ヒラマサ・カンパチは出世魚ではない?ブリは?勘違いされる理由を解説!

ヒラマサは出世魚と言われることがありますが実際どうなのでしょうか?実は出世魚ではありません。今回は、出世魚の定義含め、ヒラマサ同様に出世魚と勘違いされやすいカンパチ・マグロなど他の魚についても紹介します。出世魚の魚も一覧で紹介するので参考にしてみてくださいね。

目次

  1. ヒラマサは出世魚?
  2. 出世魚とは?
  3. ヒラマサは出世魚ではない
  4. ヒラマサ同様に出世魚と勘違いされることが多い魚は?
  5. ①カンパチ
  6. ②マグロ
  7. ③イサキ
  8. 出世魚の魚を一覧で紹介
  9. ①ブリ
  10. ②スズキ
  11. ③ボラ
  12. ④クロダイ
  13. 出世魚は面白い

ヒラマサは出世魚?

出世魚の代表であるブリによく似ているヒラマサですが、はたしてヒラマサも出世魚なのでしょうか。そもそも、出世魚とはどんな魚のことを指すのかも合わせて紹介します。

出世魚とは?

出世魚とは、成長するとともに姿かたちが変わり、それに合わせて呼び名も変わる魚のことです。外見だけでなく、味や風味も変わることから一般的には成長の度合いによって別の魚として扱います。

このような魚の、成長するごとに立派になっていく様を出世に位置づけて「出世魚」と呼ぶようになりました。出世魚という縁起の良い名前から、お祝い事に食べられることも多いです。

ヒラマサは出世魚ではない

実はヒラマサは、出世魚ではありません。しかし、地方によって呼び方が違い、地方別の呼び方は以下の通り沢山あります。

・アカユ(新潟県頸城)
・シヨノコ(新潟県新潟)
・セントク(新潟県能生町)
・ハチ(新潟県筒石)
・シオ(三重県鳥羽)
・ヒラブリ(三重県鳥羽)
・テンコツ(鹿児島)
・ハネゴ(鹿児島)
・ヒネゴ(鹿児島)
・ヒラソウジ(鹿児島県奄美大島)
・ハマス(高知(若魚))
・マサ(東京)
・ヒラバタケ(富山県)
・マヤ(富山県生地)
・ヘラ(福井県三国)
・マサギ(高知県熊野浦)
・ヒラサ(広島県)
・ヒラソ(島根県・山口県下関)
・ヒラ(三重県志摩市和具・京都府宮津・鳥取・愛媛県三津・宇和島)
・ヒラス(九州・大阪・長崎・新潟・高知・山口県下関・玄海・志賀島)


ヒラマサはスズキ目アジ科ブリ属の魚です。ブリの仲間なのでブリやカンパチによく似ているため出世魚だと思われがちですが、サイズによって名前が変わることが無いため出世魚ではありません。ヒラマサはブリやカンパチと比べると漁獲量が少なく、養殖されている数も少ない魚です。

ヒラマサ同様に出世魚と勘違いされることが多い魚は?

ヒラマサが出世魚ではないことが分かりましたが、ヒラマサ以外にも様々な名前で呼ばれているにも関わらず出世魚ではない魚がいます。ここからは、出世魚と勘違いされることの多い魚を紹介します。

①カンパチ

カンパチは地域名も多く稚魚の時点では違う名前で呼ばれているため出世魚と勘違いされやすいですが、出世魚ではありません。地域によって、以下のような様々な呼び方があります。

・サカハリ(三重県熊野浦)
・アカハナ(島根県多伎町・高知県古満目・興津・上ノ加江・須崎・甲浦・和歌山県白浜)
・アカバナ(愛知県名古屋、島根県多岐町、山口県下関、長崎県平戸市度島)
・アカイオ(新潟県能生町・富山県魚津・氷見・東岩瀬・新湊)
・シオイリ(東京都)
・ヨッコ(東京都三宅島)
・ホンカンパチ(東京都伊豆諸島・小笠原)
・ショッパチ(東京都大島波浮・岡田)
・ソウズ(福岡県志賀島)
・ソジ(高知県大月町安満地・中の浜・伊佐・窪津・田ノ浦・上川口・佐賀・池の浦)
・ガタ(高知県柏島・古満目・三﨑・吉佐・以布利)
・ソージ(鹿児島県奄美大島)
・アカバラソウジ(鹿児島県奄美大島)
・オーシオ(高知県室戸岬・佐喜浜)
・アカバラ(鹿児島県屋久島町安房・宮之浦)
・シオウ(徳島県阿南市、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』)
・ダイビキ(京都府宮津市・伊根町新井崎漁港)
・ダイリキ(福井県小浜市、京都府舞鶴市舞鶴魚市場)
・ネリ(福岡県福岡市中央卸売市場)
・ネウ(愛媛県愛南町)
・ネゴ(鹿児島県日置市東市来)
・アカバー(沖縄県宮古)
・イノーウチムルー(沖縄県南城市知念漁協)
・ウチムル(沖縄県沖縄本島・八重山)

