パクチーの味を例えて表現すると？好き嫌いが分かれる理由や苦手克服法も紹介！

パクチーは近年、エスニック料理が注目されるとともに広く知られ、若い女性を中心に人気を集めている食材です。一方で、その独特な香りや味から苦手とする方もいるでしょう。好みが分かれるパクチーはどんな味なのか、何と例えるのが一番伝わりやすいのかを紹介します。

パクチーの味を例えるとき、１番多く聞かれる意見が“カメムシ”です。カメムシは日本全国でみられる虫で、その種類や呼ばれ方は多岐にわたり、地域によっても異なりますが、青臭さと何かが腐ったような臭いがする強烈な分泌液を出すことで知られています。

パクチーの臭いは他にも“洗剤”や“水道管”などという意見もあり、まず食べ物に例えられることが極端に少ない食材です。しかも通常嫌な物としてあげられる例えばかりで、人気の食材とは思えないほどです。

また、パクチーをよく料理につかうイメージのあるタイやベトナムなどの東南アジアですが、実はスープなどに薬味のように少量散らすだけ、といった食べ方が主流で、日本のエスニック料理のように生のパクチーをサラダのようにもりもり食べことはあまりないそうです。エスニック料理の本場でも、やはりその臭いは強烈だと思われている様です。

カメムシや洗剤などの臭いに例えられやすいパクチーですが、パクチストと呼ばれるパクチーを愛する人たちは「ほかの食材では味わえないクセになる味」と表現します。パクチーとカメムシの臭いにはつながりや共通点があるのでしょうか。

パクチーはもともとタイ語で、英語だとコリアンダー、中国語ではシャンツァイまたスペイン語ではシラントロなど各国の言葉で名前があることからも、広い地域で親しまれていることが分かります。ちなみに和名では“コエンドロ”という名前だそうですが、そちらはまったく定着せず、“カメムシソウ”という名前で広まっています。

英名の“coriander(コリアンダー)”ですが、由来はギリシャ語の“Koriandron(コリアンドロス)”であるといわれており、この“Kori”はカメムシ(ナンキンムシ)を意味する“Koris”からきているといわれています。パクチー＝カメムシという認識は世界共通のようです。

（＊パクチーとコリアンダーの違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。）

パクチーとカメムシ、なぜそんなに香りが似ているといわれるのでしょうか。2つのにおい成分を比較すると、ヘキセナールやオクタノールといったアルデヒド(有機化合物の一種)が共通して含まれていることが分かります。

また完全に一致はしないものの、カメムシのにおい成分には芝生や新緑などから香る、いわゆる「青臭い」といわれる成分が含まれており、パクチーと似た香りがすることは科学的に明らかとなっています。

（＊パクチーとカメムシの匂いの成分について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。）

パクチーは、嫌いな人にとってはなかなか受け入れがたい味ではありますが、好きな人にとっては食べれば食べるほどはまっていく魅惑の食べ物のようです。では、パクチーの好き嫌いがこんなにも大きく分かれる理由はあるのでしょうか。