魚へんに神「鰰」と書いて何と読む?意味・由来や他に魚へんがつく漢字は?
魚へんに神という漢字を書いてなんと読むか知っていますか?読み方は「ハタハタ」です。今回は、魚へんに神・雷で「ハタハタ」と読む由来をハタハタの特徴とともに紹介します。魚へんに暇と書く「鰕」など、魚へんがつく漢字の魚をハタハタ以外にも紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
魚へんに神という漢字を書いてなんと読む?読み方や由来とは?
魚の漢字には読み方が難しいものが多く、どのような魚を指すのか分からないことがあります。ここでは、魚へんに神と書く漢字の魚の読み方や漢字の由来を解説します。
魚へんに神と書いて「ハタハタ」と読む「鰰」の由来
鰰の読み方は「ハタハタ」で、ハタハタにこの漢字が当てられたのは雷神を意味する「霹靂神(はたたがみ)」に由来しています。ハタハタは冬の寒く雷が激しく鳴る時期に水揚げされることから、このような漢字が当てられました。
ハタハタの呼び方は、かつて雷が鳴り響くことを「はたたく」、雷の鳴る音を「はたはた」の擬音語で表現していたことから来ています。また、ハタハタのウロコが富士山のように見えることから、魚へんに神のつくりを合わせた漢字が使われるようになったとも言われています。
ハタハタは魚へんに「神」以外に「雷」と書くこともある
ハタハタは鰰と書くほか、雷のつくりを使った漢字や以下のように表記されることもあります。
・燭魚
・波多波多
・鱩
・雷魚
ハタハタは雷が鳴り響く季節に多く水揚げされることから、雷のつくりの漢字が使われることが多いです。また、ハタハタが水揚げされる時期の日本海は荒れており、波が多い様子から波多波多と表記されることもあります。
魚へんに神と書く魚「ハタハタ」はどんな魚?

魚へんに神と書くハタハタは短い期間しか漁獲できず、店頭で見たことがない人もいるかもしれません。ここでは、ハタハタの旬や水揚げされる地域などについて説明します。
ハタハタは秋田県の県魚
ハタハタは主に北日本海の浅瀬で漁獲される魚で、秋田県では県魚として有名ですが、島根県や鳥取県でも水揚げが行われシロハタとして親しまれています。ハタハタの漁獲時期は10月下旬〜1月ごろの冬で、このころに旬を迎える魚です。
ハタハタは夜行性の魚で、日中は砂の中に潜む性質があります。淡白な味わいのため、しょっつる鍋や田楽など、様々な調理方法で食べられています。
鰰以外に魚へんがつく漢字の魚は何がいる?
鰰以外に魚へんがつく漢字の魚には、どのようなものがあるのでしょうか。魚へんがつく漢字をもつ馴染み深い魚を由来とともに紹介するので、参考にしてください。
①魚へんに暇(鰕:エビ)

エビは、魚へんに暇の右側の文字を取って「鰕」と表記します。叚は体を曲げることを現すことを指し、エビが体を曲げる姿にちなんでこのような漢字が当てられるようになりました。また、エビを魚として扱うのは不適切といった考えにより、ヒキガエルを意味していた虫へんの「蝦」の漢字も用いられるようになった説があります。
(*エビの漢字表記について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
②魚へんに花(𩸽:ホッケ)

魚へんに花と書く漢字はホッケと呼び、漢字の由来には様々な説があります。雄が産卵する際にコバルト色の唐草模様が現れることや、浅瀬で泳ぐ稚魚の群れが青い花に見えることから、魚へんに花のつくりを合わせた漢字が使われるようになったと言われています。
(*魚へんに花「𩸽」と書いて何と読むかについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③魚へんに冬(鮗:コノシロ)

魚へんに冬と書いてコノシロと呼ぶのは、冬に獲れる魚であることに由来しています。また、コノシロは魚へんに祭のつくりを合わせて鰶と表記することもあり、これはお稲荷様の好物として祭られていたためといった説があります。
(*魚へんに冬「鮗」と書いて何と読むかについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
④魚へんに危(鮠:ハヤ)

ハヤは特定の魚を指すのではなく、ウグイやカワムツなどのコイ科の淡水魚の総称のことを指します。ハヤの姿がナマズに似ていることから、ナマズを現す「危」の漢字が使われるようになりました。また、ハヤは泳ぐ速度が速いため、速いことを意味する「危」を当てられた説もあります。
⑤魚へんに石(鮖:カジカ)

カジカは淡水魚であり、河川の上流部に生息しています。気に入った石にこだわって棲みつく性質があるため、「石」の漢字が当てられました。なお、魚へんに石と書く鮖の漢字は中国などの国には存在せず、日本でのみカジカを指す漢字として使われています。
⑥魚へんに葉(鰈:カレイ)

鰈のつくりである「枼」は葉や平たいことを意味する漢字で、カレイの体が葉のように平たいことからこのような漢字が使われるようになりました。また、カレイの体の色合いが枯れ葉のようにも見えるため、このような漢字が当てられた説もあります。
(*魚へんに葉「鰈」と書いて何と読むかについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
⑦魚へんに師(鰤:ブリ)

出世魚であるぶりは11月~2月に旬を迎える魚で、師走になると脂が良く乗って美味しくなることから「鰤」と表記されるようになりました。また、ぶりは賢く捕まえることが困難なため師の魚と呼ばれ、師の漢字が使われるようになったとも言われています。
(*魚へんに師「鰤」と書いて何と読むかや、魚へんの漢字について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
魚へんがつく漢字の魚はさまざま
魚へんに神のつくりを合わせて鰰と書くはたはたの漢字は、神や雷に由来しているものです。ハタハタの他にも、エビやカレイ、ブリなどの身近な魚にも魚へんの漢字が使われています。魚へんがつく漢字の魚は200種類以上あるため、好きな魚の漢字の由来を調べてみてもよいでしょう。