天草とは?食べ物?海藻?ところてん・寒天の原料?作り方も紹介!
天草という食べ物を知っていますか?海藻なのでしょうか?今回は、〈ところてん・寒天〉の原料・材料である食べ物の天草を、読み方とともに紹介します。天草とは何かや天草の健康効果、寒天の作り方、食べ物の天草を使った人気レシピなども紹介するので参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
食べ物の天草ってどういうもの?読み方は?
食べ物の天草は日本各地、とくに太平洋岸や伊豆諸島などに繁殖しており「てんぐさ」と読みます。天草そのものを目にすることは少ないですが、天草の加工品はスーパーなどでよく目にすることができます。今回は、天草とは何かや天草から作られる食べ物などについて詳しく紹介するので参考にしてください。
天草は海藻?ところてんの原料?寒天?
天草は、どのような食材で何の原料に使われているのでしょうか。ここでは天草について品種や産地、天草の歴史などを詳しく解説します。
天草は海藻の一種
食べ物の天草は海藻の一種で日本全国で収穫でき、とくに太平洋側で獲れる天草は量も質も高いことで有名です。海の中では赤紫色をしているので紅藻に分類され、乾燥すると脱色してベージュがかった白色に変化します。ワカメのような平たい海藻ではなく、無数に枝分かれした草のような見た目をしています。
天草はところてんや寒天の原料になっている
真水を掛けて脱色と乾燥を繰り返した天草は、ところてんや寒天の原材料として利用されます。なお、ところてんと寒天の原材料は同じ天草ですが、製法が少し異なります。本来、天草のみで作られたものをところてんと言いますが、様々な材料を加えて作るところてんもどきも存在するので注意してください。
また、寒天は棒寒天や粉寒天などがありますが、粉寒天の場合は天草とオゴノリなど他の品種の海藻を組み合わせて作られたものが多いです。
天草は6種類に分けることができる
天草は、紅藻類テングサ目テングサ科に分類される海藻の総称で約6品種に分けることができます。天草漁業が盛んな伊豆海岸で獲れる品種は、マクサやオニクサ、ヒラクサ、オバクサ、ユイキリなどです。一般的には、テングサ属のマクサという品種を天草と呼びます。
天草の産地・時期
天草は日本各地や朝鮮半島で獲れますが、東京都伊豆諸島や静岡県伊豆半島が産地として有名です。伊豆地方で海女さんによって手摘みされた天草は、最高級品として知られています。天草の収穫時期は5月~6月で、7月以降に獲った天草より初夏に収穫した天草の方がところてんを作った時に粘りがあって美味しいと言われています。
天草の歴史
天草は、万葉集に登場するほど長い歴史がある食べ物です。主に交易の品物として扱われ、奈良時代には都に献上されていたという文献も残っています。天草は、日本で古くから愛され親しまれてきた食べ物の一つと言えます。
天草からところてん・寒天を作る方法は?
様々な品種があり日本各地で収穫できる天草ですが、ところてんや寒天はどのような製法で作るのでしょうか。ここでは、ところてんと寒天の製法をそれぞれ紹介します。
天草からところてんを作る方法
天草から、ところてんを作る方法は以下の通りです。
1、天草を真水にさらして乾燥させる
2、真水で戻して乾燥させる工程を繰り返し脱色する
3、脱色した天草を真水で軽く揉み洗いする
4、深鍋に天草と真水を入れて火にかける
5、沸騰したら酢を加えて約40分ほど煮る
6、漉してバットなどに流して粗熱を取る
7、粗熱が取れたらラップをして冷蔵庫に移して冷やし固める
8、適当な大きさに切ってところてん突きで突いて完成
市販されている干し天草を使えば、真水を掛けて乾燥させるという手間を省くことが可能です。天草を煮るのに時間がかかりますが、手作りのところてんは磯の風味がほのかに残り、しっかりとした食感が楽しめます。天草を煮込む工程では、弱めの中火くらいの火加減で吹きこぼれに注意しながら天草液を煮出します。
漉す時は、ボウルに布を重ねて天草ごと煮汁を移し、火傷しないようトングなどでねじりながら最後まで漉しましょう。ところてん突きがない場合は、包丁で細長く切っても構いません。ところてんはマクサとオバクサなど、いくつかの品種を組み合わせて作るとより美味しくなると言われているので試してみてください。
天草から寒天を作る方法
天草から寒天を作る際は、以下の製法を参考にしてください。
1、乾燥した天草を水洗いし汚れやゴミを落とす
2、深鍋に天草と真水を入れて火にかける
3、沸騰したら酢を加えて30~40分煮込む
4、漉して容器に流し入れてしっかりと絞り切る
5、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし固める
6、棒状にカットして凍らせる
7、凍った寒天を溶かして乾燥させ水分を抜く
8、凍らせて溶かし、乾燥させる工程を繰り返して完成
海岸などで獲った天草を使う場合は、真水で洗って乾燥させる工程を何度か繰り返して脱色させてから使います。寒天の製法は、ところてんの製法と途中までは同じです。固まった天草液を棒状にカットし、凍結乾燥させて天日干ししたものが寒天です。
細い棒状にカットものを糸寒天、太い棒状にカットしたものを棒寒天、他の品種の海藻を合わせて作り粉状にしたものを粉寒天と言います。
食べ物の天草の健康効果は?カロリーは?
