お好み焼きの切り方は関西・関東で違う?理由は地域別の食べ方にある?
お好み焼きの切り方が地域で異なることを知っていますか?今回は、<ピザ切り・格子切り>のお好み焼きの切り方の違いやその理由を紹介します。全国的にピザ切り派と格子切り派どちらが多いのかも紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
格子切り派は東京や福岡などの都市部に多いですが、よく見ると近畿地方はほぼ全ての府県が格子切り派です。ここからは、なぜ関西に格子切り派が集中しているのかを解説していきます。
関西ではお好み焼きは一人で食べるから
大阪・広島を中心とする関西で格子切り派が多いのは、関西ではお好み焼きは1人で1枚食べるのが主流だからです。関西のお好み焼きの前身は、戦後の大阪や広島で流行した一銭洋食と呼ばれる食べ物だと言われています。
一銭洋食とは、水で溶いた小麦粉を焼いたものの上にかつお節やウスターソースをかけ、半月状に折った食べ物のことです。一銭洋食はもんじゃ焼きのように複数人で鉄板を囲んで食べるスタイルではなく、1人ひとりが手で持って食べるものでした。そのため関西では、お好み焼きは1人で1枚食べるものとする考え方が定着したと考えられます。
格子切りは箸で掴みやすく、一口サイズなのでコテでも食べやすいという特徴があるため、お好み焼きは1人で1枚食べることが一般的な関西で広まりました。格子切りもピザ切りと同じようにまずは十字に切り、それから縦横に切れ目を入れていくと綺麗に切ることができます。
お好み焼きの切り方はピザ切り派・格子切り派どっちが多い?
SNS上の声や切り方の地域分布図でも、ピザ切り派と格子切り派は拮抗しているように見えます。ここからは、全国的にピザ切り派と格子切り派のどちらが多いのかを、人口や店舗数の視点から解説していきます。
全国的には格子切り派が多い
地域分布図を見てみるとピザ切り派が優勢なのは28、格子切り派が優勢なのは19都道府県なので一見するとピザ切り派が多いように見えます。しかし、2020年の人口ランキングでトップ5の東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉は全て格子切り派が優勢で、ピザ切り派は人口が少ない県に集中しています。つまり、人口で見るとピザ切りよりも格子切りの方が多数派です。
また、2014年に集計されたお好み焼き店の店舗数ランキングでトップ10にランクインした大阪、兵庫、広島、東京、愛知、京都、福岡、神奈川、岡山、静岡のうち、岡山以外の全ての都府県が格子切り派優勢の地域でした。
このことから、実際には格子切りでお好み焼きを食べる人の方が多く、店舗でも格子切りで提供する店舗の方が多いことがわかります。ピザ切りは多くの地域で見られる切り方ですが、全国的には格子切りが優勢でしょう。
お好み焼きの切り方の違いは食べ方の違いだった
お好み焼きの切り方の違いは、複数人で分けるか1人で食べるかの違いにありました。複数人で分けて食べる関東では平等に分けやすいピザ切り、1人で食べる関西では箸で掴みやすい格子切りが主流ですが、地域にこだわらずシーンによって使い分けるのもおすすめです。それぞれの切り方のメリットを生かして、楽しくお好み焼きを食べましょう。