アワビと似てる貝「トコブシ」とは?違いは値段?味わい・下処理の仕方や食べ方も紹介!
アワビに似てる貝「トコブシ」とは何か知っていますか?違いは何でしょうか?今回は、トコブシとアワビの<貝殻・大きさ・味&食感・値段>に加えて、トコブシの旬の時期や、栄養について紹介します。トコブシの下処理の仕方の他に、食べ方や活用レシピのおすすめも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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アワビに似てる貝「トコブシ」とは?
一見、アワビの子どもにも見えるトコブシですが、トコブシとは一体どのような貝なのでしょうか。まずはトコブシの生態や旬の時期、トコブシに含まれる栄養について紹介します。
トコブシの生態
トコブシは北海道南部~九州地方までの海岸に生息するミミガイ科の貝で、アワビの仲間です。おおよそ水深10mから潮間帯にかけての岩礁域でえさは天草などの海藻です。
トコブシは9~10月の繁殖期になると体外受精を行い、台風による波の刺激で産卵し、波に乗った受精卵は広域に分散していきます。受精卵は約一日で孵化して幼生に変化し、その後数日かけて殻ができあがってきます。
トコブシの旬の時期・産地
トコブシは夏になると浅瀬に集まって産卵する習性があり、産卵期になると肝に粘りが出て美味しくなくなります。そのため産卵に向けて栄養を蓄える4月~8月が旬です。ただしトコブシは福溜とも呼ばれていて、縁起物としてお節料理にも使われていることから冬の時期が旬だとも言われています。
トコブシの主産地は三重県・徳島県・高知県などですが、近年では漁獲量が少なくなっているので稚貝を放流したり様々な努力が行われています。それでも国内の漁獲量だけでは流通するには足らず、現在では主に台湾からの輸入が多いようです。
トコブシは栄養が豊富
トコブシに含まれる以下の栄養は成人男性の一日の摂取量目安の10%以上の含有量を示しています。
・ビタミンB12
・パンテトン酸
・銅
・タンパク質
・ビタミンE
・リン
・マグネシウム
・亜鉛
・鉄分
・ビタミンB1
・カリウム
・ビタミンB2
・葉酸
トコブシは低カロリーで高タンパクな非常に栄養豊富な食品です。トコブシの中でも突出して多いビタミンB12は、貧血解消に有効的なビタミンで、葉酸と共に赤血球中のヘモグロビン生成を助ける働きがあります。
また脳からの伝達をスムーズにする神経を健康に保つ役割もあり、他にも睡眠時のホルモンの分泌に作用して睡眠のリズムを整えるのにも効果的です。貧血解消の他にも、トコブシに含まれる栄養素には味覚の働きを保ち、肝機能を高める効果があり、動脈硬化や高血圧、糖尿病の予防にも有用とされています。
「トコブシ」と「アワビ」の違いは?
同じミミガイ科であるトコブシとアワビは見た目は同じもののように見えますが、両者の違いは何があるのでしょうか。次はトコブシとアワビの違いについて解説します。
①貝殻の穴の数の違い
トコブシとアワビはどちらも同じような貝殻を持っていますが、アワビは貝殻の穴部分に隆起があり、穴の数が4~5個です。一方トコブシは、穴には隆起がなく数は6個~9個とアワビよりも多いのが特徴です。最近では台湾からの輸入が増えているトコブシですが、この穴にキクスズメという貝が付いているものはまず間違いなく国産のトコブシと判断できます。
②大きさの違い
一番わかりやすいのが大きさの違いです。アワビは大きいもので20㎝~25㎝ほどに成長しますが、トコブシは大きいものでも12㎝が最大でそれ以上は成長しません。また地域によっては、小さなアワビをトコブシとして販売しているところもあります。
また逆に悪質な店ではトコブシをアワビとうたって販売している場合もあるので、信頼のおける店を選ぶようにしましょう。
③味わい・食感の違い
味や食感の違いについては、アワビは磯の濃厚な味があり噛んでいるうちに甘味を感じ、食感はコリコリと歯ごたえのある食感が特徴です。一方トコブシは、磯の濃厚な味と甘味はアワビよりも弱くあっさりとしていて、食感も柔らかく歯ごたえはありません。
それでもアワビほどではありませんが、磯の濃厚な旨味と滋味深い味を感じることができるので、トコブシはファンが多い貝のひとつです。
④値段の違い
昔は磯遊びのついでに獲れたトコブシですが、年々値段が上昇していて、現在では高級貝として扱われています。トコブシの値段は生のもので100gが1,000円ほどで取引され、冷凍品だと輸入物が多くなり2割ほど安くなります。それでも言わずと知れた高級品のあわびよりも安い値段で手に入るのがトコブシです。