親子丼は玉ねぎなしでもOK？玉ねぎ以外の代用品10選やレシピ

親子丼の中で主役は鶏肉と卵ですが、名脇役として欠かせないのが玉ねぎです。しかし、玉ねぎが手元にない時や苦手な場合、他の食材でも美味しい親子丼は作れるでしょうか。今回は玉ねぎを他の食材で代用できるか、また美味しい親子丼を作るコツについて解説します。

結論から言うと、親子丼は玉ねぎなしでも美味しく作ることができます。実は、親子丼の発祥店とされる人形町の「玉ひで」の親子丼には、鶏肉と卵のみで玉ねぎは入っていません。調味料や素材の良さを際立たせるため、あえて香りのある具材を入れない作り方もあります。

親子丼に玉ねぎを入れない場合、他の食材で代用できるのでしょうか。ここからは、親子丼の玉ねぎの代わりにおすすめの食材を10点紹介します。

長ネギは玉ねぎと同じくユリ科の植物で、繊維質で軽い食感を持っています。玉ねぎと同じように加熱することで甘みが出るため、代用食材としておすすめです。じっくりと煮込んで甘みとコクを十分に引き出すと、ご飯に乗せた時に豊かな味わいを楽しめます。

キャベツは軽やかな食感を持つ葉野菜で、加熱するとほのかな甘みがあるのが特徴です。玉ねぎのようなコクはありませんが、代用品として加えると優しい甘みのさっぱりとした親子丼を楽しめます。またキャベツの美しい緑色は、ご飯に乗せた時食卓を華やかにします。

淡白な味わいで様々な料理に合う大根は、玉ねぎの代わりに親子丼に使用できます。玉ねぎの食感とは違いますが、煮ると柔らかくなり親子丼になじみます。大根は煮ると水分が出るので、しょうゆなどの調味料はやや多めに入れましょう。

しめじは繊維質な歯ごたえと、豊かな旨みが特徴です。玉ねぎの代わりに親子丼に入れると、深みのある味わいを楽しめます。玉ねぎのような甘みは感じられないので、みりんを多めに加えるのがおすすめです。しめじの旨みが引き立ち、ご飯にもよく合います。

旨みがたっぷり詰まったしいたけは、玉ねぎなしでも親子丼に深い味わいを加えます。しいたけは玉ねぎよりも甘みが控えめですが、独自の旨みと滋味深い味わいが特徴です。加熱するとしょうゆやだし汁を含んでジューシーな美味しさを楽しめますが、玉ねぎのようなとろりとした食感とは異なります。

軽い食感が特徴のもやしも、親子丼の玉ねぎの代用野菜になります。だし汁に鶏肉を入れ、火が通ったらもやしを加えて卵でとじ、ご飯にかけて完成です。ただしもやしは玉ねぎと比べて味わいが淡白なので、長ネギなど甘みのある食材と一緒に入れるのがおすすめです。また、もやしは水分が出やすいので、しょうゆやみりんの量はやや多めに加えましょう。

玉ねぎと同じようにシャキシャキとした食感が美味しい豆苗も、親子丼によく合います。豆苗は淡白な味わいですが、ビタミンKやビタミンA・葉酸など、様々な栄養を摂ることができます。美しい緑色を持ち、三つ葉などのトッピングをしなくても彩りが綺麗なのもメリットです。

三つ葉を具材として親子丼に使うと、独特の香りと味わいが料理に爽やかさを加えます。三つ葉は加熱すると香りが一層際立ち、親子丼が持つ甘みやしょうゆの香りを引き立てます。三つ葉の持つ軽い歯ざわりは玉ねぎとは異なるものの、ふんわりとした親子丼の中でいいアクセントです。

切り干し大根ならではの優しい甘みと味わいは、親子丼に豊かな風味を加えます。玉ねぎの食感とは違いますが、切り干し大根もほどよい歯ごたえが美味しく、しょうゆやだし汁とも相性抜群です。ただし、煮込みすぎると歯ごたえがなくなるので注意してください。

玉ねぎの代わりにお麩を使うと、優しい食感の親子丼を楽しめます。お麩はしょうゆやみりんなどの味染みがよく、卵とよく絡んでご飯が進みます。玉ねぎのようなコクを生むわけではないので、レシピのように塩麹などの旨みを足すのがおすすめです。

