チョロギはおせちの縁起物!味は美味しい?栄養・効能や名産地なども紹介!
【管理栄養士監修】チョロギを知っていますか?少し気持ち悪い見た目ですが、関東ではおせち料理縁起物の意味で入っています。今回は、チョロギの栄養素・効能や味や食べ方も紹介します。チョロギの梅酢漬けの作り方・レシピやお菓子も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
チョロギとは?どんな食材?

初めてチョロギを見る方は芋虫のような気持ち悪い見た目をしているため、本当に食べ物なのかと思ってしまう方も多いかもしれません。まずはチョロギがどのような食材なのかを紹介します。
チョロギは茎を食べる食材
一見すると芋虫のような見た目をしているチョロギですが、シソ科の一種で、根の先端部のくびれた部分である塊茎を収穫して食べる野菜です。中国が原産地で、見た目が石蚕に似ているため「草石蚕(いさごむし)」と呼ばれることもあります。1880年代にはヨーロッパやアメリカに伝わったとされ、日本には江戸時代に持ち込まれ、栽培が始まったとされています。
チョロギがおせち料理に縁起物として入っている意味・由来
関西の方には馴染みがないかもしれませんが、チョロギは関東ではおせち料理に縁起物として使用されています。黒豆と一緒に赤いチョロギの漬物を見たことがあるという方もいるでしょう。黒豆の甘みとチョロギの酸味がアクセントになってクセになります。
チョロギは漢字では「長老木」「長老貴」「長老喜」「千代呂木」と書かれます。長老の木、長老が喜ぶ、千代という文字が表す通り、チョロギは長寿を願っておせち料理に入れられています。
チョロギの旬・名産地
チョロギは希少性の高い食材でしたが、現在全国各地で栽培されており、増産と特産化が進んでいます。主な名産地は大分県竹田市、広島県福富町、岡山県、岩手県釜石市、福島県東和町、秋田県など北から南まで様々です。他にも北海道でも芦別市、枝幸町、旭川市で生産されています。
チョロギの旬は11月から1月と冬場で、北海道や東北では11月から12月となっており、西日本では12月1月あたりです。丁度おせちの時期と旬の時期が重なる形となっており、おせち料理で食べるときは一番美味しい時期となっています。
チョロギの栽培方法
チョロギは3月から4月にかけて種をまいて5月頃に発芽し、6月から7月にかけて薄紅色もしくは薄紫色の花を咲かせ、11月から1月頃には収穫できます。その際には全て手作業で行う必要があるため、チョロギ農家は減少傾向にありましたが、現在では特産化しようという動きから栽培数も増えてきました。
収穫の際は大変かもしれませんが、栽培自体はそこまで難しくないため、家庭菜園でもチョロギを育てることは可能です。種を植えたら、あとは水やりと草抜きをすれば良いので、黒豆の煮物などの添え物にチョロギを育ててみたいという方は面白いかもしれませんよ。
チョロギの栄養素と効能は?