日本で古くから和菓子や料理に使われてきた食べ物の天草ですが、どのような健康効果があるのでしょうか。ここからは、天草のカロリーや栄養効果などを紹介します。
天草の栄養を紹介
100gあたり | カロリー | 糖質 | 食物繊維 | カリウム | ビタミンK | マグネシウム |
天草 | 194kcal | 6.5g | 47.3g | 3.1g | 0.00073g | 1.1g |
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
天草100g当たりのカロリーは194kcalで、炭水化物が53.8gと多いです。糖質が少なく、食物繊維やビタミンK、マグネシウムが豊富なので糖質制限中やダイエット中に最適な食べ物です。
なお、天草はところてんや寒天に加工するとカロリー、糖質ともにほぼゼロになります。そのためカロリーや糖質を抑えながら食物繊維を摂りたい場合には、天草そのものよりもところてんや寒天を食べるのがおすすめです。
健康効果①骨粗鬆症の予防になる
天草に含まれるビタミンKには、カルシウムの吸収を助けたり、骨の形成を促したりといった効果があるため骨粗鬆症の予防に繋がります。ビタミンKは脂溶性ビタミンのため熱に強く、脂質を多く含む食材と組み合わせた料理を食べると吸収力が上がります。
健康効果②美容効果がある
天草には、アガロペクチンという食物繊維が含まれています。アガロペクチンは、しわやたるみを改善する作用がある栄養素です。また、カリウムにはナトリウムを排出しむくみを予防、改善する効果があります。
健康効果③抗がん作用がある
天草にはアガロースという多糖が含まれており、アガロースは胃酸によって抗がん作用や抗酸化作用のあるアガロオリゴ糖に変化します。アガロオリゴ糖は、がん細胞に作用してがんを縮小することが研究結果として報告されている糖質です。
健康効果④血圧・血糖値を下げる
天草に豊富な食物繊維には糖やナトリウムを吸着して体の外へ排出する働きがあり、血糖値や血圧を下げる効果が期待できます。また、天草は100g当たり194kacl、糖質は6.5gとヘルシーなためダイエットにも有効で、肥満防止の観点から考えても血糖値や血圧の安定に役立つと言えるでしょう。
食べ物の天草を使ったレシピ3選を紹介!
ところてんと寒天ではそれぞれ製法が異なりますが、天草を使った料理はあるのでしょうか。ここからは、古くから日本で食べられてきた天草を使ったおすすめの料理を3品紹介します。
①天草の和え物
天草をパクチーなどの香草、ごま油や粉末の昆布だしで和えて味付けをします。天草を煮て作るところてんなどとは違い、手間いらずな料理で簡単に作ることができる一品です。天草は、2時間ほど水につけて洗ってから使います。
②柚子の豆乳寒天
天草から手作りする豆乳寒天は食感と喉越しがよく、柚子の絞り汁が入っているのでさっぱりとした味わいが楽しめます。寒天液を豆乳などと合わせたら、沸騰しないように気をつけながら温めるのがポイントです。
③コーヒーゼリーパフェ
天草を煮出して天草液を作り、コーヒーと合わせて冷やし固めます。天草は弱火で30分ほど煮出しますが、水分が減ってきたら100mlほど足してください。天草で、ところてんや寒天以外の料理を作りたい時におすすめです。
食べ物の天草を知ろう
日本各地で獲れる天草は、ところてんや寒天の原料ですが製法が異なります。ところてんや寒天の他、サラダなどに料理してそのまま食べても美味しいです。様々な健康効果が期待できる食べ物の天草について知り、紹介した料理を参考に日々の食事に取り入れてみてください。