魚に痛覚はない?ある?痛点の定義やニジマスを使った実験結果などを元に紹介!

魚に痛覚があるかどうか知っていますか?ないのでしょうか?今回は、魚に痛覚があるか否かを<ニジマス>を使った痛覚の実験や、そもそもの痛点の定義を元に解説します。〈ヤドカリ〉を使った甲殻類の痛覚に関する実験も紹介するので、参考にしてみてくださいね。

目次

  1. 魚には痛覚がない?ある?
  2. そもそも痛覚とは?
  3. 人間が痛覚を感じる流れ
  4. 痛覚は脳に刺激が伝わって感じる
  5. 魚に痛覚があるかの結論は?
  6. 魚類やイカ・タコなど軟体動物も含め哺乳類・鳥類以外は痛覚がないとされている
  7. 魚に痛覚があるかどうかの実験が行われた?
  8. ニジマスを使った実験で魚も痛覚に近い感覚があると判明
  9. 魚釣りやイカ・シラウオの踊り食いは残酷という意見もでてきた
  10. 甲殻類にも痛覚らしきものがあることと判明
  11. ヤドカリを使って甲殻類の痛覚を調べた実験とは?
  12. オーストラリアではロブスターの調理法が法律で決められてる
  13. 魚の痛覚については今も研究中

魚には痛覚がない?ある?

魚には痛覚がないことを前提とし、日本では魚が生きたままの状態で食べる活造りや踊り食いなどの食文化が根付いています。しかし、近年では魚にも痛覚がある説が浮上してきました。人間は物にぶつかったり傷を負うと痛みを感じますが、魚も人間と同じような痛覚があるのでしょうか。魚の痛覚や、痛覚に関する実験結果などを調べてみました。

そもそも痛覚とは?

痛覚とは、どのような感覚のことを指すのでしょうか。ここでは、人間が痛覚を感じる流れや、痛覚と脳の関係について解説します。

人間が痛覚を感じる流れ

人間が痛覚を感じる流れは、以下の通りです。

1.皮膚の受容器が痛みの刺激を受けて電気的な信号に変換する
2.痛みの電気信号は神経細胞を通って脊髄に送信される
3.脊髄に届いた電気信号は化学物質に変わる
4.化学物質が脳へ続く神経を通る
5.化学物質が脳内の視床を通って大脳皮質へ届き、痛覚を感じる


痛覚とは、皮膚や臓器組織が圧迫されたり衝撃を受けることで生じる痛みの感覚のことを指します。人間が痛みを感じるメカニズムは、電気の流れに似ています。ソーラーパネルで発生した電気が変電所を通り、他の建物に流れていくイメージです。人間の痛みの刺激を受ける皮膚感覚をソーラーパネルと捉えると分かりやすいでしょう。

人間が痛覚を感じるのは、皮膚に感覚を感知する受容体があるためです。この受容体の自由神経終末が受け取った痛みは電気的な信号に変わり、この信号が脊髄に送られた後に化学物質に変化します。その後化学物質が脳へと到達して、痛みを感じます。

痛覚は脳に刺激が伝わって感じる

人間は、感覚受容細胞で感知した痛みの情報が脳に到達することで痛みを感じます。痛みの情報が皮膚から神経細胞を通って脊髄に送られた後に、痛みの処理に関係している大脳皮質内の一時体性感覚野へと送られて痛みを自覚する仕組みです。

痛みの電気信号は、大脳皮質のほか視床の外側に位置する大脳辺縁系にも届きます。大脳皮質では痛みの強さなどの感覚的な痛みを受け取るのに対し、大脳辺縁系は恐怖や不安のような情緒的な痛みの情報に関与するのが特徴です。このように、脳内の痛みを受け取る場所は痛みの種類によって異なります。

魚に痛覚があるかの結論は?

