ブリの旬の時期・季節はいつ?出世魚?栄養価・選び方やレシピを紹介!
ブリの旬の時期を知っていますか?成長と共に呼び方が変わる魚ですが、今回は、<天然・養殖>のブリの旬の時期・季節や主な産地・生産量を紹介します。ブリの選び方・見分け方や、さばき方、レシピのおすすめも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
ブリの旬の時期・季節はいつ?

養殖技術や冷凍技術が発達している現代では、いつでもブリを美味しく食べられますが、旬の季節を知っているともっと美味しく食べられます。ここではブリの旬の季節を詳しく紹介していきます。
ブリの旬の時期・季節は2回ある
ブリは一年中取れる魚で、さらに養殖が盛んです。基本的に年中美味しく食べることができる魚ですが、天然と養殖で脂ののりがよい季節が違います。つまり、ブリは1年で2回旬な時期・季節がある魚なのです。
①冬が旬の天然の寒ブリ
「寒ブリ」という言葉があるように天然のブリは12月から2月の冬の時期が旬です。寒ブリは冬の産卵に備えて餌をたくさん食べ、波が荒く水温の下がる寒い冬の海を耐えるために脂肪を蓄えて、身が引き締まりしっとりとして美味しい状態になります。
②夏が旬の養殖のブリ
養殖のブリは夏が旬で、黒瀬ブリなどが有名です。天然のブリは夏は冬に比べて脂ののりが悪く美味しくありません。それに対して、養殖のブリは夏でも適度に脂がのっていて熟成した味わいがあり、魚の特有の生臭さも抑えられています。
ブリとはどんな魚?

ブリと聞くと、海の魚で、出世魚で大きさによって名前が変わるというイメージをお持ちの方が多いでしょう。ここではブリの生態と、大きさによる名前の違い、主産地などを紹介していきます。
ブリの生態
ブリは北はカムチャツカ半島、南は東シナ海、東はハワイまでの北西太平洋に分布する回遊魚です。回遊魚とは適した水温や餌、産卵場所などを求めて海を泳ぎ回る魚のことで、多くのブリは群れをなして夏は北上し、冬は南下します。
産卵は春に水温20度前後の海域で行われ、稚魚の時は流れ藻に身を寄せながらプランクトンなどを食べて成長し、やがて小魚を食べるようになります。夏になると流れ藻から離れて、本格的に回遊を始めますが、詳しい生態は分かっていません。
ブリは成長によって名前が変わる出世魚
ブリは出世魚で、呼び方は成長した大きさによって以下のように変わります。
イナダ | 35cm以下 |
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ハマチ | 35cm~60cm |
ワラサ | 60cm~80cm |
ブリ | 80cm以上 |
上記の呼び名の違いは主に関東で使われるもので、40cm~60cmのものを関西ではハマチと呼んだり、四国ではメジロと呼んだりと、地域によって違った呼び方をします。しかし、関東関西共に80cm以上のものをブリと呼ぶことは変わりません。
ブリの主産地・漁獲量
平成27年の農林水産省・漁業養殖生産統計において、日本における天然・養殖のブリの漁獲量top5の地域は以下のようになっています。
1.長崎県 | 15,651t |
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2.石川県 | 13,859t |
3.島根県 | 11,204t |
4.千葉県 | 10,825t |
5.北海道 | 10,063t |
1.鹿児島県 | 25,365t |
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2.大分県 | 17,009t |
3.愛媛県 | 16,316t |
4.宮崎県 | 9,302t |
5.高知県 | 9,253t |
天然物は太平洋、オホーツク海、日本海、東シナ海と全国各地の海で漁獲されていて、養殖は主に九州、四国地域で盛んに作られています。
ブリの栄養価や選び方・見分け方のポイントは?

