくなります。美味しい煮物や煮魚を作りたい時には、落し蓋を使うことをおすすめします。
②煮汁の蒸発を防ぐ
落し蓋には煮汁の蒸発を防ぎ、食材を焦げ付かせない意味もあります。落し蓋が煮汁の蒸発を防ぐので、食材も煮崩れしにくくなる役割も果たしてくれるのです。また煮魚に限っては、落し蓋をすることで蒸気と匂いを一緒に逃してくれる効果もあります。
匂いを軽減しながらも煮崩れを防いでくれるので、煮物初心者でも失敗しにくくいのでおすすめです。わざわざ落し蓋を買わなくても、自宅にあるもので代用できるので実践してみましょう。
③保温する
落し蓋をすると食材が煮汁で動くことがなく保温効果があるので、食材への熱伝導がよくなり、調理時間が短くできる役割もあります。意識的に落し蓋を使って調理することで、ガス代や電気代の軽減につなげることもできそうです。時間をかけてゆっくり煮含めたい時には、落し蓋で保温をしながら普通の蓋もする、きせ蓋をすることをおすすめします。
④食材の煮崩れを防ぐ
落し蓋は鍋の中の食材を押さえる役割を果たすので、煮汁の中で具材がぶつかり合うことを防いでくれます。そのため、中の食材の煮崩れの予防にも効果があるのです。じゃがいもやかぼちゃなど、ぶつかり合うと形が崩れやすい食材は、落し蓋を使って調理することで見栄えもよくなります。
⑤アクをとる
アルミホイルやキッチンペーパーを落し蓋代わりに使うことで、アクをとる効果があります。食材を煮る際に出るアクは、しっかり摂らなければ料理の味が落ちてしまうものです。アクを吸ったアルミホイルやキッチンペーパーは汚れても、すぐに新しいものを代わりに入れられるので、長時間の煮込み料理などにも便利です。
⑥調理時間を短縮する
落し蓋を使うと鍋の中で食材が滞留し、具材に火や味が通りやすくなるので、調理時間が短縮できるメリットがあります。調理時間を短くしたい人にとっては、美味しく手早く料理をつくれる、意味のある調理器具といえます。
落し蓋の素材別のおすすめは?
かつては落し蓋といえば木製が定番でしたが、現代では様々な素材のものが流通しています。食材の硬さや柔らかさによって、素材を変えるとより美味しく調理できることでしょう。ここでは、素材別におすすめの落し蓋を3つ紹介します。
①シリコン製
近年人気が高まっているのが、シリコン製の落し蓋です。加工しやすい素材なのでデザイン性が高く、バリエーションも増えています。汚れを落としやすく使い勝手もよいと評判で、リーズナブルなものが多いので、好みのものを探してみましょう。
②ステンレス製
劣化しにくく幅広いサイズに適応する落し蓋を探しているなら、金属製の中でもステンレス製のものをおすすめします。蒸気は逃がしやすくなりますが、洗いやすく清潔な状態で使い続けられます。
③木製
魚や野菜を煮込む際に適度な重みを与えることができるので、木製の落し蓋を愛用する人は多いです。サイズも豊富で煮崩れを防ぐ効果もあるのでおすすめです。
落し蓋は代用できる?
落し蓋は専用の蓋を購入しなくても、家にあるもので代用できます。料理を美味しくつくるために、落し蓋の代用品を覚えておくと便利です。ここでは、家庭にあるもので落し蓋を代用する方法を3つ紹介します。
代用案①アルミホイルでの落し蓋の作り方
落し蓋の代用品としてアルミホイルを使うと、煮物から出るアクをとる効果もあるのでおすすめです。アルミホイルを落し蓋代わりにする手順は、以下の通りです。
①アルミホイルを鍋の大きさに合わせて切る
②①を鍋の内径に合わせて折り曲げる
③①の中央に菜箸などで穴を開ける
アルミホイルで落し蓋の代わりに使う時には、一度丸めて広げたものを使用するのがポイントで、そうしておくことで溝の部分にアクが溜まります。穴を開けるのは、調理中に浮き上がることなく、落し蓋の役割を果たすためです。
ただし、柑橘類や酢を使う煮物にアルミホイルの落し蓋を使うと腐食することがあるので避けてください。また、洗っても再利用はできないので、毎回新しいアルミホイルで代用しましょう。
代用案②キッチンペーパーでの落し蓋の作り方
キッチンペーパーも落し蓋の代わりに使うことができ、実践方法は以下の通りです。
①キッチンペーパーを鍋の大きさに合わせて切る
②①の角と角を合わせて、三角形に折りたたむ
③②を開くと12個の三角形ができるよう、さらに3回折りたたむ
④③の先端と側面の左右の中央部分、下側の4カ所をハサミで丸く切る
⑤④を広げて具材の上に置く
煮汁から出る水分を内包することで、食材により味がしみ込みやすくなります。キッチンペーパーを落し蓋の代わりに使う時には、何枚かを少しずつ重ね、食材が見えないよう鍋を覆うのがポイントです。
また、キッチンペーパーもアクを吸い取ってくれるので、アク取りの手間が省けます。さらにキッチンペーパーは他の代用品に比べて具材に味がしみ込みやすくなるのがメリットです。
代用案③クッキングペーパーでの落し蓋の作り方
クッキングペーパーも落し蓋の代わりに使用でき、実践方法は以下の通りです。
①クッキングペーパーを鍋の大きさに合わせて切る
②①の角と角を合わせて、三角形に折りたたむ
③②を開くと12個の三角形ができるよう、さらに3回折りたたむ
④③の先端と側面の左右の中央部分、下側の4カ所をハサミで丸く切る
⑤④を広げて具材の上に置く
鍋や食材が焦げ付くのを防いでくれます。クッキングペーパーを落し蓋代わりに使う時には、鍋の直径より大きめにカットするのがポイントです。クッキングペーパーは樹脂加工が施されているので、洗えば再び落し蓋代わりに使うことが可能です。
(*落し蓋のその他の代用品について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
落し蓋を使って料理上手に!
今回は落し蓋を使う意味、役割や正しい使い方に加え、素材別のおすすめ商品も紹介しました。落し蓋を活用できると調味料や調理時間の短縮もでき、煮崩れせずに味が均等にしみ込むなどメリットも大きいです。落し蓋を活用し、料理上手を目指しましょう。