カニビルとは?寄生虫?甲羅の気持ち悪い「黒いぶつぶつ」の正体を解説!
カニビルとは何か知っていますか?カニの甲羅につく気持ち悪い黒いぶつぶつの正体です。今回は、寄生虫「カニビル」の生態や、カニの甲羅についていても危険性はないか、食べられるのかなど紹介します。〈フクロムシ〉など、カニビル以外のカニにいる寄生虫についても紹介するので参考にしてみてくださいね。
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カニの甲羅にいる黒いブツブツの正体は…?寄生虫?
カニの甲羅に黒いぶつぶつが付いているのを見かけることがありますが、たくさん付いていれば付いているほど気持ちが悪いと感じます。正体が分からないと、見た目の気持ち悪さだけで、ぶつぶつの付いているカニは食べるのに躊躇してしまいそうです。あの正体は一体何なのか、あの黒いぶつぶつについて解説します。
カニの甲羅にいる黒いブツブツは「カニビル」の卵
名前からは山にいるヒルの仲間を連想してしまいますが、あの黒くて気持ち悪いぶつぶつとヒルは何か関係があるのでしょうか。危険な生き物ではないのかなど、気持ち悪いですが生態について解明していきましょう。
カニビルとは?生態は?
カニビルとはカニの甲羅に宿る寄生虫で、名前の通りカニに頻繁につく寄生虫ですが、貝類や岩場などの固い物にも付着していることがあります。甲羅に付随している黒いぶつぶつしたものはカニビルの卵であり、甲羅に付いている卵は孵っている場合が多く、殻だけの場合が多いです。
カニビルが生息しているのは砂や泥が多く、産卵に適した岩場などがなかったために、カニの甲羅を産卵場所に選んでいます。しかし、カニは移動が多いので、カニビルにとっても生活範囲が広がり好都合なのです。
カニビルの成虫は?
出典: @keita_maruya
カニビルの成虫はミミズのような形をしていて、ヒルのように吸盤を使ってカニの甲羅に普段付着しています。水揚げされたばかりのカニに、吸着していることがありますが、購入するときには落ちてしまっていてほとんど見られることはありません。
太平洋側で獲れたものには少なく、日本海側で水揚げされるものには多く付いているなど、漁場によって違いがあるようです。また、ロシア産にはカニビルが少ないので、国産を判別するための目安になっています。
カニビルがいるカニは食べれる?危険?
出典: @sakanabandai
カニビルは寄生虫の仲間ですが、カニビルが付いているカニは食べても安全なのでしょうか。カニビルが付いているカニは食べても問題ないのかや、カニビルが付いているカニは美味しいのかなどについて紹介します。
カニの甲羅にカニビルがいても問題ない
寄生虫と聞いただけで嫌だなと思う人は多いでしょう。しかし、カニビルは魚の体液を吸って生きているのでカニ本体へ直接の影響はなく、孵化したあとの卵の殻がカニの甲羅に残っているだけなのです。購入してから孵化したり成虫へと変わることはありません。
黒いぶつぶつの集合体が気持ち悪いので敬遠されるかたもいるでしょうが、口に入ったとしても問題ないので安心してください。しかし、どうしても見た目の気持ち悪さが気になる時やお店で提供するのに見映えが気になる場合は、ブラシを使えば簡単に落とせます。
カニビルが甲羅に多いカニは美味しいとされることもある
カニは脱皮を行う生き物です。脱皮直後のカニの甲羅にはカニビルが少なく、脱皮から時間が経っているほどカニビルの量は増えます。脱皮直後のカニの身は脱皮に力を使ったためスカスカですが、脱皮から時間が経ち成長したカニには身が詰まっています。それがカニビルが多いと美味しいカニと言われる理由です。
ちなみにカニビルは食べられる?味は?
カニを手に入れたときにはすでに卵の殻だけで中身がないことも多いので、食べられる機会は少ないでしょう。もし入っていたとしても無味・無臭で、決して美味しいものではありません。カニビルの卵は人が食べても無害とはっきりわかっていますが、成虫に関してはまだ解明されていないことも多いため、あまり食べないほうが良いでしょう。
あくまで寄生虫ですので、カニビルを食べることはおすすめではありません。