脂がのった旬なブリはとても美味しいですが、どのような栄養価があるのでしょうか。ブリの栄養価と新鮮なブリの選び方・見分け方のポイントを解説していきます。
ブリの栄養価・効能
ブリには以下のような健康にいい栄養が含まれています。
・DHA、EPA
・ビタミンD
・ビタミンB1、B2
・ナイアシン
DHA、EPAはオメガ3脂肪酸の一種で、魚の脂に豊富に含まれ、積極的に摂取することにより、脳の認知機能向上や、血液をさらさらにする効果が期待できます。ビタミンDはリンやカルシウムの吸収を助け、ビタミンB1、B2は疲労回復、脂肪の代謝促進させる効果があります。
また、ナイアシンは、補酵素としてアルコール、アセトアルデヒドの分解を手助けする効果があるので、ブリはお酒をよく飲む方におすすめの肴です。
新鮮なブリの選び方・見分け方のポイント
ブリの鮮度を見分けるポイントは切り身と場合と、一尾の場合で分けて解説します。
【切り身の場合】
・身の色合いが白いこと
・血合いの色が鮮やかであること
・全体に張りがあること
【一尾の場合】
・目に張りがありみずみずしい
・エラが鮮やかな赤色をしている
・大きく太って丸みがある
切り身の場合は、まず身の色を確かめましょう。身が白いブリは脂がのっていて美味しいです。次に鮮度を確かめるために血合いの色と、全体の張りを見ます。鮮度が落ちると血合いの色が茶色にくすんでくるので、血合いが赤みを帯びていて、ピンと張りがあるものを選びましょう。
そして、1尾の鮮度を見るにはまず目を見て、張りがあるものを選びましょう。鮮度が落ちていると目が白濁していたり、乾いていたりします。さらにエラ蓋を開けてみて、鮮やかな赤色をしていると新鮮です。また、大きく太っていることは脂のりがよく美味しい証拠です。
ブリのさばき方
動画のポイントをまとめてブリの捌き方をご紹介します。
①たわしで洗いぬめりを落とす
②鱗を包丁で引く
③エラを引き頭を落とす
④尻から包丁を入れて内臓とり、血合いに包丁を入れる
⑤鱗、血合いをよく洗い水気をとる
⑥胸びれとカマを切り落とす
⑦尾を左にして腹から中骨に沿って包丁を入れる
⑧半回転させ、背中から中骨に沿って包丁を入れる
⑨再度お腹を向け、中骨から切り離すように包丁を入れる
⑩裏返しにして、⑦〜⑨と同様に中骨と身を切り離す
動画はこの先も続きますが、⑩までの作業で三枚下ろしの完成です。この後は腹骨をとって、切り身にして煮物にしたり、皮を引いてお刺身にして頂くことができます。
ブリの旬の食べ方・レシピのおすすめ
旬のブリを美味しく食べられるように、ご飯やお酒にあうおすすめのレシピを紹介します。参考にしてみてください。
①照り焼き
こちらは定番のブリの照り焼きです。タレを焦がさないように、ブリに火が通ってから中火にかけてさっと絡めるのがポイントです。
②りゅうきゅう
大分県の郷土料理りゅうきゅうです。生のままのブリを使うので新鮮なものを選びましょう。そのまま食べても美味しいですが、丼やお茶漬けにかけても美味しいご飯にピッタリな逸品です。
③天ぷら
ちょっと変わり種ですが、ブリを天ぷらにしてみるのはいかがでしょうか。新鮮で脂身の多いブリにサクサクな衣の天ぷらは、ご飯にもお酒にもよくあいます。醤油を使っているのであげる時に焦がさないように注意しましょう。
④カルパッチョ
ブリにレモン汁を合わせて作ったカルパッチョです。レモン汁を加えることで魚がもちもちして美味しい食感になります。切り方も普通のカルパッチョと違いぶつ切りにしているので、魚を薄く切れない方におすすめです。
⑤煮付け
煮付けは、予めさっと火を通すことによって、臭みを取ることでき、さらに食感がふんわり仕上がって美味しくなります。
⑥ブリのソテー
バターとレモンの風味が効いた洋風のレシピです。焼く時にあまり動かさずに焼き目をしっかりつけることが見た目も味も美味しく仕上げるポイントです。
ブリを旬の時期に美味しく食べよう
今回はブリの生態と、旬の時期、鮮度の見方を紹介しました。ブリは年中美味しく食べられますが、夏は養殖、冬は天然物が旬だとわかりました。季節と鮮度の見分け方を意識しながら、美味しいブリを選ぶように参考にしてみてください。