フダンソウとは?栄養・味は?あく抜きの仕方〜食べ方・レシピのおすすめも紹介!
フダンソウとはどんな野菜か知っていますか?今回は、フダンソウの〈味・栄養価・効能〉など特徴を、あく抜きの仕方〜〈生サラダ・煮物〉など食べ方のおすすめと紹介します。〈おひたし・味噌汁〉など、フダンソウを使った人気&簡単レシピについても紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
- フダンソウとは?どんな野菜?
- フダンソウの味わい・原産地など特徴
- フダンソウの種類
- フダンソウの名前の由来と別名
- フダンソウの栄養価・効能は?
- ①カリウム
- ②ビタミンE
- ③βカロテン
- ④鉄分
- ⑤食物繊維
- フダンソウの食べ方は生でもOK?あく抜きが必要?
- フダンソウは茹でてあく抜きする必要がある
- フダンソウの若葉なら水に浸せば生サラダでも食べられる
- フダンソウの生食以外で相性の良い調理法・料理
- フダンソウを使った人気&簡単レシピ8選!
- ①胡麻和え
- ②おひたし
- ③豚肉とフダンソウの煮物
- ④フダンソウの味噌汁
- ⑤フダンソウのグリーンスムージー
- ⑥フダンソウのバター炒め
- ⑦フダンソウのナムル
- ⑧ペペロンチーノパスタ
- フダンソウの保存方法・日持ちは?
- フダンソウをすぐ食べる場合は冷蔵保存でOK
- フダンソウを長期保存したい時は冷凍しよう
- フダンソウの栽培もできる?育て方は?
- 栽培方法
- 害虫対策・農薬
- 収穫の仕方
- フダンソウを美味しく食べよう
フダンソウとは?どんな野菜?

フダンソウはカラフルな色を持った野菜で、近年よく見かけるようになっていますが、どんな野菜なのでしょうか。今回はフダンソウの特徴や栄養、おすすめのレシピや保存方法を紹介します。
フダンソウの味わい・原産地など特徴
フダンソウは比較的くせがなく、ほうれん草によく似た味わいが特徴です。特に若葉の時期は食べやすく、葉も柔らかくて美味しいです。葉が大きくなると、独特の苦みや青臭さも感じられます。原産地は地中海地方で、古くから西洋ではよく食べられていた野菜です。
フランス料理などにも使われることが多く、バターなどの乳製品ともよく合います。日本には16~17世紀ごろに伝来し、よりカラフルな色を持った品種が明治期以降に広まったようです。
フダンソウの種類
フダンソウにはいくつかの種類があり、以下が代表的な種類です。
・小葉種
・白茎種
・スイスチャード
フダンソウには古くから日本で栽培されてきた小葉種や、茎が白くて葉が緑色の白茎種などがあります。小葉種はほうれん草などによく似た品種で、茎が細く葉も小さい野菜です。くせも少なく食べやすく、柔らかい食感でおひたしなどにしても美味しいです。白茎種は西洋から伝来し、現在最も多く栽培されている品種で、スーパーなどでも見かけることがあります。
葉が縮れ、茎は太くてやや平たい形をしています。スイスチャードは白茎種の茎がカラフルな色をしている品種で、葉脈にも色がついているので綺麗です。葉の形や茎の太さなどは白茎種とほとんど同じで、味わいもよく似ています。オレンジや黄色、赤などの色を持っていて綺麗で、色々な料理に取り入れられています。
フダンソウの名前の由来と別名
フダンソウは常に収穫できることから、絶えることがない「不断」の野菜という意味が名前の由来です。年中通して収穫しやすく、育てやすい野菜です。フダンソウのほか、「うまい菜」や「いつも菜」、「常菜」などの別名も持っています。フダンソウは沖縄でもなじみ深く、沖縄の方言では「ンスナバー」と呼ばれています。
(*フダンソウ(スイスチャード)の味わい・食べ方について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
フダンソウの栄養価・効能は?