おせちの黒豆に添えられている漬物としてのチョロギしか食べる機会がないという方も多いかもしれませんが、チョロギには「長老木」という名の通り、健康な体作りに欠かせない栄養が豊富に含まれています。
①脳を活性化させる
チョロギに含まれる栄養成分には低酸素状態の脳細胞を活性化させるという効能があります。これは実際に平成元年に京都薬科大学の山原篠二助教授らによるマウスを使った研究で、その働きが実証されました。脳を活性化させることから、痴ほう症や脳梗塞の予防にも効果があると期待されています。
②腸内環境を整える
チョロギには炭水化物が含まれていますが、デンプンは一切含まれておらず、全てオリゴ糖です。オリゴ糖には乳酸菌などの善玉菌を増やす働きがあり、腸内環境を整える働きがあります。整腸効果もあるので、便秘気味の方にもおすすめです。
③胃潰瘍を防ぐ
チョロギにはアクティオサイドという成分が含まれていますが、この栄養素には強力な抗酸化作用があります。胃酸が強くなると胃潰瘍になり、胃が荒れてしまいますが、チョロギのアクティオサイドによって、胃酸を中和してくれるため、胃潰瘍になりにくくなります。ストレスで胃が荒れてしまうという方にもおすすめです。
④血の流れをスムーズにする
チョロギは血管の滞りを治して、血液の流れをスムーズにしてくれるという栄養素も含まれています。実際に秋田県のチョロギ栽培農家の血管年齢を調べてみたところ、10歳近く若いという結果が出ました。血管年齢が若いということは、心筋梗塞などのリスクが減り、健康な体を維持し続けられるというメリットがあります。
それだけでなく、血の流れが良いということは新陳代謝も良くなり、疲労回復や風邪予防など体を健康に保つために良いことばかりです。また、血管年齢が若いと見た目も若く見えるため、アンチエイジング効果も期待できます。
石川桃子
管理栄養士
チョロギはシソ科の植物。根の先端の膨らんだ部分が、私たちが食べる部分で、根の先端は成長により栄養価が高い部分です。なので上記のように身体に嬉しい作用がたくさんあります。
チョロギの食べ方は?味は美味しい?

チョロギはおせち料理で黒豆と一緒に添えてあるか、漬物として利用されるという印象が強く、中々口にする機会はないかもしれません。味や食感はどの様な特徴があるのでしょうか?
チョロギの味・食感
漬物特有のカリッとした食感とチョロギのシャキッとした食感があります。しかし、フランス料理でも使われることが多く、クリーム煮やサラダとしても利用されます。フランス料理で「ジャポネーゼ」と料理があれば必ずといって良いほどチョロギが盛り付けられます。
チョロギは煮ることによって芋のようなほくほくした食感にもなるので、カレーなどにもおすすめです。チョロギ自体に味はありませんが、ゆり根の味に似ているという方も多く、味はそこまで濃いわけではないので、漬物にする際にも自分の好きな味付けで楽しめます。
石川桃子
管理栄養士
チョロギはサイズも形も可愛らしいので、パーティー料理にもワンアクセントになるのでおすすめです。クセがない味なので和洋の煮込み料理などに合わせて使ってみてはいかがでしょうか。
チョロギは梅酢漬けが定番
チョロギは漬物にされることも多く、その中でも梅酢漬けは長期保存できるということで良く作られます。ここでは梅酢漬けのレシピを紹介するので、家庭菜園でチョロギを育てている方は作ってみてはいかがでしょうか?
【材料(3~4人分)】
・チョロギ200g
・塩小さじ1
・酒大さじ2
・砂糖大さじ2
・梅酢200㏄
【作り方】
1.チョロギを良く洗い、水気を切る
2.鍋に湯を沸かしてチョロギと酒を加えて3分茹でる
3.保存袋にチョロギと塩を入れて混ぜる
4.冷蔵庫で半日~1日おく
5.1日かけてチョロギの塩抜きをする
6.保存袋に砂糖、梅酢、チョロギを入れて空気を抜く
7.冷蔵庫で2日保存する
1日かけてチョロギの塩抜きをする際は、ボウルなどにチョロギが浸かるくらいの水にさらして何度か水を入れ替えながら冷蔵庫に入れましょう。保存袋に入れて冷蔵庫で保存する際は煮沸消毒した瓶を使うのもおすすめです。瓶の方が汁がこぼれる心配などもないので、おしゃれな瓶などに入れておいても良いかもしれません。
チョロギのお菓子もある
チョロギはおせちで黒豆にアクセントの漬物として添えられていることが多いですし、チョロギと言えば漬物という方も多いと思いますが、チョロギのお菓子もあります。チョロギの梅酢漬けはカリカリ梅と同じように食べることができるので、お菓子感覚で食べられますね。
チョロギを食べてみよう
おせちの黒豆に添えられている事が多いチョロギですが、普段の食事でも食べたい食材です。梅酢漬けはネットショッピングで購入することができますし、意外と簡単に家庭菜園でも栽培することができるので、興味のある方はぜひチョロギを購入してみてください。