人間には痛覚がありますが、魚も人間と同じように痛覚があるのでしょうか。魚に痛覚があるかどうかの結論について解説します。

魚類やイカ・タコなど軟体動物も含め哺乳類・鳥類以外は痛覚がないとされている

一部の魚類には、痛みをもたらす刺激を感知する侵害受容器を持つものがいます。しかし、魚には侵害受容神経と呼ばれる痛覚神経が存在しないため、魚には痛覚がないと言われています。

痛覚神経は哺乳類や鳥類のみが備えているもので、それ以外の魚類や爬虫類などには痛覚神経がない説が有力です。ここで言う魚類とは、イカやタコ、貝などの軟体動物も含みます。しかし、痛覚の受容体である痛点の定義が曖昧であるため、魚に痛覚があるかどうかの結論は未だに解明されていません。

魚に痛覚があるかどうかの実験が行われた?

魚類などに関して痛覚の有無は定かではないようです。それでは、魚に痛覚があるかどうかを確かめる実験は行われているのでしょうか。

ニジマスを使った実験で魚も痛覚に近い感覚があると判明

エディンバラ大学のロスリン研究所では、ニジマスを用いて魚の痛覚を調べる実験が行われました。この実験は頭にマーカーを付けたニジマスに様々な刺激を与え、ニジマスの神経の動きを観察するものです。ニジマスに刺激を送ると、刺激に対して反応を示したそうです。この結果から、ニジマスには頭部の付近に58か所以上もの痛点があることが明らかになりました。

さらに、ニジマスには侵害受容器の一種であるポリモーダル受容器と呼ばれるものがあることも判明しました。この受容器は物理的・科学的刺激を電気信号に変える器官のことで、細胞が傷ついた際の刺激を脳に伝える働きがあります。ニジマスには痛点やポリモーダル受容器があることから、魚には痛覚に近い感覚があることがあることが分かりました。

魚釣りやイカ・シラウオの踊り食いは残酷という意見もでてきた

ニジマスの痛覚に関する実験結果から他の魚にも痛覚があると考えると、魚の漁獲方法や養殖方法が魚に傷みを与えていないかを考えなければいけません。また、魚釣りやイカ・シラウオなどの踊り食いは残酷だと意見する人も現れました。

世界的に魚類に痛覚があることが認められた場合、スポーツフィッシングのほか魚の踊り食いや活造りなどの日本の食文化が無くなる可能性もあります。

甲殻類にも痛覚らしきものがあることと判明

痛覚の実験は魚だけでなく、甲殻類を対象にした実験も行われています。甲殻類を使って痛覚の実験を行った結果、どのような事実が明らかになったのでしょうか。

ヤドカリを使って甲殻類の痛覚を調べた実験とは?

ある大学において、ヤドカリを使った甲殻類の痛点に関する実験が行われました。この実験は、ヤドカリに電気ショックを与えてヤドカリの反応を観察するのものです。微弱な電気ショックを流したところヤドカリは痛がる反応をし、強い電気ショックを与えると殻を脱ぎ捨てて逃げて行ったそうです。

このような結果から、ヤドカリと同じ種族であるエビやカニなどの甲殻類には、痛覚らしきものがある結論に至りました。

オーストラリアではロブスターの調理法が法律で決められてる

ヤドカリの痛覚に関する実験結果などを受けて、オーストラリアでは甲殻類であるロブスターの調理方法に関する新たな法案が作成されました。現在のオーストラリアの法律では、ロブスターを生きたまま調理することは禁じられています。

オーストラリアではロブスターを調理する際、ロブスターを冷水に漬けて感覚を鈍らせ仮死状態にしたうえで調理をしなければいけません。さらに、ロブスターを包丁で切る際にはすばやく行い、即死させる必要があります。

魚の痛覚については今も研究中

今まで魚の痛覚はないものとして考えられていましたが、最近の研究結果によると魚にも痛覚らしきものがあることが明らかになっています。魚に痛覚がある見解が浸透した場合、日本でも魚の漁獲や調理に関する新たな法律が生まれる可能性もあります。魚の痛覚については未だ研究中ですが、魚の命や気持ちについて自分なりの考えを見直してみましょう。

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