味の素のうまみ成分は危険?なぜ体に悪い?石油が原料って本当なの?
うま味調味料「味の素」を知っていますか?体に悪い・危険と言われることもありますが、どんな成分が含まれているのでしょうか?今回は、味の素の主成分「グルタミン酸ナトリウム」について、製法や体に悪い影響はないのかなど紹介します。味の素が石油から作られているという噂についても紹介するので参考にしてみてくださいね。
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味の素って?どんな粉
味の素は、調味料の一つとして家庭に常備している方も多いかもしれません。とても便利な調味料として利用されていますが、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、味の素の特徴を紹介します。
うま味調味料「味の素」の特徴
味の素は、うまみ調味料に分類される食品で、うまみと名前が指す通り、料理に使用する事で基本のうまみを効かせ、こくと深みを与えます。味の素を使う事で、素材の味を引き立てたり料理の味をまろやかにしたりする働きがあります。また、食品の臭みをおさえたり、魚介類の解凍時にドリップとして抜け出すうまみを補ったりするなど使い方は様々です。
うまみ調味料は、かつて化学調味料と呼ばれていたことがありましたが、化学という響きが化学物質を連想させる事で健康に害のある食品と批評された事があります。しかし、味の素は人工的な化学物質ではなく天然原料から作られているため、1990年代以降は名前を変更し、うまみ調味料となりました。
味の素の成分は?
味の素はうまみ調味料であることがわかりましたが、一体どのような成分からつくられているのでしょうか。ここでは、味の素の成分や、その成分の発見の経緯について説明します。
味の素の主成分は「グルタミン酸ナトリウム」
味の素の成分は、グルタミン酸ナトリウムが95%以上を占め、その他はイノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムで構成されています。グルタミン酸は昆布などに多く含まれるうまみ成分で、イノシン酸は鰹節、グアニル酸は干し椎茸などにうまみ成分として多く含まれています。これらの成分は全て、人間の体を構成するアミノ酸の成分と同じです。
アミノ酸は、体内で再合成されてタンパク質に変換され、筋肉や内臓、血液やホルモンなどを生成して体の生命維持に深く関わっています。肉や大豆といったアミノ酸を多く含んでいる食品を美味しいと感じるのは、こういった体の仕組みがあることによる本能的な感覚だと言われています。
「グルタミン酸ナトリウム」発見の歴史
グルタミン酸が発見された当時、味の分類は甘味・塩味・酸味・苦味だけでした。1908年に、東京帝国大学の池田菊苗博士が、昆布出汁にグルタミン酸が多く含まれている事を発見し、抽出する事に成功しました。博士がこの成分をうまみと名付け科学的に認識された事で、うまみはUMAMIと表記される世界共通の公式語になっています。
このうまみ成分は、チーズや味噌などの発酵食品や、熟成肉などのタンパク質が多い食品に多く含まれています。これは、タンパク質の一部が発酵・熟成されることで分解されて生じるグルタミン酸が、食品中のナトリウムやカリウムなどと結合する事でうまみ成分になるためです。
味の素に体に悪い・危険成分は含まれていない?
味の素がうまみ成分から作られている事はわかりましたが、調味料として使う事で、体に及ぼす危険や害はないのでしょうか。一部では味の素は危険だといった噂もあるようです。ここでは、味の素に危険な成分が含まれていないか、国の基準値を基本として解説します。
味の素の添加物は全て国の基準値をクリアしており安全
味の素は、1960年代に食品衛生法上で食品添加物の調味料に分類され、国の安全基準を全てクリアしています。1987年には、世界中の研究機関でグルタミン酸ナトリウムの研究が進められ、国連食農業機関FAOと世界保健機関のWHOの食品添加物の専門家により安全性が報告されました。
グルタミン酸ナトリウムは、直接的な悪影響や害を与える危険はありません。しかし、長期に渡って過剰に摂取すると、味覚が濃い味にしか反応しにくくなる場合があります。その結果、塩分を摂りすぎるなどの健康へ悪影響や害を与える可能性は否めません。味の素の使用量の目安としては、お味噌汁1杯に対して1〜2ふり、0.2g程度に抑えると良いでしょう。
味の素が体に悪い・害と言われた理由とは?
かつて、味の素は体に害があるとされ危険視された過去がありますが、この背景には一体どのような理由があるのでしょうか。ここでは、味の素が体に悪いとされた理由や、現在の状況などについて紹介します。