ジャムとマーマレードの違いとは?名前の意味や語源は?作り方・レシピや食べ方のおすすめも解説!
マーマレードとは何か知っていますか?今回は、マーマレードの名前の意味や、ジャムとの<原料・味・起源>などの違いを紹介します。マーマレードのレシピや作り方のポイントに加えて、食べ方のおすすめも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
マーマレードとは?

マーマレードとはどんな食品なのでしょうか。ここではマーマレードの原料や名前の意味、由来などについて紹介します。
マーマレードとは柑橘類を皮ごと使ったジャム類
マーマレードとはジャム類の一種で、オレンジ、夏みかん、ゆずなど柑橘類の果実を原料とし、果皮が認められるものとされています。日本農林企画ではジャム、マーマレード、ゼリーをジャム類としています。ゼリーとは果汁を砂糖等とともにゼリー化するまで加熱したもののことで、ジャムとはマーマレード及びゼリー以外のジャム類のことです。
「マーマレード」の名前の意味・由来
英語のマーマレードmermeladeは、ポルトガル語のマルメラーダmermeladaに由来します。マルメラーダとはマルメロの果肉を煮てペーストにし、砂糖とともに煮詰めて羊羹状にしたポルトガルのお菓子のことです。マルメロは日本ではセイヨウカリンと呼ばれているものです。
英国には1524年に国王ヘンリー8世がマルメラーダの箱を贈られたという記録があります。また1677年に書かれた英語のレシピブックに、最も初期のオレンジを使ったマーマレードの作り方が載っています。イギリスではマルメロが手に入らなかったので、マルメラーダに似たものをオレンジを使って作り、そこからオレンジのマーマレードができたそうです。
マーマレードとジャムの違いとは?

マーマレードとはジャム類の一種であることがわかりました。ここでは「マーマレード」と「ジャム」の違いを見た目や味・食感、栄養価、起源などの面から詳しく解説します。
①皮の有無
ジャム類とは、果実、野菜、花弁に砂糖やはちみつを加えてゼリーのようになるまで加熱した保存可能な食品です。そのうちのマーマレードは柑橘類を素材にし、柑橘類の皮が含まれたものです。ジャムとの大きな違いは皮の有無といえます。
②味・食感の違い
果皮を入れるか入れないかで味に違いが出ます。ジャムは原料により違いはありますが、甘みが強く酸味は少なめで、素材の風味を感じる味です。一方マーマレードは柑橘類特有の香りと酸味があり、果皮の歯ごたえや苦味が感じられる味になります。
私はパンにつけるジャムの中でもマーマレードが一番好きなのです!果皮があって独特の食感があるのが他のジャムと違うところですよね。
マーマレードにあってジャムに無いモノが皮ですので、皮独特の苦味や食感が出ます。それと何を組み合わせてどう活かすかですよね。
③栄養価の違い
ジャムもマーマレードもカロリーは同じくらいです。ジャムは生果と変わらないくらいのポリフェノールや食物繊維、ゼリー化で得られるメラノイジン等の栄養素を含んでいますが、マーマレードはこれらに皮の栄養成分が加わります。
柑橘類の皮には、精油の主成分のリモネン、カロテノイドのβ-クリプトキサンチン、ビタミンPやノビレチン、オーラプテン、水溶性食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。これらの栄養素には発ガン抑制や抗酸化作用、免疫強化、抗アレルギー作用など様々な効能が報告されており、生薬としても古くから用いられてきたようです。
④起源の違い
ジャムの歴史は古く、スペイン東部のアラーニャ洞窟で旧石器時代後期の採蜜の壁画が見つかり、その後果実を土器で煮た跡が見つかっています。また紀元前334年のアレクサンダー大王のインド遠征時の記録に砂糖の記載があり、ヨーロッパに持ち帰りジャムが作られました。
一般にジャムが普及するようになるのは、十字軍遠征でサトウキビや精糖技術を持ち帰った11世紀以後のようです。一方、マーマレードの語源に関わるマルメロの語源を遡ると、古代ギリシャ語のオレンジのジャムを表す言葉メリメロンmelimêonにたどりつくそうです。オレンジのジャムが古くから食されていたことがわかります。
マーマレードの基本的な作り方・レシピは?
柑橘系の果物ならどれでも作ることが出来ますが、ここではオレンジマーマレードの基本的な作り方を詳しく紹介していきます。
材料
・オレンジ:2個
・グラニュー糖:下処理した材料の40%、夏みかんや甘夏、ゆずなど酸味の強い材料の場合は60〜80%
作り方・手順
オレンジのマーマレードの作り方と手順は以下の通りです。
【オレンジの下処理をする】
①オレンジを塩で軽くこすり水で洗う
②キズがある部分をを取り除く
③切れ込み線を入れ皮を剥く
④皮の白いワタを取る
⑤果肉を小房に分け、薄皮を分ける
⑥皮を水から茹でて沸騰して3分たったら湯を捨て、これを3回繰り返す
⑧30分水にさらす
【容器の煮沸消毒をする】
①鍋に容器、ふた、パッキンが浸るくらいの水を入れる
②加熱し沸騰して3分経ったら網にあげ冷ましておく
【砂糖を加えて煮る】
①水にさらしたオレンジの皮を1〜3mmの細切りにする
②皮と果肉の重量の40%の砂糖を計量する
③鍋に皮と果肉、砂糖を入れ、よく混ぜて30分置いておく
⑤弱火にかけ混ぜ続ける
⑥とろみが出て水っぽさがなくなるまで煮詰める
下処理⑤の工程で果肉から取り除いた種と薄皮は捨てずに布袋かお茶パックに入れ、煮るときに一緒に入れるとペクチンの作用で適度なトロミが出ます。トロミが出てきたら袋を取り出してください。出来上がったら熱いうちに煮沸した容器に口一杯まで入れ、しっかりと蓋をして逆さにして冷ましましょう。
マーマレードを作る際のポイントは?

