むかごとは?味は苦い?旬の時期・栄養価や美味しい食べ方・レシピも紹介!
【野菜ソムリエ監修】むかごとはどんな食材か知っていますか?今回は、むかごの〈味・旬の時期・保存法・栄養価〉などや、毒性があると言われるのは本当かどうかも紹介します。ほかにも、むかごの美味しい食べ方・レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
むかごの栄養価・効能は?
むかごは小さくても栄養価が高いと言われます。ここではむかごにどのような栄養価や効能があるのかを紹介します。
①アルギニン
山芋には滋養強壮作用がありますが、これはアルギニンというアミノ酸の一種の働きによるもので、むかごにもこのアルギニンが含まれています。アルギニンは体内でも合成できますが、体力の消耗が激しい時には十分に合成できないため、むかごなどを食べて適宜摂取すると効果的です。
アルギニンは成長ホルモンの分泌促進や免疫力向上、筋肉増強、傷の修復促進、疲労回復に効果があります。また血流改善による男性機能の向上や、アンモニアの解毒を助けるなどの多岐にわたる効能が期待できます。
②アミラーゼ
むかごには、でんぷんを分解する酵素のアミラーゼが多く含まれています。アミラーゼはヒトの唾液や膵液にも含まれ、消化酵素として働きます。アミラーゼには食べたものを速やかに消化吸収する働きがあり胃腸の負担が軽くするため、胃腸薬等にも利用されているようです。
③ムチン
むかごには山芋や納豆、オクラなどと同じ粘りの成分であるムチンが含まれています。ムチンは水溶性食物繊維の一種で、腸内で食べたものを包み込むため吸収がゆっくりになり、血糖値の急上昇を抑えたりコレステロール値を下げたりする効果を発揮します。
また、ムチンには新陳代謝を活発にする働きもあり、疲労回復や老化防止、ダイエットなどにも効果的です。ムチンは涙や粘液などに含まれる成分で、鼻や口などの粘膜を保護する働きもあり、ウイルスなどの侵入を防いで風邪をひきにくくする作用も持っています。
(*むかごの栄養について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
むかごには毒性があることも?安全に食べるには?
むかごには毒性があると言われることがありますが、本当でしょうか。ここでは毒性のある種類とその見分け方について解説します。
むかごの中には毒がある種類がある
山芋と似たむかごができる植物にニガカシュウがありますが、ニガカシュウのむかごは苦くて食べられません。ニガカシュウは中国では漢方として癌などに使う薬草で、長期間の服用を続けると肝障害が出ることもあるそうですが、急性の中毒症状が出るほどの毒性では無いようです。
毒性のあるむかごを見分ける方法は?
見分ける主なポイントは、むかごの表面の形状、葉のつき方、ツルの巻く向きです。ニガカシュウと、食べられるむかごが付く自然薯には以下のような違いがあります。
【ニガカシュウの特徴】
・むかごの表面:滑らかさがなくゴツゴツしている
・葉の形:丸みのあるハート形
・葉のつき方:交互についている
・ツルの巻く向き:上から見て時計回り
・花の色:白から紫
【自然薯の特徴】
・むかごの表面:滑らかさがある
・葉の形:長くて先端の尖ったハート形
・葉のつき方:左右対称につく
・ツルの巻く向き:上から見て反時計回り
・花の色:白
ニガカシュウの生息地域は関東以西です。上記のような違いがあるので、しっかり見れば見分けることができます。自然薯や長芋の近くにニガカシュウが生えていることもあるので慎重に採取しましょう。
Twitterの口コミ
ニガカシュウ(苦荷首烏)の花とムカゴ。葉の葉脈も独特。
川岸に多いつる植物で、花は咲き始めは白、のちに紫色になるらしい。
【ニガカシュウ】
ヤマノイモ科 Dioscorea bulbifera
(*ニガカシュウについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)