玉ねぎの代用食材を紹介しましたが、これらを使って美味しい親子丼を作るコツはあるのでしょうか。ここからは、玉ねぎなしでも美味しい絶品親子丼の作り方を解説します。

親子丼のメイン食材である鶏肉は、しっかり下ごしらえをしてから調理しましょう。鶏肉を下ごしらえせずそのまま調理すると、生臭さが残ったり硬くなったりして美味しく食べることができません。鶏肉は余計な脂を取り除き、一口大の削ぎ切りにします。削ぎ切りにすると表面積が大きくなるため、短時間で火が通り肉が硬くなりすぎません。

鶏肉を筋と同じ方向に半分〜3等分に切り、次に筋に対して直角に切ると、煮ても柔らかな食感になります。次に切った鶏肉に塩をもみ込み、お酒をまぶし1時間ほど冷蔵庫で寝かせましょう。こうすることで、鶏肉の臭みを消し加熱したときにふっくら仕上がります。

小さなフライパンにみりんやだし汁を入れ、火にかける前に鶏肉やネギなどの具材を入れます。タンパク質は熱々のだし汁に入れると一気に身が縮み、硬くなってパサつきがちです。その点、まだだし汁が冷たい状態から一緒に加熱すると、鶏肉にゆっくり火が入りジューシーな食感を楽しめます。

だし汁と具材を入れたら点火しますが、火加減は弱火〜中火をキープします。強火にすると鶏肉の表面だけが先に加熱され、中心まで火が通るまでに肉がパサついてしまいます。鶏肉は火が通るまで時間がかかるので、弱〜中火でじっくりと加熱しましょう。

三つ葉はご飯に盛り付けたあと散らすのではなく、火を止めた鍋に入れ余熱で温めます。三つ葉を軽く加熱すると爽やかな香りが広がり、食欲を増進させます。ただし、火を通し過ぎると食感や香りが失われてしまうため注意が必要です。三つ葉は最後に加え、加熱しすぎないようにしてください。

卵は調理前に冷蔵庫から出しておき、室温に戻しておきましょう。また、卵をボウルに割り入れ軽く混ぜながら少しだけ温め、温度を均一にします。冷たい卵を煮たった鍋に加えると、熱いだしや具材に触れた瞬間に急速に固まってしまい美味しく仕上がりません。事前に卵を温めると、具材やだしと混ざりやすくなりふんわりとした食感になります。

卵を溶く際はしっかり混ぜるのではなく、あえて混ぜ足りないくらいがおすすめです。卵がしっかり混ざっていると加熱した時に味や食感が単調になってしまい、親子丼の美味しさが半減してしまいます。

加熱した時に白身と黄身が少し混ざっていないくらいの方が、見た目が美しくとろりとした食感を楽しめます。小さなボウルに卵を割り入れて菜箸でつまむように白身を切り、黄身が多少崩れるくらいが目安です。

卵が用意できたら、まずは半量を鍋に入れて加熱しましょう。親子丼の醍醐味はとろりとした卵ですが、一度に卵を入れてしまうと全体に火が通り過ぎてしまいます。まずは半分卵を入れてふんわりと火を通し、残りの卵を入れて半熟具合で火を止めると、ふわふわ・とろりの二つの食感を楽しめます。

ここからは、玉ねぎなしで作る絶品の親子丼レシピを見ていきましょう。料理初心者でも簡単に作れるめんつゆや白だしを使ったレシピも紹介するので、チェックしてください。

もも肉の脂質が気になるなら、胸肉を使った親子丼のレシピがおすすめです。胸肉は固くなりやすい食材ですが、繊維に沿って切ることで肉が縮むのを防げます。小さめのフライパンで一人前ずつ作ると、料理初心者でも親子丼をご飯の上にスライドさせやすくなります。

長ネギの優しい甘みと、白だしの上品な味わいが美味しい親子丼のレシピです。だしと鶏肉を鍋に入れ、白っぽくなったら長ネギを入れ加熱します。長ネギは煮る時間を短くすると、甘みを引き出しつつシャキシャキとした食感も楽しめます。

しょうゆやみりんを使わずめんつゆだけで味付けするこちらのレシピは、特に料理初心者におすすめです。鶏肉・長ネギ・しいたけを順に火を通し、最後に卵でとじてご飯に乗せれば完成です。

丼料理の中でも人気の親子丼は、玉ねぎなしでも美味しく作ることができます。長ネギなど玉ねぎと似ている食材で代用し、別の旨みや甘みなど新しい美味しさを発見するのも楽しいものです。ぜひ今回紹介したレシピを参考に、色々な食材の親子丼を試してみてください。