「はじめちょろちょろなかぱっぱ、赤子泣いても蓋取るな」の歌の意味は?

「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」の歌について知っていますか?今回は、「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」の意味や、ご飯の<炊き干し法・湯とり法>の炊飯法を紹介します。釜や土鍋を使ったご飯の炊き方も紹介するので、参考にしてみてくださいね。

(このページにはPRリンクが含まれています)

目次

  1. 「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」の歌とは?
  2. 「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」の歌には様々な種類がある
  3. 「はじめちょろちょろ」の意味
  4. 「なかぱっぱ」の意味
  5. 「ひと握りのワラ燃やし」の意味
  6. 「赤子泣いてもふた取るな」の意味
  7. 「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」の歌通りに炊飯すると結局どうなる?
  8. 土鍋でのご飯の炊き方には注意?
  9. 土鍋と釜でのご飯の炊き方は違う
  10. 土鍋でのご飯の炊き方
  11. 「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」を意識して炊いてみよう

「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」の歌とは?

「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」は炊飯時に使われるときの歌ですが、炊飯器が主流の現代では間違って意味をとらえている人もいます。この歌はアウトドアや鍋でご飯を炊く時のほか、災害時にも役立つので、ぜひ意味を理解しておきましょう。

「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」の歌には様々な種類がある

はじめちょろちょろなかぱっぱの後につく言葉は地域によってもさまざまな種類があります。

・初めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るな
・初めちょろちょろ中ぱっぱ、ブツブツいうころ火を引いて、ひと握りのワラ燃やし、赤子泣くともふた取るな
・はじめちょろちょろ中ぱっぱ、ジュウジュウ吹いたら火を引いて、赤子泣いてもふた取るな

炊飯の方法は、室町時代まで湯とり法が一般的だった炊飯でしたが、その後少しずつ炊き干し法にとって変わっていきました。炊き干し法とは現在のように米と水を1対1にして煮た後に蒸す方法で、湯とり法は米をたっぷりのお湯でた後にザルで重湯を取り蒸す方法です。

江戸時代までは湯とり法も炊き干し法も使われていましたが、次第に湯とり法は消え、かまどと羽釜を使った炊き干し法が主流になっていきました。しかし、ガスコンロと違い薪やもみ殻で火を起こして炊いていたため、火加減も難しく失敗することもあったようです。

そのためできるだけその工程を覚えやすくするために、「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」の歌が受け継がれていきました。なお、この炊き干し法は炊飯器が普及する昭和中ごろまで行われていました。

「はじめちょろちょろ」の意味

「はじめちょろちょろ」は「はじめは弱火で炊く」という意味だと説明されている場合がありますが、これは嘘で、実際には中火~強火で炊き始めるのが正解です。弱火のまま沸騰するまで何分も待っていると焦げ付いてしまうので注意しましょう。

この「はじめちょろちょろ」は熱源の様子を表現したもので、かつては薪で火を起こして炊いていたことから、最初は弱火にならざるを得ないという事情もあったようです。しかし、この弱火になってしまう時間があることで米が水分を吸収して甘味が引き出され、結果的に美味しいご飯が炊けるともいわれています。

「なかぱっぱ」の意味

「はじめちょろちょろ」の状態からしばらくすると、火力も上がってかまどの火が大きくなり、羽釜の中も沸騰してきます。「なかぱっぱ」は、この時にかまどの中の火がぱっぱと激しく燃えている様を指しています。ここで一気に釜を沸騰させたら、今度は「ブツブツ言う頃火をひいて…」の通り、薪を取り出し弱火にかける次の工程です。

「ひと握りのワラ燃やし」の意味

前述の工程で弱火にかけてブツブツと言う音がしなくなったら、中の水分がしっかり米に吸われている頃です。ここで余分な水分を飛ばすために一気に火力を上げる必要があり、一握りの藁を燃やすその様子から「ひと握りのワラ燃やし」のフレーズが生まれました。おこげができるのもこのタイミングで、藁が燃え終わったら、次は蒸らしの作業が始まります。

「赤子泣いてもふた取るな」の意味

「赤子泣いてもふた取るな」は、どんなことがあってもふたを取ってはいけないという意味です。火を止めたら15分ほど蒸らすことでご飯が柔らかく仕上がりますが、ここでふたを開けると圧力や必要な水分まで飛んでしまい、ツヤのある美味しいご飯が炊けません。

15分ほど経ったらふたを開けて少しかき混ぜて食べるまで再びふたをしておくと、まんべんなく水分がいきわたり、美味しくいただけます。

「はじめちょろちょろなかぱっぱ….」の歌通りに炊飯すると結局どうなる?

「はじめちょろちょろなかぱっぱ」はかまどに羽釜をかけて炊いていた時のものなので、現代では当時のような米の炊き方をする機会はほぼありません。しかし、最近ではあえて土鍋でご飯を炊く人も増えていますが、土鍋でこの歌の通りに炊飯するとどうなるのでしょうか。

土鍋でのご飯の炊き方には注意?

前述した通り、昔は土鍋ではなく羽釜でご飯を炊いていました。土鍋はあくまで煮物などを作るときに使われたもので、ご飯は炊けるものの炊飯には向いた作りにはなっていません。羽釜の独特の形は、かまどの穴にぴったりとはまるようになっていて、熱が外に漏れださず釜全体に行き渡るため圧力がかかりやすくなり効率よくご飯が炊けるようになっています。

一方土鍋は土で作られているので伝熱効果も羽釜と違い、蓋が圧力で本体とくっつかないように穴が開いています。羽釜とはご飯の炊き方が少し違うので注意しましょう。

土鍋と釜でのご飯の炊き方は違う

土鍋でご飯を炊く場合は、「はじめちょろちょろなかぱっぱ」と同じように炊くと、ふっくらとしたご飯は炊けません。土鍋の場合は現在のコンロに合わせた方法で炊いていく必要があります。土鍋の形や大きさなどで沸騰時間も違うので、ご飯を炊くために土鍋を購入したら少しずつ好みの炊き方になるように、時間や水加減を調整していきましょう。

関連する記事