カロリー | 19kcal |
---|---|
水分 | 92.2g |
タンパク質 | 2.0g |
糖質 | 0.4g |
脂質 | 0.1g |
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
フダンソウはくせのない野菜ですが、栄養価はあるのでしょうか。生のフダンソウに含まれるカロリーは100gあたり19kcalと低く、タンパク質や糖質もありますが、水分が多いです。ここでは、フダンソウに含まれている栄養成分について紹介します。
①カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1200mg | 2500mg | 48% |
フダンソウにはカリウムが多く含まれていて、その量は1日の摂取量の目安の約半分にも及びます。カリウムは体内の余分なナトリウムと結合し、体外へ排出する働きを持つ栄養成分です。塩分濃度を調節するため、血圧を調節し、高血圧予防などに効果的です。体内の水分量の調節にもかかわる栄養で、むくみの防止にも役立ちます。
フダンソウに含まれるカリウム量は、ほうれん草の2倍近くあると言われ、葉物野菜の中ではトップクラスの含有量です。(※2)
②ビタミンE
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1.7mg | 6mg | 28% |
フダンソウに多く含まれているビタミンEは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンの1つです。抗酸化作用に優れ、体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐのに役立ちます。老化防止や、がん予防などの効果が期待できる栄養素で、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも効果的です。(※3)
③βカロテン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3700μg | 9600~10800μg | 39% |
フダンソウはβカロテンの含有量も高く、抗がん作用や免疫の活性化などをサポートします。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、髪の健康や皮膚、粘膜の健康維持にも役立つ栄養素です。βカロテン単独の摂取量の目安は明確には示されていませんが、仮に必要なビタミンAの摂取量をのみで補う場合、1日に必要な摂取量はおよそ9600~10800μgです。
フダンソウ100gには、この約40%近い量が含まれているので、効果的にβカロテンを摂取することができます。(※4)
④鉄分
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3.6mg | 7.5mg | 48% |
フダンソウには鉄分も多く含まれているので、貧血防止などにも効果的です。フダンソウ100g当たりに含まれている鉄分の量は、1日に必要な鉄分摂取量の約半分にも及びます。鉄分が不足すると疲労感が増し、貧血なども起こしやすくなります。特に女性が不足しやすい栄養素なので、積極的にフダンソウを食べて鉄分を補うのがおすすめです。(※5)
⑤食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3.3g | 21g以上 | 16% |
フダンソウは食物繊維も多い野菜で、便秘の改善や腸内環境の改善にも役立ちます。食物繊維は食べ物の消化吸収の速度をゆっくりにしてくれるので、急激な血糖値の上昇を抑えるのにも効果的です。血中のコレステロールの低下にも効果的な栄養素で、フダンソウを食べることで生活習慣病の予防にもつながります。(※6)
フダンソウの食べ方は生でもOK?あく抜きが必要?

フダンソウは栄養価も高く、季節を問わずに手に入りやすい野菜ですが、どのように食べればよいのでしょうか。ここでは、フダンソウの基本的な食べ方やあく抜きなどについて紹介します。
フダンソウは茹でてあく抜きする必要がある
フダンソウを食べる時は、加熱してあく抜きをする必要があります。
【茹でる場合】
1.鍋に湯を沸かし、少量の塩を加える
2.洗ったフダンソウを茎から鍋に入れる
3.茎がしんなりしたら葉も入れて湯がく
4.1分~1分半程度加熱したら水にさらす
【電子レンジで加熱する場合】
1.よく洗ったフダンソウは水がついたままラップで包む
2.電子レンジで約2分程度加熱する
3.水にさらしてから、よく水気を絞る
フダンソウは料理する前に加熱して、あく抜きをする必要があります。鍋で茹でる場合は、沸騰したお湯で下茹でし、水にさらしてあく抜きをします。この時、全体の火の通り方が均一になるように茎から先に加熱するのがポイントです。葉は火が通りやすいので、1分程度加熱してすぐに水にさらして冷まします。
電子レンジを使ってあく抜きをする場合は、水を浸けたままラップに包んで加熱するだけです。全体がしんなりしたら茹でる時と同じように水にさらしてあく抜きをします。どちらも、フダンソウが冷めたら水気を絞って調理してください。
フダンソウの若葉なら水に浸せば生サラダでも食べられる
フダンソウは加熱してあく抜きをする必要がありますが、葉の柔らかい若葉の状態では生のままサラダでも食べられます。サラダにする際は、食べやすいサイズに切った後、水にさらしてあく抜きをします。あく抜きをせずにサラダにしたフダンソウはくせが強く、渋みや苦みも感じやすいので美味しく仕上がりません。
フダンソウの生食以外で相性の良い調理法・料理
フダンソウは生食以外にも、以下のような料理で味わえます。
・おひたし
・炒め物
・和え物
フダンソウは下茹でをしてあく抜きをすれば、食べやすく、色々な料理で楽しめます。おひたしや和え物など、シンプルな料理でも美味しいです。また、炒め物とも相性が良く、油を合わせた調理はフダンソウの甘みが引き立ちます。フダンソウには苦みやえぐみの元となるシュウ酸も含まれていますが、先に下茹でをしておけば気になりません。
フダンソウを使った人気&簡単レシピ8選!
ここでは、フダンソウを使ったおすすめの料理を紹介します。身近な調味料を使った、簡単に作れるレシピばかりなので、フダンソウが手に入った時は試してみてください。
①胡麻和え
下茹でしたフダンソウを胡麻和えにしたレシピで、胡麻の香ばしい味わいとフダンソウの甘みがよく合います。砂糖と醤油のシンプルな味付けで、カラフルなフダンソウを使えば食卓が華やぎます。
②おひたし
下茹でしたフダンソウはあく抜きができているので食べやすく、おひたしにしても美味しいです。だしや醤油などであっさりした味付けにするレシピで、和食の献立によく合う副菜です。
③豚肉とフダンソウの煮物
豚肉とフダンソウを炒めてから、だしや調味料で煮込む料理です。フダンソウを生のまま炒めて作る煮物レシピですが、先に下茹でしておくとあくが少なくなり、食べやすくなります。
④フダンソウの味噌汁
フダンソウと豚肉を具材に白味噌味噌仕立ての味噌汁のレシピで、フダンソウの甘みに白味噌の甘みがよく合います。そのまま茹でて具材にしていますが、先にフダンソウを下茹でする方があくが少なくて美味しいです。
⑤フダンソウのグリーンスムージー
フダンソウはくせが少ない野菜なので、マンゴーやバナナと一緒にスムージーにしても美味しいです。甘みや香りの強い野菜と合わせると飲みやすく、フダンソウが苦手な人にもおすすめです。
⑥フダンソウのバター炒め
フダンソウとベーコンをバター醤油で炒める料理で、香ばしいバターと醤油の味わいが絶品です。ベーコンの塩気でフダンソウの甘みも引き立ち、和洋どちらの献立にも合う味付けです。
⑦フダンソウのナムル
下茹でしたフダンソウを胡麻油や塩コショウで、シンプルに味付けした料理です。サラダ感覚で食べられるあっさりした味付けで、カラフルなフダンソウを使えば見た目も華やかで綺麗です。
⑧ペペロンチーノパスタ
フダンソウを具材にしたペペロンチーノのレシピで、フダンソウで主食を作りたい時におすすめです。にんにくや鷹の爪の風味に、フダンソウの香りや旨味が加わり、シンプルでも満足感のあるパスタに仕上がります。
フダンソウの保存方法・日持ちは?

