じゃがいもは野菜?穀物?それとも…?定義による分類の違いを解説!
【管理栄養士監修】じゃがいもは野菜や穀物などどこに分類されるか知っていますか?おかずにも主食にもなる野菜です。今回は、じゃがいもの植物学・食品学上での分類のされ方の違いを紹介します。国が定めた野菜・穀物・芋類の定義を踏まえて紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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じゃがいもとは?
じゃがいもは「野菜」とひとくくりに思っていますが、どんな農産物なのか確認してみましょう。
茎の部分を食べる食材
ふだん食用野菜として食べるじゃがいもは、植物としてのじゃがいもにとっては地下茎に当たり根ではありません。根は土の中から栄養分を吸収し茎を通して地上の葉や花に栄養を送ります。対して地下茎の肥大したじゃがいもの塊茎は、地上の葉が光合成で集めた養分をため込む貯蔵庫の働きをします。私たちはこのじゃがいもの貯蔵庫を野菜として食べているのです。
栄養価は炭水化物が多い
じゃがいもは炭水化物の割合が多い野菜で100g中の炭水化物は15.9gあり、その内訳は食物繊維が9.8g、糖質が6.1gとなり、それ以外のほとんどが水分で2gほどがビタミン類などの栄養分になります。炭水化物は生命維持のためのエネルギーへ変換されるので、でんぷん質の多いじゃがいもは野菜としてだけでなく、主食や主食の代用品として食べられてきました。
伊藤祥子
管理栄養士
じゃがいもは日本では副菜に用いる食材として扱われますが、海外ではマッシュポテトやフライドポテト、ベイクドポテトなどの形で肉魚の付け合わせによく用いられ、パンの代わりの主食として食べられています。
(*じゃがいもの栄養価について詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。)
じゃがいもは野菜?穀物?それとも…?
じゃがいもは野菜なのに主食になるほどのエネルギーを持っているなら、野菜ではなく穀物なのでは?と思ってしまいますが、分類的にはどう扱われているのか野菜や穀物の定義を確認しましょう。
野菜の定義
生産段階での野菜とは食用になる草本性の植物で、家庭での調理程度で副食となるものとされ、じゃがいもは根菜類の野菜として分類されています。加工しないと食べられないコンニャクなどは野菜に含まれません。草植物という意味なら、じゃがいもは木にはなりませんから「草」で加熱すれば食べられる農産物なので、この条件なら野菜に含まれます。
ですが栄養価を測る段階になると野菜ではなく「いも類」という分類になります。
穀物の定義
穀物とは、でんぷん質を多く含む種子を食用にする植物の食材を指します。穀物は炭水化物だけでなくたんぱく質や脂肪も含み、農産物として栽培が容易で収穫後の保存性も良いので、生活に必要なエネルギー源の主食とされることが多いのです。
ヨーロッパの三十年戦争の時、穀類が地上部を踏み荒らされて収穫できない状態になってもじゃがいもは可食部が地中にあるので主食の代わりをはたしたとも言われます。炭水化物が多いじゃがいもはエネルギー源としては主食になりますね。
じゃがいもは何に分類される?
じゃがいもという野菜は植物的には何の仲間なのでしょう。また食品としてはどういう括りに入るのか調べてみました。