かぼちゃの語源・日本伝来の歴史とは?カンボジアが名前の由来なの?
【管理栄養士監修】かぼちゃの語源・由来や日本に伝来した歴史を知っていますか?中南米原産のかぼちゃは16世紀に日本に持ち込まれ、以降様々な種類のかぼちゃを楽しめるようになりました。今回は「かぼちゃ」の名前や漢字の語源や海外の呼称に加え、原産地~日本に渡った歴史をご紹介します。
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さらにその後ペポかぼちゃが中国から持ち込まれる
西洋カボチャが持ち込まれた後、中国からペポかぼちゃが持ち込まれます。このペポかぼちゃはそもそも北南米の乾燥した地域で栽培されており、それが中国の南京経由で伝来してきました。
現在では食用以外にも鑑賞用として楽しまれています。例えば糸かぼちゃやズッキーニはペポかぼちゃに属します。またハロウィンの時によく見るオレンジが特徴のかぼちゃもペポかぼちゃが多いです。
(*ペポかぼちゃについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
かぼちゃの名前の語源・由来とは?
普段何気なく言葉にしている「かぼちゃ」という名前ですが、ポルトガル語で「カンボジアの瓜(カンボジャ・アボボラ)」が語源の説や、かぼちゃについて質問をされた人がどこから来たのかと聞かれたと思いこんでカンボジアと答えたなど語源・由来には諸説あります。
今回はかぼちゃの名前の語源・由来のもっとも有力とされている説や、かぼちゃの漢字について説明します。
カンボジアが鈍って「かぼちゃ」になった説が有力
かぼちゃの名前の語源で現在一番有力とされているのは、カンボジアが鈍って「かぼちゃ」になった説です。これは最初にポルトガル人が豊後国の大友宗麟にかぼちゃを献上した際、「シャムの東の国のカンボチャ産である」と説明しました。(※1)
その際のカンボチャ産がかぼちゃに聞こえたことが語源と言われています。歴史として残っていることからも、一番有力とされているのです。
漢字は「南瓜」「唐茄子」
かぼちゃの漢字が「南瓜」「唐茄子」と書かれるのには理由があります。南瓜は中国でも同じ漢字で書かれ「ナンキン」と読みます。日本では「南京にある港から持ち込まれた瓜」、中国では「南蛮渡来の瓜」と解釈し短縮したことが由来となって「南瓜」と日中両国で呼ばれるようになりました。
一方「唐茄子」は、「唐から伝来した茄子」という意味が込められています。解釈は様々ですが、共通して歴史背景が由来なのが特徴です。日本各地でかぼちゃのことを年配の方が「ナンバン」「トウガン」など昔の名前で読んでいることもあるそうです。
かぼちゃは英語で「パンプキン」ではない?
学校教育でもパンプキンと習ったことから、多くの人がかぼちゃをパンプキンと答えがちです。しかしかぼちゃの種類や皮の厚さ、英語圏でもどこの国かによってパンプキンと表現しない場合があります。
次に紹介する「squash」はアメリカやイギリスで表現される言葉です。オーストラリアやニュージーランドでは使われません。以下ではその具体的な表現を説明します。
日本かぼちゃは英語で「squash」
日本かぼちゃは英語で「squash」と表現します。パンプキンとの違いは、パンプキンはオレンジ色の皮のかぼちゃに対して使うのに対し、「squash」はウリ科かぼちゃ属のものに対して使います。
さらに皮が硬いかぼちゃを「winter squash」と言い、皮が薄いかぼちゃを「summer squash」と言います。パンプキンでも通じる国はありますが、海外に行った際に試してみると面白いかもしれません。
かぼちゃの歴史は長い
どんな料理とも相性のいいかぼちゃですが、長い歴史の中で多くの種類が生まれ味も品種改良されてきました。食用だけではなく観賞用としてのかぼちゃもあり、今や生活には欠かせない食材です。
栄養価の高さや味に注目して食べるのも良いですが、かぼちゃの言葉に込められた歴史に想いを馳せながら味わってみてはいかがでしょうか。