「さけ」と「しゃけ」で読み方に違いがある理由は?方言・調理前後など色々な説を紹介!
「さけ」と「しゃけ」の違いを知っていますか?今回は、鮭の読み方は「さけ」or「しゃけ」のどっちが正しいかや、2つの読み方がなぜあるのかも紹介します。また「鮭」と「サーモン」の違いも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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鮭の読み方は「さけ」「しゃけ」どっち?
和食の食卓に欠かせない鮭ですが、呼び方は「さけ」と「しゃけ」のどちらが正しいのでしょうか?ここでは鮭の読み方について解説していきます。
鮭の読み方は「さけ」「しゃけ」どちらも正しい
広辞苑には鮭と調べると「さけ」と書かれていますが、一方で「しゃけ」も載っており、その説明としては「さけ」の転じたものと書かれています。つまり、鮭の読み方は「さけ」でも「しゃけ」でも正しいので、どちらを使っても構いません。
鮭の読み方<さけ・しゃけ>別の割合
ある調査で「さけ」と「しゃけ」のどちらで呼ぶかについて全国的にアンケートを取ったところ、「さけ」が約40%で「しゃけ」は約60%となりました。全国的に見ると、「さけ」から派生した「しゃけ」の方が多いという結果が出ています。しかし県によっては「さけ」の方が多いという逆の結果になっているところもあり、地域によってその割合は違うようです。
鮭を北海道では「あきあじ」とも呼ぶ
北海道を代表するグルメに鮭がありますが、北海道では秋に旬を迎える鮭のことを「あきあじ」と呼びます。この時期の鮭は産卵に向けて川を遡上し、産卵のために脂がのっているのが特徴です。しかし、上流で獲れたものは味が落ちるので、川にのぼる前に獲れたものの方が美味しいと言われています。
また、この時期の鮭の最大の特徴はおいしいイクラが獲れることにあり、この時期の鮭の親子丼は北海道では大変人気です。
「さけ」「しゃけ」の2つ読み方があるのはなぜ?
では、どのような理由から「さけ」から「しゃけ」は派生したのでしょうか?その理由については様々な説が存在しているので、いくつか説明していきます。
説①アイヌ語
さけとしゃけに関する1つの説として、かつて北海道で生活をしていたアイヌ民族の言葉に由来するとした説があり、この説が一番有力だと言われています。アイヌ語には「サクイベ」や「シャケンベ」という言葉があり、江戸時代にアイヌ民族と江戸の人々の交流が始まった際に江戸で「しゃけ」という呼び方が広まったと考えられているようです。
しかし、アイヌ語で「サクイベ」も「シャケンベ」は本来は鱒を意味し、鮭は「チュキペ」と言います。鮭と鱒とは近縁であるため、鱒を表す言葉が鮭を表す言葉に変化したとも考えられるでしょう。
説②訛り&方言
江戸時代に江戸っ子が、さ行がうまく発音できないために「しゃけ」と呼ぶようになったと言われる説もあります。しかし、かつての江戸の場所である現在の関東圏に限らず「しゃけ」と呼んでいる地域は多いので、その真偽は分かっていません。
説③調理前or後での違い
海で泳いでいる生きている状態の鮭は「さけ」と呼び、切り身になどに加工された食用の鮭は「しゃけ」と呼ぶという説もあります。つまり、水族館などに鮭がいた場合は「さけ」、鮭フレークや塩鮭などになった場合は「しゃけ」と呼ぶと言うことです。
牛肉でも生きている牛は「うし」と呼ばれるのに対して、食用に加工されたものは「ぎゅう」と呼ぶのと同じような違いと言えるでしょう。