柑橘類の皮は栄養価が高いことがわかりましたが、果皮を用いるには防かび剤や農薬が気になります。ここではマーマレード作りのポイントとなる果皮の下処理と、保存食に欠かせない容器の煮沸消毒について詳しく紹介します。
①皮についているワックス・農薬をとる
輸入の柑橘類の果皮には防かび剤やワックス、国産でも有機・無農薬栽培でない場合は農薬が使われています。ワックスや農薬を洗い落とすには、水洗い、塩水に浸す、塩もみ、80℃以上のお湯に浸ける、茹でる、洗剤に浸してから洗い流すなどの方法があります。
北海道消費者協会が調べた結果、茹でるのが最も輸入オレンジの果皮に残留している防かび剤の除去率が高いそうです。そのため柑橘類の皮を食用に使う際には下茹でを推奨しています。マーマレードでは果皮の苦味を除く工程で下茹でを繰り返すことで、防かび剤等の除去にもなりますが、心配な場合は国産原料を選び、できれば無農薬栽培のものを使うとよいでしょう。
②煮沸消毒した容器を使う
保存容器の煮沸消毒の手順は以下の通りです。
①瓶が入る大きさの鍋に水を入れる
②洗った瓶を入れ、浸かるまで水を入れ火をつける
③沸騰して5分経過したら火を止める
④網か清潔なふきん等の上に取り出す
必ず水から瓶を入れるようにし、熱い湯の中に瓶を入れると割れる可能性があるので注意しましょう。瓶が熱いうちに熱いマーマレードを入れることで保存性がよくなります。この方法で冷蔵庫で2週間〜1ヶ月程度の保存が可能です。
長期保存をしたい場合は脱気殺菌をおすすめします。マーマレードを入れて軽く蓋をしてからもう一度湯に入れ、20分ほど沸騰させ、取り出して逆さにして冷ましてください。脱気に成功すると冷めると蓋が凹みます。ただし家庭で行う脱気殺菌なので冷蔵で3ヶ月程度で使い切るのが無難でしょう。
マーマレードの食べ方は?

①パンに塗って食べる
最も一般的な食べ方はバターと共にパンに塗って食べる食べ方ですが、チョコクリームやピーナツバター等と一緒に塗ってもよく合います。またマーマレードは塩気のあるハムやチーズとも相性がよいので、これらと一緒に食パンにのせてトーストしても美味しくいただけます。
②トッピングにする
ヨーグルトやカッテージチーズ、フローズンヨーグルトやアイスクリームなど様々なトッピングに使うのも定番の使い方です。また、スライスしたバケットやクラッカーにクリームチーズ等とともにのせてカナッペにしたり、パンケーキやスコーン、シフォンケーキ等に添えてもよいでしょう。
③ドリンクにして飲む
マーマレードをティースプーン2〜3杯をお湯で溶くとホットマーマレードになり、はちみつやおろし生姜を加えてもよいでしょう。また紅茶に溶かすと体の温まるマーマレードティーになりますが、ウイスキーや焼酎のお湯割に入れてもよいでしょう。
コールドドリンクなら水に溶かして氷を入れてミントを飾ったり、アイスティーに入れてもよいですし、ソーダ割りも美味しくいただけます。
④肉料理に使う
マーマレードの爽やかな香りと甘酸っぱさは肉料理と相性がよく、煮込み料理に用いると本格的な味わいが簡単に楽しめます。隠し味として用いると洋風にも和風にも利用でき、肉の臭みを消したり柔らかく仕上げるのにも役立ちます。
⑤ドレッシングにする
マーマレードをサラダのドレッシングや蒸し鶏等のソースに加えると、いつもと違ったさっぱりとした爽やかな味わいになり、それをサンドイッチの具に挟んでも美味しくいただけます。
⑥マーマレードマヨネーズにする
マーマレードとマヨネーズを合わせるマーマレードマヨネーズになります。使い方としては、トーストに塗って焼いたり、海老マヨやフライにかけるタルタルソース、チキン南蛮などに添えますが、マヨネーズを使う料理とよく合います。
マーマレードを食べてみよう
ジャムとマーマレードの違いやマーマレードとはどのようなものかを紹介しました。柑橘類を皮ごと使ったマーマレードは爽やかな酸味と皮のほろ苦さが特徴です。栄養価も高く、手作りすると好みにアレンジできます。ぜひ色々な食べ方を楽しんで活用してください