高級魚「クロムツ」とは？値段や旬の時期は？刺身など食べ方のおすすめも紹介！

高級魚として知られるクロムツは、回転寿司やスーパーではほとんど見かけないので一般的にはあまり馴染みのない魚かもしれません。クロムツ生態や名前の由来、絶品と言われる味わいを紹介するので参考にしてみて下さい。

スズキの仲間であるクロムツは、スズキ目スズキ亜目ムツ科ムツ属の魚で、幼魚のうちは群れを作り沿岸の岩礁帯や港付近に生息し、成長するに連れて水深200m以上の岩礁帯に移動します。そのため、大きく成長した成魚ほど漁獲量が少なく希少価値が高い傾向にあります。

クロムツの他にムツやのどぐろと呼ばれているアカムツがいますが、より色味の黒い個体がクロムツとされており、脂ののりが良く希少性が高い魚です。

クロムツは脂がよくのった魚で、名前の由来は主に西日本で使われている方言の「むつごい」という、しつこい・味が濃い等の意味を持つ言葉であると説があります。地方によって様々な別名で呼ばれていますが、脂ののった美味しい魚として、昔から特に産地近辺の人々から親しまれてきました。

仙台付近の地域では、クロムツをムツ→六つ→ロク→「ロクノウオ」と呼ぶようになりました。また、神奈川近辺では、クロムツは親子の生息水域が違うため、子が親の恩を知らないと思われて「オンシラズ」と呼ばれています。そして、冬になると脂がよくのって美味しくなることから、寒ムツとも呼ばれています。

クロムツは、本来淡泊な味の白身魚でありながら、濃厚で蕩けるような、それでいてさっぱりとした後味の脂と旨味が豊富に含まれており、多くの美食家を唸らせています。魚独特の生臭さがほとんどないのが特徴で、新鮮なクロムツは身が甘くまず刺身で食べるのがおすすめです。

また、クロムツの魚肉は脂が多いので、煮物にしても身が硬くなりにくい特徴があります。刺身、寿司や炙り焼き、焼き魚にしても大変美味しいのでおすすめです。クロムツはスズキ目の魚に分類されていますが、さっぱりした味わいのスズキとは全く別の濃厚な味わいです。

高級魚のクロムツは1年を通して水揚げされていますが、やはり旬の時期が1番美味しく食べられるのでおすすめです。ここでは、クロムツの旬の時期や産地を紹介しますので、購入の際はぜひ参考にしてみて下さい。

クロムツの旬の時期は秋から冬にかけてで、この時期は収穫量が増えて小さめのクロムツが魚屋に並ぶことがあります。秋から冬にかけて海水温が下がるため、脂をたっぷり蓄えたクロムツの味は絶品です。春になると卵を持ったクロムツが獲れるようになり、魚卵も魚肉と同じように旨味が強く、主に関東地方で重宝されてきました。

旬を迎えたクロムツは皮が厚いのが特徴で、魚肉には脂をたっぷりと蓄えています。クロムツはうろこが大きめなのではがしやすく、調理がしやすいです。

クロムツの主な産地は、東京、神奈川、静岡などの太平洋側地域です。クロムツの中でも、煮魚向けの体長30cm以下の個体や幼魚は、太平洋沿岸地域の浅瀬や港付近で定置網漁などで獲るのが一般的です。

それより大きいサイズの刺身向けのクロムツは、水深200m以上の深海に生息しているため、中深場で沖釣りによって獲ります。沖釣りは網漁と違って難易度が高く、1度に獲れる量が少ないので、大きいサイズのクロムツは希少価値が高く高価格です。クロムツは春になると産卵しに浅瀬に移動してくるので、沖まで行かなくても釣れるようになります。

キンメダイにも負けない高級魚として知られているクロムツは、一体どれくらいの値段で取引されているのでしょうか。今回は、スーパーや近所の鮮魚店、ネットなどで、購入できるクロムツの値段を紹介します。