ほうれん草は生食NG?理由は?アク抜きの手順や生で美味しいレシピのおすすめを紹介!
【管理栄養士監修】ほうれん草の生食は体に害があると言われますが、なぜでしょうか?ほうれん草の生食を避けるべき理由とアク抜きなど下処理の仕方を紹介します。さらに生と茹でた時の栄養差の比較も確認して上手にほうれん草を食べましょう。
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ほうれん草の生食に害があると言われる理由は?
ほうれん草を食べるときは基本的には下ゆでをしてから調理に使いますが、これは生ほうれん草には苦味があるためあまり美味しくないからです。ほうれん草を茹でずに食べると苦い、体に悪いと言われているのはなぜでしょうか。
アクの主成分となるシュウ酸が多く含まれているため
ほうれん草にはビタミン、カリウム、マンガン、カルシウムなど様々な栄養素が含まれていますが、中でもアクの主成分となるシュウ酸が多く含まれています。シュウ酸には、栄養素が外に逃げていかないようほうれん草内にとどめておく働きがあります。
しかし、シュウ酸が人体に入ると、尿管でカルシウムと結合して残ってしまい結石化することがあり、これが尿管結石の原因となります。少量のシュウ酸なら問題なく体外に排出されるのですが、生のほうれん草にはシュウ酸が多く含まれているため、尿管結石ができる危険性が他のシュウ酸を含む食材に比べて高くなります。
また、シュウ酸はえぐみの原因にもなり、ほうれん草を生のまま食べて、えぐみ・苦味を強く感じるのはこのためです。そのため、ほうれん草を食べるときは茹でる、あるいは水にさらしてアク抜きをしてシュウ酸を減らすのが一般的となっています。
(*ほうれん草のアク抜きの必要性やほうれん草は体に悪いかについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
生食向きのほうれん草もある
一般的なほうれん草は下茹でをしてから食べるものですが、生食するために改良されたサラダほうれん草もあります。
サラダほうれん草は生でも食べられるように、えぐみが少なく品種改良されておりシュウ酸が少ないので、生のまま他の野菜と混ぜてサラダとして美味しく食べられます。
熊橋麻実
管理栄養士
サラダほうれん草はえぐみ(シュウ酸)が少なくなるよう作られていますが、すべて取り除かれているわけではありません。味見をしてみて気になる場合は、アク抜きを行ってください。
(*生で食べられる野菜と食べられない野菜について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
生ほうれん草のアク抜きの仕方は?
サラダほうれん草なら生で美味しく食べられますが、普通のほうれん草を生で食べようとするとえぐみ・苦味があってそのままだと食べられません。そこで美味しく生ほうれん草を食べるために、どのようにアク抜きすればいいのでしょうか?
①水にさらす方法
ほうれん草のえぐみ・苦味はシュウ酸が原因となっています。シュウ酸は水に溶ける性質なのでシュウ酸を減らすためにはほうれん草を水にさらす必要があります。
①ほうれん草を丁寧に水洗いする
②小さめにほうれん草をカットしておく
③水をはったボールに浸し、20分ほど放置する
(その間、2,3回は水を換えましょう。)
もし可能であれば、流水にほうれん草をさらすとより効果的にアク抜きができます。また、水にさらす前にほうれん草を一口サイズにカットしておけば、切り口からもシュウ酸が流出するのでより効率的にアク抜きができますが、水溶性の栄養素が流出します。栄養素をより多く摂取したい場合には、カットするのは避けたほうがよいでしょう。
熊橋麻実
管理栄養士
ほうれん草は軸のところに土が残っていることがあります。生食の場合は特に気を付けたいですよね。ボウルに水を張って根元を水の中で上下させたり、葉の方から広げて根元に流水にあてると土がきれいに取れやすいですよ。