「寿司」「鮨」「鮓」の違いとは?漢字の由来から使い分け方をそれぞれ紹介!
すしの漢字「寿司」と「鮨」の違いを知っていますか?日常生活の中では音の響きだけで事足りるので、漢字表記について意識している人は少数派かもしれません。今回は、すしの漢字「寿司」「鮨」「鮓」の全3種類を由来で比較して使い分け方をそれぞれ紹介します。
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「寿司」と「鮨」の違いは?漢字だけ?
すしと聞けば料理はすぐに思い浮かぶものの、連想する漢字には個人差があることでしょう。寿司あるいは鮨を思い浮かべる人が多そうですが、実はそれ以外にも漢字表記があります。ここでは、寿司と鮨の違いについて説明します。
すしの漢字は「寿司」「鮨」と「鮓」の全3つ
すしの漢字表記は寿司と鮨、鮓の3つがあり、すべて魚偏です。中でも3つめの鮓は、なじみのない漢字かもしれません。しかし、すしの漢字表記を紐解くと、その違いが見えてきます。次章以降では、すしの漢字とその違いについて詳述します。
すしの漢字①鮓
すしの漢字表記である鮓は、3つの中では最も歴史が古い表記とされています。しかし、居住している地域によっては、見かけたことがない人も少なくないと予想されます。ここでは、鮓の漢字の由来や使い方について詳述します。
「鮓」の漢字の由来と使い方
古来の日本では魚を塩や糟(かす)、発酵させた飯などに漬け込み保存食としていました。鮓はそうした保存食を表す言葉で、それが由来のようです。鯖鮓や鮎鮓、鮒鮓に鮓が用いられているように、関西系の発酵させてつくるなれずしに使います。
すしの漢字②鮨
すしの漢字表記の中でも、2番目に歴史があるのは鮨です。鮨は中国では魚の塩辛をさしますが、日本に伝来してからは鮓と混同されるようになったといわれています。ここでは、鮨の漢字の由来と使い方を説明します。
「鮨」の漢字の由来と使い方
鮨の漢字表記を用いる場合は、握り鮨をさすのが一般的です。なれずし以外の押し鮨が登場するのは室町時代ですが、江戸時代に後期には握り鮨を庶民が食べるようになりました。旨い魚を用いたすしが、漢字の由来のようです。
冷蔵技術がなかった江戸時代は、魚を美味しく提供するうえで、すし職人が丁寧に下処理をする必要がありました。そのため、江戸前のすしには鮨の字を使うことが多く、それ以外では棒鮨や押し鮨などの表記で使用されます。
すしの漢字③寿司
私たちになじみの深い漢字表記である寿司は、最も歴史が浅い熟語です。江戸前寿司と書かれた表記も、目にする機会が多いことでしょう。ここでは、寿司の漢字の由来と使い方について詳述します。
「寿司」の漢字の由来と使い方
寿司が使われるようになったのは江戸時代で、寿を司るあるいは寿詞に由来するといわれています。寿司は縁起文字で、魚以外のすしに用いることができます。手巻き寿司や稲荷寿司などが正しい使い方ですが、現代ではすしの総称として用いられているのです。
「寿司」と「鮨」に違いはない!
今回はすしの漢字である寿司と鮨、鮓の全3種類を由来で比較して使い分け方をそれぞれ紹介しました。江戸前鮨が正式名称にも関わらず、江戸前寿司と表記していることが多いように、漢字による明確な違いはありません。最も一般的なのは寿司と覚えておきましょう。