味噌の種類別の違い・特徴は?地域でも様々?選び方・使い分けのポイントを解説!
味噌にどんな種類があるか知っていますか?今回は、味噌の種類別の違いを〈原料・味・色〉に分類して紹介します。〈米味噌・麦味噌・豆味噌〉の地域別の種類や、味噌の選び方・使い分け方も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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味噌の種類でどんな違い・特徴がある?
日本人に古くから愛される味噌は、今では世界からも注目される発酵食品です。味噌は原料の割合や製法の違いによって、いくつかの種類に分けられます。それぞれどんな違いや特徴があるのか、見ていきましょう。
①原料
味噌は大豆に麹と塩を加えて作られる、発酵食品です。この麹の原料となる穀物の種類の違いにより、味噌は3種類に分けられます。
・米味噌:米麹を加えて発酵
・麦味噌:麦麹を加えて発酵
・豆味噌:豆麹を加えて発酵
米味噌は米麹を使っており、全国各地で生産されている最も身近な味噌です。麦味噌は九州や四国、中国地方が主な産地で、大豆に麦麹を加えて発酵させます。豆味噌は豆麹を使うため、大豆と塩のみで作られる味噌です。愛知、三重、岐阜などの中京地方で作られています。その他、米と麦、麦と豆など、違う種類の味噌を混ぜた、調合味噌も販売されています。
②色
味噌は出来上がりの色の濃淡の違いによっても、3種類に分けられます。味噌の色は主に、発酵中に大豆に含まれるアミノ酸が、糖と反応して褐色になる化学変化(メイラード反応)が、どのくらい起きたかによって異なります。
・白味噌
・淡色味噌
・赤味噌
白味噌は大豆を煮てから熟成させた、クリーム色をした味噌で、熟成期間も短いため、淡い色に仕上がります。それに対して赤味噌は、大豆を蒸してから発酵させます。発酵中の温度も高く、熟成期間も長いため、メイラード反応が進み、濃い赤褐色に仕上がる味噌です。淡色味噌は白味噌と赤味噌の中間の位置付けで、黄色に近い色になるのが特徴です。
③味
味噌は、その味の違いによっても分類されています。塩分量が同じ場合、味噌の味は麹歩合によって変わります。麹歩合とは大豆に対する麹の割合のことで、例えば、大豆10に対して、麹8の場合、8歩麹の味噌となります。
・甘味噌
・甘口味噌
・辛口味噌
甘味噌は麹歩合が15〜30と最も高く、逆に塩分量は少ないため、甘味が強い味噌となります。次いで甘さのある甘口味噌は、15〜25ほどの麹歩合です。辛口味噌の麹歩合は5〜10程度と最も低く、長期間の熟成に耐えるため、塩分量も高いのが特徴です。結果として、甘味よりも旨味が際立った味噌が出来上がります。
味噌の地域別の種類①米味噌
米味噌は日本で最も普及している味噌で、全国の生産量の約80%を占めています。全国各地で生産されている分、甘口から辛口まで種類も多く、各地域の風土や歴史を色濃く反映された味噌も数多くあります。
①信州味噌:長野県
信州味噌は、淡色辛口味噌に分類される味噌です。発酵期間が短いため、黄色に近い山吹色をしています。味はあっさりしており、やや酸味のある香りが特徴です。クセが少ない優しい味わいで食べやすいことから人気があり、今では全国の生産量の40%を占めています。
②仙台味噌:宮城県
仙台味噌は、伊達政宗が醸造の専門家に作らせたことが始まりと言われている味噌です。塩分が11〜13%と比較的高く、熟成期間も長いため、赤色が濃い辛口な味噌が出来上がります。風味が豊かで、そのまま食べられることから、「なめみそ」という名でも呼ばれています。
③京風白味噌:京都
西京味噌の名でも有名な京風白味噌は、実は京都だけではなく、関西の広い地域で作られている味噌です。他の味噌より麹歩合が高く、塩分も4〜6%と低いため、濃厚な甘みを持つ味噌が出来上がります。発酵は1〜2週間程度と、非常に短い期間で作られます。
④江戸甘味噌:東京
江戸甘味噌は、京風白味噌と同じくらい麹歩合が高く、甘味が濃厚で、大豆の香りが濃い味噌です。発酵、熟成期間は短いにもかかわらず、光沢のある赤褐色をしているのが特徴です。この赤褐色は、留釜と呼ばれる江戸時代から続く独特の大豆の蒸し方から生まれます。