調味料「さしすせそ」とは?順番に意味はあるの?役割・使い方などそれぞれ紹介!
調味料の「さしすせそ」とは何か知っていますか?今回は、調味料「さしすせそ」の〈砂糖・醤油〉など正体や、それぞれの意味・役割と使い方を紹介します。調味料「さしすせそ」の順番の意味や、「酒・みりん」の入れ方の順番も紹介するので参考にしてみてくださいね。
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調味料「さしすせそ」とは?
料理を習ったり教えたりする際に使われる、調味料の「さしすせそ」ですが、どういった調味料を指すのでしょうか。ここでは「さしすせそ」に含まれる、それぞれの調味料を解説します。
「さしすせそ」は和食における基本調味料のセット5種
和食の基本調味料のセットである「さしすせそ」は、以下の5種類です。
・さ:砂糖
・し:塩
・す:酢
・せ:醤油
・そ:味噌
醤油と味噌が少々覚えにくく感じる人もいるかもしれませんが、かつて醤油を「せうゆ」、味噌は「噌」と呼んだことに由来しています。これらの調味料の頭文字を取った「さしすせそ」は、単なる語呂合わせではなくこの順番を守ると、料理が美味しく作れるといった味付けのルールです。また、「さ」には砂糖のほかにも、酒が含まれるといった一説もあります。
調味料さしすせその意味・役割と使い方は?
基本調味料と言われる「さしすせそ」は5つの調味料から成り立っていることがわかりました。それでは、この5つの調味料は、和食など調理をするときにどんな意味や役割を果たしているのでしょうか。「さしすせそ」の意味や役割、由来などについて説明します。
①さ:砂糖
「さしすせそ」の「さ」である砂糖は、煮物などの甘味づけに使われる調味料です。砂糖は味わいを良くするだけではなく、親水性が高いので食材の乾燥を防いで、柔らかい食感に仕上げる役割があります。また、ツヤ出しやきれいな焼き色を食材につけることができるので、照焼きのタレなどに活用されています。
料理に使われる砂糖は上白糖が一般的ですが、グラニュー糖や黒砂糖・ざらめ糖などもあり、それぞれ風味やコクが異なるので料理によって使い分けると良いでしょう。
②し:塩
「さしすせそ」の「し」のあたる塩は料理の味わいを左右する大事な調味料で、塩味を付けるだけではなく砂糖の甘さを引き立てたり、酢の酸味をやわらげたりする役割があります。塩には食材の水分を抜いて、微生物の増殖を抑える作用もあるので、野菜などの下処理や漬物などの保存食作りに活用されていることも特徴です。
③す:酢
「さしすせそ」の「す」である酢は穀物や果実などが発酵し熟成することで酸味を持たせた調味料で、料理の風味にアクセントを加え、食材の臭みを抑える役割をしています。酢は健康への効果も高く、疲労回復や食欲増進に役立つほか、食品の殺菌や腐敗防止などにも効果的です。
和食において良く使用されるのは米酢と穀物酢で、米酢にはまろやかな味わいが、穀物酢にはさっぱりとした特徴がそれぞれあるので、料理にあわせて使い分けましょう。
④せ:醤油
「さしすせそ」の「せ」にあたる醤油は大豆を麹菌で発酵させたのち、熟成して作られた調味料で、料理の味付けや香り付けの役割をしています。また、醤油は色付けの意味でも料理に加えられますが、関東圏では煮物や汁物にしっかりと醤油の色を付ける濃口醤油が好まれています。対して関西圏では、素材の持ち味を大切する食文化があるため、料理にあまり色の付かない薄口醤油が主流です。
⑤そ:味噌
「さしすせそ」の「そ」である味噌は大豆を原料とした発酵食品で、料理に味を付けるだけではなく、まろやかさや香りを付ける役割のある調味料です。味噌は材料や熟成方法によって色や甘味などに違いがあり、汁物などの煮込み料理から炒め物まで幅広く使用されています。
一般的に使われている味噌は、大豆を米麹で発酵させた米味噌ですが、中部地方では八丁味噌などの大豆のみで作った豆味噌が好まれています。また、米より麦の栽培に向く九州地方では、地域の気候を生かした麦味噌が名産品です。
調味料さしすせその順番の意味は?
料理を美味しく作るためのルールでもある「さしすせそ」ですが、なぜこの順番に並べられたのでしょうか。ここでは「さしすせそ」の順番の由来や意味を、酒やみりんを入れるタイミングとあわせて解説します。
①さ:砂糖
煮物などの砂糖の甘味を生かした料理を作る時には、砂糖を一番最初に入れるのが良いとされています。それは、砂糖の分子量がほかの調味料と比べ大きく、味の浸透に時間がかかるからです。また、ほかの調味料を先に入れると、砂糖が食材の細胞に入る隙がなくなり甘味がつきにくくなります。
食材を柔らかくする性質を持つ砂糖ですが、甘露煮など砂糖をふんだんに使う料理の時は、一度に加えると食材が硬くなるので注意が必要です。これは砂糖の浸透圧によるもので、一気に煮汁の糖度が高くなると食材の水分が煮汁に移動するため、砂糖は数回に分けて加えるようにしてください。
②し:塩
塩は分子量が砂糖よりも小さいため、砂糖と一緒に使う際は、具材に甘味が染み込んでから加えるようにしましょう。また、食材の水分を引き出す性質がある塩は、食材が十分に柔らかくなった後に加えるのがふっくらと仕上げるコツです。このことから、塩が「さしすせそ」の2番目の調味料であることは、科学的にも根拠があると言えます。
③すせそ:酢・醤油・味噌
酢・醤油・味噌は発酵食品特有の豊かな風味があるため、砂糖や塩を加えてから加えましょう。これらの香りは加熱によって飛びやすいため、味噌汁を作る際に、味噌を加えた後に沸騰させないのはこのためです。また、酢は加熱によって香りだけではなく酸味まで飛んでしまうので、料理の仕上げに使うようにしましょう。
ちなみに「酒」「みりん」を入れる順番はどこがいいの?
前述した通り、基本の調味料「さしすせそ」の「さ」には酒を含むといった説もあり、みりんもアルコール分が含まれているため酒と同様に扱います。酒やみりんには料理に甘味やコクを付けるほかに、食材の臭みを消す効果があるので、砂糖と同時かその前に加えても良いでしょう。ただし、食塩を含む料理酒を使う場合は、砂糖の後に加えることをおすすめします。
調味料「さしすせそ」を活用しよう
「さしすせそ」は和食における基本調味料の5種類を指し、料理を美味しくするためのルールだとわかりました。今回紹介した、酒やみりんの使い方も参考にし、料理の味わいに深みを足しましょう。調味料「さしすせそ」の、それぞれの持つ味わいや役割の由来を活用し、美味しい和食料理を作ってください。