さつまいもの中身や切り口が赤い・ピンク色に…。食べられるか見分け方を紹介!
さつまいもの中身や断面が赤いと気づいたことはありませんか?腐っているのでしょうか?今回は、さつまいもの中身・切り口が赤い・ピンクの場合は食べられるのかに加えて、<黒・緑・白・オレンジ>などさつまいもの他の変色について紹介します。変色を防ぐ方法も紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
①黒い変色
さつまいもが黒く変色するのはさつまいもの栄養素や低温障害、カビのいずれかが原因である可能性が高いです。さつまいもを切った時に斑点状に現れる白い汁はヤラピンと呼ばれる栄養素で、これは空気に触れると酸化して黒く変色する性質があります。また、さつまいもを5℃以下の環境で保存すると低温障害を起こし、さつまいもが黒色に変化するのが特徴です。
ヤラピンによって黒く変色したさつまいもは食べることができますが、苦味を感じることがあります。低温障害で一部が黒色に変化したさつまいもは、黒い部分を切り落とせば食べることができます。低温障害を起こして全体が黒くなったさつまいもや全体的に黒い斑点状のカビが生えたものは、食べずに廃棄しましょう。
(*さつまいもが黒い原因について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
②緑の変色
さつまいもが緑色に変色するのは、さつまいもに含まれるクロロゲン酸と呼ばれる栄養素が原因です。クロロゲン酸とはポリフェノールのひとつで、この栄養素はアルカリ性と結びつくと緑や黒色に変化するのが特徴です。
アルカリ性の物質には重曹や塩などがあり、重曹が含まれているてんぷら粉で作った衣でさつまいもを揚げたりさつまいもに塩を振ったりすると緑色に変化します。クロロゲン酸には抗酸化作用や糖尿病の予防効果などの効能があるため、クロロゲン酸が豊富なさつまいもは安全に食べられるうえに健康効果も期待できるでしょう。
(*さつまいもが緑色になる原因について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③白い変色
さつまいもの切り口から白い汁が出ると白色に変色したように見えますが、この汁はヤラピンと呼ばれる栄養素が原因のため食べても問題ありません。ヤラピンはさつまいもの切り口に斑点状に出るもので、手で触れるとべたつく感覚があります。
ヤラピンには腸を刺激する作用があり、さつまいもに含まれる食物繊維との相乗効果でより高い便秘の解消効果が期待できると言われています。ヤラピンはさつまいもの皮の周辺に多く含まれているため、ヤラピンの効能を得たい場合は皮を剥かずに食べるのがおすすめです。
(*さつまいもから出る白い汁について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
④オレンジの変色
さつまいもを切った断面がオレンジ色に変色したと勘違いする人もいますが、断面が全体的にオレンジ色に染まっていたら品種の特性が原因である場合がほとんどです。先述した通り、安納芋やアヤコマチなどの品種のさつまいものは元々オレンジ色をしています。
安納芋などの断面がオレンジ色のさつまいもはβカロテンが原因であるため、安心して食べることができます。ただし、さつまいもの一部分がオレンジ色に変色しているものはカビである可能性が高いので、このようなさつまいもを食べるのは避けましょう。
さつまいもの中身・切り口の変色を防ぐ方法はある?
さつまいもを以下のように保存したうえで下処理をすれば、中身や切り口の変色を防ぐことができます。
・さつまいもを水に漬ける
・皮を厚めに剥く
・さつまいもを新聞紙で覆って野菜室で保存する
クロロゲン酸やヤラピンが原因で起こるさつまいもの変色は、下処理をすれば防ぐことができます。クロロゲン酸やヤラピンはさつまいものアクとなる成分のため、一口大に切ったさつまいもを水に漬けるとアクとともにこれらの栄養成分が抜けて変色を防ぐことが可能です。
また、クロロゲン酸は皮の周辺に含まれているので、さつまいもの皮を分厚く剥くとクロロゲン酸に由来する変色が抑えられます。
さつまいもの低温障害による変色を防ぐには、さつまいもを正しく保存することが重要です。さつまいもをそのまま野菜室に入れると低温障害を起こして変色するので、新聞紙で覆ってから野菜室で保存するとさつまいもが適温に保たれて変色を防ぐことができます。