フダンソウは色々な料理で楽しめる、美味しい野菜ですが日持ちはするのでしょうか。ここでは、フダンソウの保存方法や日持ちについて紹介します。
フダンソウをすぐ食べる場合は冷蔵保存でOK
フダンソウは基本的に、ほうれん草などの葉物野菜と同じように冷蔵保存するのがおすすめです。買ってすぐ食べる場合は、冷蔵庫の野菜室などに保存します。冷蔵保存したフダンソウの日持ちは、およそ2~3日です。冷蔵庫内で乾燥しないように、キッチンペーパーや新聞紙に包みビニール袋に入れて保存すれば、美味しいまま保存できます。
フダンソウを長期保存したい時は冷凍しよう
フダンソウは冷蔵保存できますが、長く保存させたい時は冷凍保存がおすすめです。先に下茹でしてあく抜きしたフダンソウを、使いやすいサイズに小分けにして冷凍保存します。使うときは自然解凍をし、炒め物やスープの具材などに使ってください。冷凍保存した時のフダンソウの日持ちは、約1か月程度です。
フダンソウの栽培もできる?育て方は?

フダンソウは、スーパーなどでも購入できますが、家庭でも栽培できる野菜です。栽培も簡単で、手軽に新鮮で栄養のある野菜を料理に生かせるので、フダンソウが好きな人は試してみてください。
栽培方法
フダンソウの基本的な栽培方法は、以下の通りです。
1.土に苦土石灰や元肥を混ぜておく
2.フダンソウの種を一晩水に浸す
3.プランターに土を入れ、フダンソウの種をまく
4.芽が出たら適当な間隔で間引きする
5.追肥を行い、大きくなったら葉を切って収穫する
フダンソウは気候の変化にも強く、プランターを使えばベランダでも栽培できる野菜です。土には元肥と苦土石灰を混ぜて、弱アルカリ性にします。フダンソウの種は殻が固くて、そのまままくと芽が出にくいので一晩水に浸しておくのがおすすめです。
1~2㎝の深さに種をまき、芽が出たら間引きをしながら育ててください。間引いた葉は、間引き菜としておひたしなどで食べられます。ある程度大きくなったら追肥もして、葉が15~20㎝くらいになるまで育てば食べ頃です。
害虫対策・農薬
フダンソウは比較的害虫に強く、虫に食べられることも少ないです。アブラムシなどの害虫がつきそうなときは、防虫ネットや害虫に適した農薬を使って対処してください。間引きが足らず、葉が密集すると害虫もつきやすいので、よく観察して害虫対策をするのが大切です。
収穫の仕方
フダンソウが適当な大きさに育った後は、根を抜かず葉を切って収穫します。フダンソウは成長が早く、内葉を数枚残して外の葉だけを切れば、次第に残りの葉が育ちます。しばらく育てていると、また新たな葉を収穫でき、絶えまなく収穫できるので便利です。長いときは、数ヶ月間収穫することができますが、新芽を切ると弱るので注意してください。
フダンソウを美味しく食べよう
フダンソウはくせが少なく食べやすい野菜で、サラダや炒め物、おひたしなど色々な食べたかができます。栄養価も高く、栽培すればいつでも食べられるので、野菜不足を補いたい時にもおすすめです。紹介したレシピを参考に、お好みのフダンソウ料理を味わってみてください。