ビーガンとベジタリアンの違いは？健康へのメリットや料理レシピのおすすめも紹介！

食の多様化や健康志向が高まる近年、有名人なども実践していることでよく耳にするようになったベジタリアンとビーガンにはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、ベジタリアンとビーガンはどの様な食のスタイルなのか、様々な面から比較して違いを解説します。

ベジタリアンとは、単純に肉類を食べない菜食主義者と認識している人が多いかもしれませんが、実はベジタリアンは食生活によって細かくタイプを分類することができます。ここでは、ベジタリアンの定義や名前の由来を紹介します。

ベジタリアンの呼称は、肉や魚などの動物性食品を食べず、野菜や豆類などの植物性食品を食べる菜食主義者として一般的に知られています。語源は一見ベジタブルからと思われがちですが、ラテン語で健全な・新鮮な・活力のあるとと言った意味を持つベジェトゥス（vegetus）が由来です。つまり、ベジタリアンとは健康で生き生きとして力強い人を意味しています。

また、ベジタリアンという呼称は、170年前に発足した英国ベジタリアン協会によって1847年に初めて使われました。

ベジタリアンは菜食主義者の総称で、様々なタイプに分けられます。

ビーガン：植物性食品のみを食べる
ラクト・ベジタリアン：植物性食品と乳製品は食べる
ラクト・オボ・ベジタリアン：植物性食品と卵や乳製品、はちみつは食べる
フルータリアン：みかんやリンゴなどのフルーツやナッツ類を食べる

ビーガンは、動物性食品を全く口にしません。ラクト・ベジタリアンは、主に宗教上の理由で行われています。一般的にベジタリアンという場合は、ラクト・オボ・ベジタリアンの食生活を指し、欧米に多いタイプです。フルータリアンは果実主義者ですが、レタスなどの葉物野菜やセロリ、スプラウトなどは食べています。

上記の他にも、最近耳にする機会が増えたペスクタリアンもベジタリアンの種類のひとつです。ペスクタリアンは植物性食品の他に魚や卵、乳製品なども食べます。ビーガンに比べて実践ハードルが低く魚介類を食べることで身体に必要な栄養素が摂取でき、大腸癌の発症リスクの低下など健康に良いことから注目を集めているベジタリアンです。

ビーガンは日本ではまだ少数派ですが、ベジタリアンと同じく海外ではポピュラーです。ビーガンとは具体的にはどのような食生活のスタイルなのでしょうか。ここでは、ビーガンについて詳しく見ていきましょう。

ビーガンは、細かくタイプ分けされるベジタリアンの1種です。ビーガンは完全菜食主義やピュア・ベジタリアンと呼ばれ、肉・魚・卵・乳製品などの動物性食品を食べない人のことを指します。

ビーガンにはエシカル・ビーガンと呼ばれる厳格な完全菜食主義者がいます。動物の命の尊重から、前述の食生活だけでなく服飾品や家具など衣食住すべてから動物性製品を避ける人達です。他に食事面のみ実践するダイエタリー・ビーガンがいます。

なお、日本でも知られている精進料理もビーガンの食生活に合致している、仏教の世界で僧侶が食べる料理です。ビーガンとは本来の目的や基本が違いますが、この精進料理も動物性の食材を一切使わないことでビーガンから注目を集めています。

ベジタリアンやビーガンのような動物性食品をほとんど摂取しない菜食主義の食生活は、栄養不足になる懸念がつきまといます。ベジタリアンやビーガンの食生活を取り入れることは健康なのでしょうか。それとも不健康なのでしょうか。

ベジタリアンやビーガンの食生活は、病気や癌の予防、ダイエットなど様々な健康効果が期待できます。世界保健機関WHOによって発癌性物質に指定されている肉を食べないベジタリアン・ビーガンは癌になるリスクが15%低くなるという研究結果も出ました。

とくに、栄養学を学んだ人が作るベジタリアンやビーガン料理は、心筋梗塞や糖尿病、直腸癌、前立腺癌など病気の予防や改善に役立つと言われます。

ただし、心臓病や様々な癌のリスク低下に効果があるとしても、栄養学に知識がない人が料理を作ると栄養不足で体調を崩してしまう可能性もあります。不足しやすい栄養素の補填方法など、正しい栄養の知識に基づいた菜食主義を実践しましょう。

動物性の食品を避け、菜食中心の食生活でも全必須栄養素を植物性食品から摂取することが出来ます。ただし野菜だけでは1日に必要な栄養素全てを賄えきれません。

特に、ビタミンB12は不足すると悪性貧血などの症状がおきます。しかし、現状のビーガンの食生活からビタミンB12を十分に摂取することは困難です。医者や研究者はビタミンB12だけはサプリンメントから摂ることをすすめています。

ベジタリアンやビーガンを健康的に実践するには栄養のバランスが良い食生活は必須です。ベジタリアンやビーガンの食生活に欠かすことのできない重要な栄養素は、タンパク質、ビタミンB12、鉄分、亜鉛、オメガ3脂肪酸、カルシウム、ビタミンDです。

動物性食品以外の食べ物で食生活を送るビーガンは、どのような料理を作っているのでしょうか。ここでは、身近な食材で作る満足感の高いビーガンの料理を紹介します。

野菜のまろやかな甘味のペーストに塩麹をプラスした優しい味のビーガンカレーです。香りの良いガラムマサラは入れすぎると辛いので気をつけましょう。自然塩を振った素揚げ野菜と一緒に食べると美味しいです。

豆腐と野菜にカロリーが低い切り干し大根を使った、ヘルシーなのにボリューミーなハンバーグです。切り干し大根は粉の代わりにつなぎに使え、食感もプラスされて咀嚼回数も増えるのでお肉のハンバーグにも負けない満足感です。

卵・乳製品不使用の生地に様々なものを練り込んで作ったビーガン・スコーンです。ナッツやドライフルーツの種類を変えたり、抹茶やきな粉を加えたりすれば色々な味を楽しめます。

市販の乳製品や卵不使用のピザ生地に、カロリーの低いトマトソースをベースに使用したビーガン仕様のピザです。トッピングにはビーガン用のチーズやソーセージと野菜を多めにのせましょう。動物性食品がなくても食べ応えのあるピザに仕上がります。

具材は粗挽き高野豆腐と玉ねぎやにんじんなどの野菜を使います。植物油脂が多いカレールーを使わずカレー粉を使って仕上げたヘルシーなドライカレーです。具沢山なので十分に満腹感が味わえます。

濃厚な味わいの豆腐マヨネーズをポテトサラダに和えた一品です。豆腐マヨネーズは、水切りした豆腐やオリーブオイルなどレシピの具材すべてをフードプロセッサーで撹拌して作ります。

精進料理で避けられるニラ、ニンニク、ラッキョウ、タマネギ、ネギなどの五葷と称される野菜を使わずに作った麻婆ナスのレシピです。肉の代わりに大豆ミートを使いますが、大豆は高タンパク・低脂質で、ビーガンの食生活には最適な食材です。

ビーガンは、菜食主義者として一般的に知られているベジタリアンの1種で、タイプによって違いがあることが分かりました。ビーガンやベジタリアンは、病気の予防やダイエットなど様々な健康効果も期待できます。ビーガンの自然や動植物に対して思いやるライフスタイルに共感を持てたら、無理なく進められるペースで挑戦して見てはいかがですか。