ブリと似たその姿から、ブリの成長の過程と思われる事も多いカンパチですが、実はそうではありません。ブリの仲間ではありますが、カンパチはスズキ目アジ科ブリ属の魚です。幼名も地域により違い、シオやショゴ、モジャコと呼ばれ、70cmを超える大きさになるとカンパチと呼ばれるようになります。

(※カンパチが出世魚かどうかについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)

カンパチとは?出世魚?ブリ・ヒラマサの違いは?旬・味や活用レシピを紹介!

②マグロ

マグロも出世魚と同じように成長度合いによって名前を変える魚ですが、出世魚としては扱われていません。以下に、クロマグロの幼名・地方名を紹介します。

・カツオ(小型/熊本県熊本市)
・ヒラガツ(小型/山形県鶴岡市由良漁港)
・メジ(山形県鶴岡市由良漁港・富山県高岡市、小型/千葉県・東京都・神奈川県)
・ヨコ(小型/徳島県海部郡海陽町宍喰、高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協)
・ヨココ(小型/高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協)
・ホンマグロ(関東の市場)
・ヨコワ(小型/京都府宮津市・伊根町新井崎漁港)
・シビコ(小型/京都府宮津市・伊根町新井崎漁港)
・シビ(京都府宮津市・伊根町新井崎漁港)


他にも、地方は不明ですがゴンダやセナガ、カタマなど様々な名前で呼ばれています。マグロが出世魚ではない理由は、昔はマグロは下魚とされていたからです。赤身のマグロは腐敗が進みやすいため不人気だったことから、出世魚と位置付けられることはありませんでした。

③イサキ

イサキは、幼魚の時はウリボウやタカベと呼ばれます。出世魚と同じように、成長に伴って呼び名が変わりますが、イサキも出世魚ではありません。また地方によっても以下のように呼び名が変わります。

・ウリボウ(小型/相模湾周辺・山口県萩市)
・ゴッソリ(小型/神奈川県小田原市・真鶴町、静岡県伊東市伊東市街・富戸)
・シャカンダ(小型/徳島県海部郡海陽町宍喰漁業協同組合)
・ヒデリコ(小型/山口県萩市)
・ドジンゴ(小型/長崎県平戸市度島)
・ムギウラシ(山口県小野田)
・イッサキ(長崎県平戸市度島、熊本県天草市)
・イサギ(和歌山県那智勝浦町、徳島県徳島市、愛媛県宇和島市、高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協)
・ムギワライサキ(和歌山県白浜町日置)
・ウズ(愛知県)


