かぼちゃの語源・日本伝来の歴史とは?カンボジアが名前の由来なの?
【管理栄養士監修】かぼちゃの語源・由来や日本に伝来した歴史を知っていますか?中南米原産のかぼちゃは16世紀に日本に持ち込まれ、以降様々な種類のかぼちゃを楽しめるようになりました。今回は「かぼちゃ」の名前や漢字の語源や海外の呼称に加え、原産地~日本に渡った歴史をご紹介します。
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かぼちゃとは?
スーパーで見ない日はないほど食卓によく並ぶ野菜の1つであるのが、かぼちゃです。古くから栄養価の高い野菜として知られており、アレンジも豊富なので煮物などのおかずやプリンなどのスイーツとレシピが幅広いことが魅力です。
親しみのあるかぼちゃですが、かぼちゃの基礎知識と主産地は知らない人が多いため、以下でご紹介します。
かぼちゃはウリ科つる性の野菜
かぼちゃは世界中で約20種類もあるウリ科つる性の野菜です。そのうち様々な歴史を経て、日本で栽培されているのは4種類です。具体的には日本かぼちゃ、西洋カボチャ、雑種かぼちゃ、ペポかぼちゃです。
かぼちゃはどんな土地でも育ち、たくさん収穫できて長く保存できることが特徴です。またβカロチンやαカロチン、ビタミンC、食物繊維が豊富なことから、冬に冬至かぼちゃとして食べられています。
(*かぼちゃの種類について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
日本の主産地
日本の主産地は、農林水産省の平成24年産野菜生産出荷統計によると北海道、鹿児島県、茨城県の順に多く栽培されています。特に北海道は49.9%と半分を占めているのが特徴です。
また季節は鹿児島県と茨城県では初夏に収穫するのに対して、寒冷地である北海道は秋口まで収穫することができます。栽培地域に偏りがないのも、かぼちゃならではの特徴です。
柳田ゆい
管理栄養士
北海道では昼夜の寒暖差が大きいため、その気温差により、糖度の高いかぼちゃを栽培することができます。
かぼちゃの歴史
かぼちゃは日本古来の野菜ではなく、中米・南米辺りが原産の野菜です。その歴史は16世紀にポルトガル船から持ち込まれたことで日本に次第に伝わっていきました。
最初はかぼちゃの種類も限られていましたが、西洋カボチャが持ち込まれ糸かぼちゃやズッキーニなど多くの品種を楽しめるようになりました。以下ではかぼちゃの歴史について詳しく説明します。
原産地は中米・南米辺り
かぼちゃの原産地は中米・南米辺りが現在有力です。諸説ある中、根拠となったのはメキシコの洞窟内にある紀元前7000~5500年の地層部分から、かぼちゃの種が見つかったことです。
さらにトウモロコシなどの主食になる食物よりも、先にかぼちゃの栽培が普及していたことがわかりました。また当時のかぼちゃの特徴から、実よりも種を煎って食べていたことも研究により明らかになりました。
16世紀日本に持ち込まれる
16世紀になるとポルトガル船が難破し、現在の大分県付近に漂着したことで日本にかぼちゃが持ち込まれました。このかぼちゃは当時豊後国の大名である大友宗麟に献上され、「宗麟かぼちゃ」として広まりました。
さらにスペイン人やポルトガル人が宣教のため日本に来た際も、度々かぼちゃは持ち込まれます。1573年頃長崎県にかぼちゃが持ち込まれると、全国的にかぼちゃ栽培が普及することとなりました。
19世紀に西洋カボチャがアメリカから持ち込まれる
19世紀になると、西洋カボチャがアメリカから持ち込まれます。しかし当時は持ち込まれたもののすぐには普及せず、明治時代になり北海道や東北、長野の寒冷地で育てられたことで普及することとなりました。
現在西洋カボチャは日本で多く食べられており、「坊ちゃんかぼちゃ」や「くりかぼちゃ」が挙げられます。特にくりかぼちゃはシェアの50%を占めているのが特徴です。
柳田ゆい
管理栄養士
スーパーに並んでいるかぼちゃのほとんどは、西洋かぼちゃです。 日本かぼちゃは表面に凸凹が多く、水分が多いのに対し、西洋かぼちゃは表面に溝がなく、ホクホクとした食感と甘味が強いのが特徴です。