おみおつけ(御御御付け)の意味は?方言?名前の由来・語源や味噌汁との違いも紹介!
おみおつけ(御御御付け)という言葉を知っていますか?丁寧にした言葉にも聞こえますが、今回は、おみおつけの意味や、名前の由来・語源について紹介します。おみおつけは方言なのか、使われている地域なども紹介するので参考にしてみてくださいね。
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おみおつけ(御御御付け)とは?味噌汁と違いある?
「おみおつけ」という言葉を聞いたことがあっても、意味も含めて知っている方は少ないでしょう。漢字から見て味噌汁と関連づけることは少々難しいですが、味噌汁との違いも含めて紹介しますので、話題にしてみてください。
おみおつけはお味噌汁の丁寧表現
おみおつけとは、お膳の中のひとつである味噌汁を丁寧にした言葉です。江戸時代の頃、味噌は一般的に広まっていましたがまだ貴重な調味料とされてきたため、味噌汁の価値を高めて表現したことでおみおつけと呼ばれていたようです。
豆腐や野菜などたくさんの具材を加えおかずとしても食べられていた味噌汁は、大切な栄養源とされてきたことからも丁寧に扱われてきたのでしょう。
おみおつけの名前の由来・語源は?
おみおつけは漢字で書くと「御御御付」と敬語で使われる「御」が三字も続きますが、どのような意味があるのでしょうか。ここでは、おみおつけの言語の由来や語源について紹介します。
説①汁物の言葉「おつけ」を丁寧表現した
おみおつけの「おつけ」は、「付ける」という動詞が名詞化したものと考えられています。「おつけ」をさらに丁寧に表現するため「御御(おみ)」を言葉のはじめに組み合わせた、本膳でご飯に並べてつける汁といった意味の女房ことばと言われています。
女房ことばとは室町時代の初期ごろから、 宮中に仕える女房によって使われ始めた主に着るものや食べものに関する隠語です。同じように元の名称を柔らかく表現した言葉には「御神酒(おみき)」や「御御足(おみあし)」などがあります。
説②汁の言葉「つけ」に味噌の言葉「おみ」を組み合わせた
味噌を丁寧に敬語表現すると「御味(おみ)」という言葉になります。この「御味」に汁物を意味する「御付(おつ)け」を組み合わせたことでおみおつけと呼ばれるようになったとの説もあります。
この説によれば「御味御付け」となるはずですが、「御御」に間違えられたことで敬語由来の「御」が三字続く漢字の言葉が一般的に広まったのではないかと言われているようです。
おみおつけは方言?使われる地域は?
おみおつけの説について様々あることがわかりました。おみおつけは女性が使って広まった女房ことばですが、地域や方言の要素があるのでしょうか。局地的に伝わり広がったものなのか、また現在もおみおつけの言葉は使われているのかについて紹介します。
おみおつけは東日本で主に使われていたが方言ではない
おみおつけは特に東日本で使われていました。江戸時代に書かれていた書物の中で味噌汁のことをおみおつけと表現していますが、これは方言ではなく昔から使われている中央語です。江戸の人は、澄まし汁を「つゆ」、味噌汁を「おみおつけ」と分けて表現していました。
一方、西日本では汁物を「おつけ」と表現しています。京都での汁物は吸い物を指すのが一般的で、吸い物を丁寧にした言葉が「おつけ」です。このように、地方によっては吸い物を「おつけ」とし「味噌汁」と区別することもあるようです。おみおつけの言葉は主に東日本で使われていたため、方言と言われることがあったのでしょう。
現在では「おみおつけ」は死語となりほぼ使われていない
現在ではおみおつけの言葉自体を聞くことが少なくなり、一般的にはあまり使われていないようです。味噌が貴重であった頃は、特に身分の高い人達の間で「おみおつけ」と丁寧に表現されていました。
味噌が普及してからは庶民の間でも広まりましたが、おみおつけの言葉までは伝わらず「味噌汁」と呼ぶようになったようです。地域の差はあるものの「おみおつけ」より「味噌汁」が広く聞かれるのはこのためと言われています。