味の素のうまみ成分は危険?なぜ体に悪い?石油が原料って本当なの?
うま味調味料「味の素」を知っていますか?体に悪い・危険と言われることもありますが、どんな成分が含まれているのでしょうか?今回は、味の素の主成分「グルタミン酸ナトリウム」について、製法や体に悪い影響はないのかなど紹介します。味の素が石油から作られているという噂についても紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
味の素の成分「グルタミン酸ナトリウム」が石油から作られていた過去があるため
味の素の成分であるグルタミン酸ナトリウムは、石油成分から作られていた過去があります。開発当時、味の素社では小麦由来のグルテンを、加水分解する事でグルタミン酸を生産していました。ところが、コストが非常にかかるため、別の方法として石油由来の成分であるアクリロニトリルを使用して作られる様になりました。
石油からのグルタミン生成は調査の結果、安全性が確認された事で事業展開に乗り出したようです。しかしその後の再調査の結果、発癌性物質である不純物が検出され、その事を受けて味の素社は石油からグルタミン酸ナトリウムを合成する方法を廃止しました。
その頃同時に、安全性もコスト面でも優れた、微生物の発酵によるグルタミン酸の生成方法が発見・開発されました。
味の素の成分「グルタミン酸ナトリウム」は現在は微生物から作られている
微生物が発酵によりグルタミン酸を作り出す事が発見された事で、サトウキビからグルタミン酸ナトリウムを生成する方法が開発されました。これは、麹菌による醤油や味噌、乳酸菌によるヨーグルトに代表される発酵と同じ工程です。
具体的には、サトウキビの糖蜜にグルタミン酸を生成する微生物を混ぜ合わせ、発酵を促します。微生物により生成されたグルタミン酸をグルタミン酸ナトリウムとして加工した後に不純物を取り除き、結晶化・乾燥させたものが味の素として製品になります。
なお、グルタミン酸にナトリウムが添加されるのは、溶けやすく吸収されやすくするためです。
味の素は使っても安全
味の素は、現在は天然原料から微生物を利用した発酵方法で作られる事がわかりました。日本人の地道な研究が身を結んだうまみ成分は、今や世界の調味料としても注目されています。手軽にうまみを追加できる味の素は、忙しい現代において簡単に美味しい料理を作るために役立つ調味料なので、ぜひ活用してみてください。