天ぷらの語源・由来はポルトガル語?漢字「天麩羅」?かき揚げとの違いも解説!
天ぷらの語源・由来は何か知っていますか?今回は、天ぷらの語源・由来に関する〈ポルトガル語説・漢字「天麩羅」説〉の2つの説を紹介します。そのほかにも、天ぷらと似ている料理・かき揚げとの違いも紹介するので参考にしてみてくださいね。
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天ぷらの語源・由来は?
天ぷらの名称の語源・由来は諸説ありますが、代表的な説が3つあります。ここではそれぞれ由来となった言葉とその意味について、噛み砕いて説明します。
天ぷらの語源①ポルトガル語「テンポーラ(temporas)」が由来の説
天ぷらはポルトガル人の渡来によって生まれた料理とされており、ポルトガル語で四季の斎日を意味する「テンポーラ(temporas)」が語源の一つと言われています。「テンポーラ」の意味にも表れている通り、天ぷらはキリスト教における四季の斎日の期間中に食べる料理に関係しているようです。
四季の斎日はキリスト教における催しの一つで、季節の始めに数日間祈りを捧げながら節食をします。斎日中には肉食が禁じられており、魚類に小麦粉で衣を付け調理することが多かったそうです。この料理が、現在の天ぷらの元になったと考える説があります。
天ぷらの語源②ポルトガル語「テンペーロ(tempero)」が由来の説
四季の斎日を意味する「テンポーラ(temporas)」以外の天ぷらの語源と言われているポルトガル語に「テンペーロ(tempero)」があります。テンポーラと発音が似ていますが、こちらは料理・調味料を意味する言葉で、江戸時代の人がこの言葉を聞き天ぷらと名付けたとも言われています。
天ぷらの語源③漢字「天麩羅」が由来の説
ポルトガル語が天ぷらの語源である説は有名ですが、実は日本語が由来となっている説も存在します。その一つが、当時使われていた油あげの当て字「天麩羅阿希」から阿希をとり、残った天麩羅を音読みにして天ぷらと呼び始めた説です。
そのほかにも、江戸時代の小説家である山東京伝が、浪人から屋台の看板商品の名称について相談された際に天ぷらの名前を考案したとする説もあります。山東京伝は、天竺浪人(住所不定の失業者)がふらりと江戸にやってきて売る商品という意味を込め、「天ぷら」という名称を提案したそうです。
天ぷらの日本での歴史は?
今日では当たり前に食べられている天ぷらですが、いつから日本にあるのか知らない人も多いかもしれません。日本で始まった天ぷらの歴史を、特に発展した2つの時代に着目して紹介します。
天ぷらは室町時代にポルトガルから伝来する
天ぷらの歴史は、室町時代にポルトガル人が鉄砲などと一緒に長崎に持ち込んだ魚介類の揚げ物が始まりとされています。当時は油が手に入りにくく大変貴重で、油は灯りに利用することがほとんどだったため、現在のように料理に使う習慣はありませんでした。
このような理由から、天ぷらは庶民には手の届かない高級品でした。さらに現在のようにサクサクしておらず、かなり固い衣だったと言われています。なお、その後安土桃山時代に伝来した宣教師が伝えた南蛮料理が、現代の日本の天ぷらの原型となったようです。
天ぷらは江戸時代に庶民層に浸透した
天ぷらが庶民にも浸透し始めたのは、江戸時代に入ってからでした。油の生産量が増え、天ぷらも屋台料理で気軽に食べられる江戸時代のファストフードとして定着していきました。
江戸時代末期になると、天ぷら専門の料亭が登場し始め、天ぷらに高級料理のイメージが付き始めます。こうして日本の料理として広まっていった天ぷらは、大正時代には全国で食べられる国民食となりました。
(*天ぷらの歴史について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)