パクチーの味を例えて表現すると?好き嫌いが分かれる理由や苦手克服法も紹介!
【管理栄養士監修】パクチーの味・臭いを例えて表現できますか?今回は、パクチーの味・臭いが〈カメムシ・洗剤〉に例えて表現される理由や好き嫌いが大きく別れてしまう理由を紹介します。パクチーの味・臭いを克服する方法も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
- パクチーの味を例えて表現すると?何の味?
- カメムシ・洗剤の味と例えられる
- パクチーはカメムシと同じ臭い?
- 「コリアンダー」はギリシア語で「カメムシ」
- パクチーの匂い成分がカメムシと同じ
- パクチーに好き嫌いが大きく分かれる理由とは?
- 嗅覚受容体の遺伝子が深く関係している
- パクチーの味・臭いが似ている食材は他にある?
- ①ドクダミ
- ②三つ葉
- ③セロリの葉
- ④セリ
- パクチーの味・臭いを克服する食べ方は?【苦手な人必見】
- ①ドレッシングと一緒に食べる
- ②刻んで食べない
- ③時間をおいて挑戦する
- パクチーの味・臭いを抑える調理法
- ①乾燥させる
- ②加熱調理する
- ③具材に混ぜる
- パクチー初心者におすすめのレシピ
- ①パクチー入り餃子
- ②アボカドとポテトのパクチーマヨサラダ
- ③ほうれん草とチーズのインドカレー
- ④パクチーと豆腐のスープ
- ⑤エビとパクチーの春雨サラダ
- パクチーの味・臭いは好き嫌いが多い
アメリカの遺伝子解析サービス「23andMe」が約3万人の人を対象に行った調査によると、パクチーの好き嫌いについては、人間の持つ嗅覚受容体遺伝子のひとつである「OR6A2」が関係しているそうです。
パクチーを好まない人の多くが、この遺伝子に突然変異があり、脳はアルデヒドに対して敏感に反応してしまうそうです。アルデヒドは洗剤などにも含まれているため、パクチーを洗剤などの仲間で食べ物ではないと認識してしまい、本能的に拒否してしまうわけです。
また、アルデヒドはシナモンやバニラなどの食品にも含まれます。シナモンには桂皮アルデヒドが含まれており、甘辛い独特の香りを持っています。バニラにはバニリンという種類のアルデヒドが含まれていて、アルデヒドに過敏な人はこれらの香りも洗剤や芳香剤のように感じてしまうようです。
管理栄養士トントン
管理栄養士
一部の人にとっては、遺伝子レベルで「食品では無い」と判断してしまう香りとは驚きですよね。大きな個人差があるのがわかりました。どうしたら食べられるようになるか。工夫については続きをどうぞ。
パクチーの味・臭いが似ている食材は他にある?
洗剤など、食べ物以外の物に例えられることが多かったパクチーですが、実は日本でもなじみのある食材の中にはパクチーと共通点を持つものもあります。ここではパクチーと味や風味の似ている食材についてご紹介します。
①ドクダミ
臭いもさることながら、ドクダミはその名前にも強いインパクトがありますね。毒なのかと思ってしまうかもしれませんが、「毒を矯(た)める(=正しく直す)」という由来からそのように呼ばれています。生の葉には強い殺菌作用があり、また生薬としても排膿作用や便秘改善など多くの効能が期待されています。
ベトナムでは香草の一種として扱われることもあり、他の薬味やスパイスなどと合わせることで食べやすくなるかもしれません。ですが日本では漢方として煎じてお茶のような形で服用されるのが一般的です。
②三つ葉
三つ葉はパクチーと同じセリ科の植物で、人によっては「もともと三つ葉は好きだったけど、妊娠中三つ葉の臭いがパクチーのようにしか感じなくて、一時的に食べられなくなってしまった」などという声もあります。
三つ葉は彩りがよく和食の料理を作る際は特に重宝されています。しかし和食でも三つ葉を山盛り乗せて仕上げる料理というのはめったに見かけません。東南アジアなどエスニック料理におけるパクチーも和食における三つ葉と一緒で少量を添えるのが主流のようです。
③セロリの葉
セロリが日本で初めて食べられるようになったのは、江戸時代にオランダから長崎に持ち込まれたのが最初であるといわれています。そう考えるとパクチーは10世紀頃中国からすでに持ち込まれていると言われており、セロリよりパクチーのほうが日本での歴史は古いことになります。
「西洋三つ葉」の異名ももつセロリですが、独特の香りと繊維質な歯ごたえが特徴の食材です。また、セロリの葉の部分はパクチーと見た目も似ているかもしれません。茎のほうが料理に使われることが多いですが、葉の部分にも旨味や栄養があるので、ぜひ一緒に食していきたいですね。
醤油と一緒に調理をすると臭みが気になりにくく、火を通すと甘みが増すのでエビなどの食材と一緒にオリーブオイルなどで炒めるとおいしくいただけます。
④セリ
春の七草に登場するセリですが、三つ葉同様パクチーと同じセリ科の植物で、やはり独特の香りや味があります。一年中手に入りやすい食材というわけではなく、七草がゆなどでしか食べる機会がない方も多くあまり親しみがないため、どんな味かはなかなかイメージが湧きにくいかもしれませんが、実は日本では三つ葉よりも古くから食べられている食材です。
仙台ではセリ鍋としても有名で、食物繊維やビタミンCを豊富に含むセリを根っこまで余すことなく食べられるとして人気を集めています。
パクチーの味・臭いを克服する食べ方は?【苦手な人必見】
遺伝子がアルデヒドを拒否してしまうのにパクチーを克服なんてできるのか、と感じるかもしれませんが、苦手な食材はきっかけさえうまくいけば克服できることもあります。ここからはパクチーの味やにおいが気になりにくくなる食べ方をご紹介します。
①ドレッシングと一緒に食べる
パクチーを生で食することで火を通すと壊れてしまうビタミンや酵素をそのまま摂取でき、またドレッシングに含まれる油分がビタミンなどの吸収助けてくれるため、パクチーをサラダとしてドレッシングと一緒に食べるのはとてもおすすめです。
また、ドレッシングの油分がパクチーに絡むため臭いが気になりにくくなり、とくにエスニック風のドレッシングの多くにはナンプラー(魚醤)など香りの強いものが含まれているので、パクチーとの相性は抜群です。
②刻んで食べない
パクチー以外の野菜にも言えることですが、植物は刻むこと繊維が壊れたり、細胞壁が壊れるのでその味や香りを感じやすくなります。逆に薬味の味や香りを楽しみたいときは、細かく刻む・またはたたいてつぶしたりすると効果的ですが、パクチーが苦手な人は、刻んだりすりつぶすといった調理はせずに、茎から葉を摘んで散らす、などの使い方のほうが良さそうです。