イサキは縁起のいい魚と見られておらず、出世魚とされていません。マグロと同じように、単に成長の度合いによって名前が変わるだけでは出世魚にはならないようです。

出世魚の魚を一覧で紹介

出世魚に分類される魚としては以下のようなものがあります。

・ブリ
・スズキ
・ボラ
・マイワシ
・サワラ
・コノシロ
・クロダイ


ここからは、上記の中から出世魚を4種類紹介するので、出世魚についてより理解を深めてみましょう。

①ブリ

出世魚の代表格であるブリですが、ブリまでに成長する過程で地方によりイナダやハマチなどと呼ばれています。大きさによって呼ばれる名前は、以下の通りです。

・アオ(25cm前後までのもの/宮城県石巻市石巻魚市場)
・モジャコ(稚魚/長崎県平戸市度島)
・ヤズ(30~40cm/長崎県平戸市度島)
・ヤズコ(小型/長崎県平戸市度島)
・ヤズコブトリ(50~70cm/長崎県平戸市度島)
・ヤナ(10kg・ブリサイズ/長崎県平戸市生月島)
・イナダ(30~40cm・3kg前後/山形県鶴岡市由良漁港・東京・愛知県・三重県和具・鳥羽市)
・ワラサ(50~70cm・4~10kg/山形県鶴岡市由良漁港・愛知県・三重県和具・鳥羽市・相模湾)
・ワカナゴ(10~15cm/東京・和歌山県)(9~12cm/九州北部)(12~20cm/高知県)
・ツバス(10~15cm/関西)(20cm前後/和歌山県)(~25cmまで/徳島県海部郡海陽町宍喰町)
・ハマチ(20~40cm/関西)(30~40cm/和歌山県・島根県・高知県・九州北部)
・メジロ(50~60cm/関西・和歌山県・九州北部)(40~50cm/高知県)(3.5~8kg/徳島県海部郡海陽町宍喰町)
・オオイオ(70~80cm/和歌山県)(80cm以上/高知県)
・オオウオ(1m以上/九州北部)

地方によって呼び名の変わるブリですが、大型になるとどの地方でもブリと呼ばれるようになります。西日本では年取りの魚として、年末・正月に塩焼きにして食べる習慣があるそうです。

(※出世魚であるブリの名前の変化や、ブリの未成魚のワラサについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)

出世魚「ブリ」の名前の変化と順番は?成長過程・地域別に比較して紹介!
ワラサとは?出世魚「ブリ・メジロ」と同じ魚?旬・捌き方やレシピのおすすめも紹介!

②スズキ

大衆的な魚であるスズキは、古くは高級魚として扱われていた縁起のいい出世魚です。1年で10cm成長するスズキの、地域ごとの呼び方を紹介します。

・ミズセ(10cm前後/徳島県徳島市吉野川河口周辺)
・セイゴ(20~30cm/関東・関西)(20~50cm/徳島県徳島市吉野川河口)
・フッコ(40~60cm/関東)(~60cm/東海地方)
・ナナイチ(30cm/愛知県・宇津江)
・ハネ(40~60cm/関西・島根県・佐賀県有明海周辺)
・ハクラコ(~20cm/佐賀県有明海周辺)
・ハクラ(20~40cm/佐賀県有明海周辺・佐賀県鹿嶋市)


シャープに伸びたヒレとなだらかなシルエット、黒と銀色の美しいコントラストが魅力的なスズキは、「鯛に次ぐ美魚」と称されています。

(※出世魚であるスズキの名前の変化について詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)

出世魚「スズキ」の名前の順番は?フッコ・セイゴとの呼び名の使い分け方を解説!

③ボラ

高級珍味のカラスミが有名なボラですが、白身も美味しい出世魚です。海ではもちろん、町中の河川や水路などでも見かけるボラのそれぞれの呼び名は以下の通りです。

・ハク(稚魚/関西)
・オボコ(~10cm/関東)(3~6cm/関西)
・スバシリ(15cm/関東)(10cm/関西)
・イナ(30cm/関東・関西)
・トド(50cm~/関東・関西)


ボラは他の出世魚と違い、ボラという呼び方が最終的な呼び方ではありません。50cm以上の大きいものはトドと呼ばれるようになります。「とどのつまり」という言葉は、このトドからきていると言われています。

④クロダイ

クロダイは環境適応力が高く、海水魚でありながら一時的であれば真水でも生かしておけます。その事から冷蔵技術の無かった時代には重宝され高値で取引されていました。

・チンチン(~20cm/関東)
・カイズ(25~30cm/関東)
・クロダイ(30cm~/関東)
・ババタレ(~20cm/関西)
・チヌ(25~30cm/関西)
・オオスケ(30cm~/関西)
・ケイズ(25~30cm/東京都)
・チンダイ(25~30cm/山陰地方)
・チン(25~30cm/九州)


関西を中心にチヌという別名が有名な魚ですが、チヌというのはクロダイサイズになる前の呼び方です。またクロダイは成長によって性転換する魚で、2~3歳まではオスですが、4~5歳になるとほとんどのクロダイがメスになります。

(*同じく出世魚であるコノシロについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)

コノシロとはどんな魚?味はまずい・臭いって本当?食べ方のおすすめを紹介!

出世魚は面白い

ヒラマサやカンパチは、出世魚ではないことが分かりました。出世魚にはブリやボラなどの様々な種類があり、これらは地域によっても名称が変わる面白い魚です。お祝い事などの慶事の際には、ぜひ出世魚を食卓に並べてみてください。

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