もやしは生食できる?下痢・腹痛のリスクは?鮮度の見分け方や加熱調理の仕方など紹介!
【管理栄養士監修】もやしは生食できるか知っていますか?あたらないのでしょうか?今回は、もやしが生食できるかや、〈下痢・腹痛〉など生食した時のリスクについて紹介します。新鮮なもやしの選び方や、生もやしの加熱調理の仕方も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
もやしは生食できる?

加熱調理が基本のもやしですが、生のままでも安全に美味しく食べられるのでしょうか。
雑菌がいる可能性が高いため生食は避けるべき
もやしは「ムロ」という暗い室内で太陽に当てずに栽培される野菜のため、日光による殺菌ができません。そのため大腸菌やサルモネラ菌など、人体に害のある菌が繁殖しやすくなってしまいます。
また、もやしは他の野菜と比べても劣化の早い野菜です。収穫から家で調理するまでに温度の変化は避けられませんが、温度変化が大きいと雑菌も繁殖しやすいため購入した時点で菌が付いている可能性も少なくありません。
もやしは加熱調理が前提で作られている
もやしは茹でて和え物にする、火にかけて炒め物にするなど加熱調理が基本という文化が日本にはあるため、生産する側も加熱調理することを前提としてもやしを生産しています。(※1)
また、もやしは温度変化に弱いため傷みやすく、雑菌が増えやすいため衛生面を考えると加熱した方が安心です。
新鮮であれば生食してもよい
収穫してすぐの新鮮なもやしを手に入れられる農家の方は、そのまま生で食べられます。しかし、出荷時に無菌状態である保証はないため、スーパーなどで売られているもやしを生食することはおすすめできません。
海外では生もやしを食べる文化もある
ベトナム料理では生春巻きやフォーに入れてもやしを生食する食文化があり、生食用のもやしが販売されています。しかし、日本ではもやしを生で食べることは衛生基準で推奨されていないため、しっかりと火を通してから食べるようにしましょう。
もやしを生食すると体に影響はある?

もやしを生で食べるのは特に日本では推奨されていないことが分かりました。それでは、生で食べたときの体への悪影響はどのようなものがあるのでしょうか。
下痢・腹痛になる可能性がある
もやしは水分を多く含み、傷みやすく細菌が繁殖しやすい野菜です。このため、加熱しないで食べると下痢や腹痛などの症状が出て、消化器官に悪影響が出ることがあります。
もやしの日持ちする期間はおよそ3日ほどで、保存環境によっては2日程度で傷んでしまうこともあります。ぬめりがあったり全体的に茶色っぽく変色していたり、酸っぱい臭いがする場合は食べるのは危険です。調理前のもやしの状態をよく確認してから調理するようにしましょう。
石川桃子
管理栄養士
特に夏場は室温と冷蔵庫の温度の変化がより激しくなるため、傷みやすくなるでしょう。安くて何にでも合う食材なのですごく便利ですが、使う分だけその都度買うことをお勧めします。
新鮮なもやしを選ぶポイント

スーパーなどで安く手に入り、いろいろな料理に活用できるもやし。新鮮なもやしを選んで美味しく食べたいですよね。ここで新鮮なもやしの選び方を紹介します。
新鮮なもやしの見た目
衛生面を考えるともやしは加熱した方が良いことが分かりましたが、加熱する前から腐っていたり傷んでいては意味がありません。新鮮なもやしを見分けるポイントを紹介するので参考にしてください。
・色が白い
・茎が太い
・子葉が薄い黄色
・根が透明感があり短い
もやしがヘナっとしていたり、袋の中に水分が溜まってしまっているものは買うのを避けましょう。また、豆が開いてしまっていたり、全体的に茶色っぽく変色しているものも新鮮とはいえません。
新鮮なもやしの感触
新鮮なもやしを見極めるために、もちろん見た目は大切ですが実際に触った時の感触も重要です。新鮮なもやしを選ぶためのポイントを紹介します。
・パリッとしている
・適度な硬さがある
・張りがある
袋で売られている状態のもやしをを手で持ってみて、しっかりと硬さがあり張りが感じられるものがおすすめです。スーパー等で購入する際は見た目で判断するだけでなく、一度手に持って感触を確かめることが大切です。
石川桃子
管理栄養士
もやしにも種類があり、緑豆もやしと大豆もやしでは栄養成分が異なります。大豆もやしは緑豆もやしよりもミネラルや食物繊維が豊富に含まれているので効率よく栄養を摂取したい方は多少金額が上がりますが『大豆もやし』をお勧めします。
もやしの加熱調理の仕方は?

もやしは加熱した方が安全に美味しく食べられることが分かりました。加熱の方法をひとつ紹介するので参考にしてみてください。
沸騰したお湯に30秒ほど湯通しする
もやしはきれいな水で洗浄されてから出荷されているので、基本的に調理するまえに水洗いする必要はありません。しかし、衛生面や見た目の汚れや臭いが気になる場合はサッと水洗いしてから調理しましょう。
①沸騰したお湯(1.6~1.8ℓ)に塩(小さじ1/4)と酢(小さじ1)を入れる
②30秒ほど茹でる
③水気を切って、バッド等に広げて粗熱を取る
塩と酢を入れることにより白くきれいに茹で上がります。また、30秒ほど茹でると青臭さも取れて、雑菌もほぼ死滅するので安心です。茹でた後、冷ますために水にさらして冷やすのは、もやしが水っぽくなってしまうため厳禁です。
もやしを生で食べる際は自己責任
加熱していない生のもやしは生きた雑菌などが繁殖している可能性が高く、体に悪影響を及ぼすことがあるので衛生面を考えて安易に生で食べるのは控えましょう。雑菌がいた時のリスクを考えると、短時間でも火にかける手間をかけた方が美味しく食べることができ、安心して食べることができるでしょう。