冬至の食べ物に関する風習とは?かぼちゃや「ん」がつく食材を食べる理由を解説!
冬至はどんな日か知っていますか?今回は、冬至の日にある風習の中でも、〈かぼちゃ・小豆粥・冬の七種〉など、「食べ物」に関する風習を紹介します。冬至の食べ物を使ったレシピや、食べ物以外の風習についても紹介するので参考にしてみてくださいね。
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冬至とは?
元々は中国から伝わってきた冬至ですが、冬至にどんな風習が行われているのかは、育った地域や家庭でそれぞれ異なります。また、中には冬至の風習を行わない人もいて、冬至とは何かを説明するのは難しいかもしれません。冬至とは一体どういう日なのでしょうか。
冬至は一年で昼間が一番短い日を指す
冬至は一年で昼間が1番短い日のことを指すのですが、2020年は12月21日がその日にあたります。2020年から2025年までの冬至は以下のとおりです。
・2020年12月21日
・2021年12月22日
・2022年12月22日
・2023年12月22日
・2024年12月21日
・2025年12月22日
冬至は中国から伝わる二十四節気のひとつで、昔の中国ではこの日を一年の始まりの日としてお祝いしていたそうです。北半球において太陽の通る位置が一年のうち最も低いため、昼の時間が最も短く、夜の時間が最も長い日となります。
冬至の食べ物に関する風習
冬至は一年のうちで昼の時間が一番短い日なので、その次の日からは徐々に昼の時間が延びていき太陽の力が強まると言えます。このことから、冬至の風習はそれまでの陰に向かう気から、陽に向けて運気を上昇させる願いが込められたと言われています。
冬至にゆず湯に入る風習はよく知られていますが、冬至にかぼちゃなどの食材を食べる風習もあるようです。冬至の食べ物に関する風習には、縁起がよい食べ物だからというだけではなく、寒い冬を乗り越えるための知恵が込められているのです。
冬至の食べ物①かぼちゃ
冬至に食べると良いとされる食べ物と言えば、かぼちゃを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。かぼちゃの色でもある黄色は、古くから魔除けの色とされています。また、かぼちゃは夏の野菜ですが冬まで長期保存でき、ビタミンやカロチンを豊富に摂取できる貴重な食材でした。これらの理由から、冬至にかぼちゃを食べると良いと言われてきました。
冬至かぼちゃと言って、かぼちゃと小豆を煮たものを冬至に食べる風習は全国的に見られますが、北海道ではかぼちゃ入りのお汁粉を食べるそうです。
冬至の食べ物②小豆粥
小豆は赤色であることから、昔の人はその色に魔除けの意味を込めていました。また、冬至は昼の時間が最も短く陽の力が最も小さくなる日です。その日に陽の色である赤色の小豆を食べることで、次の日から陽の気を増大させていくという願いが込められています。
冬至に食べると縁起の良いとされる小豆を粥にした小豆粥は、元々は中国の風習だったものが日本へ伝わり今でも風習として残っています。
冬至の食べ物③「ん」が2こ以上つく食べ物
名前に「ん」が2こ以上付く食べ物は縁起の良いものとされ、冬の七種(ななくさ)と呼ばれています。次にあげる食べ物が冬の七種です。
【冬の七種】
・なんきん(南京・かぼちゃ)
・れんこん(蓮根)
・にんじん(人参)
・ぎんなん(銀杏)
・きんかん(金柑)
・かんてん(寒天)
・うんどん(饂飩・うどん)
これらの野菜がなぜ縁起が良いのかというと、「ん」がついていることを「運」がついていることにかけた語呂合わせで運盛りと言われるからです。「ん」が1つだけでも運盛りと言われますが、2こ以上つくと運も倍増するということから、冬至の食べ物として食べられてきたようです。
冬至の食べ物④こんにゃく
こんにゃくは運盛りの食材でもあり、体内に溜まった老廃物をを外に出す効果もあることから、冬至の食べ物にあがります。昔の人はこんにゃくのことを「胃のほうき」や「腸の砂おろし」と呼び重宝しており、不要なものを手放して運気を手に入れようと考えていたのでしょう。
冬至の食べ物⑤餃子
日本ではあまり聞きませんが、中国で冬至の食べ物と言えば餃子があがります。この時食べられるのは、焼き餃子ではなく水餃子なのが一般的な風習のようです。水餃子は、皮には小麦粉、具材には肉や野菜などが使われ、栄養価が高くバランスの良い食べ物です。また、スープと一緒に食べることにより、体が温まり免疫力も高まるという昔の人々の知恵があります。
冬至の食べ物を使ったレシピのおすすめ
冬至の食べ物を使ったレシピを紹介しますので、冬至の日の献立に加えてみてはいかがでしょうか。冬至の食べ物それぞれに込められた意味を思い出しながら食べるのもよいでしょう。
①冬至かぼちゃ
冬至の食材のかぼちゃと小豆を組み合わせた冬至かぼちゃのレシピです。この料理は、地域によっては「いとこ煮」とも呼ばれるそうです。かぼちゃと小豆の甘みを楽しみながら、運気上昇を願いましょう。
②小豆粥
冬至には、栄養満点の小豆を丁寧にゆで上げて小豆粥を食べるのはいかがでしょうか。優しい味付けで胃腸にも優しく、体の中から温まる一品です。
③冬の七種の「運盛り」茶碗蒸し
冬の七種の食材を使用した縁起の良い茶碗蒸しです。冬至にぴったりな柚子を使い香り豊かな一品で、体も心も温まることでしょう。
④柚子とこんにゃくの白和え
運盛りのこんにゃくと、柚子を組み合わせた冬至に食べるのに相応しい一品です。小松菜を名前に「ん」が付くほうれん草に変えたり、にんじんを足したりすることで更に運気がアップするかもしれません。
⑤れんこん入り水餃子
冬の七種であるれんこんを使って、中国での冬至に倣って水餃子を食べるのもよいでしょう。餃子の皮から手作りすることで、味わい深い一品になります。
ちなみに冬至の食べ物以外の風習って?
冬至の食べ物をいろいろと紹介しましたが、それと同時に食べ物以外の冬至の風習を行う人も多いのではないでしょうか。どんな風習が行われているのかを紹介します。
①ゆずの湯に入る
冬至と言えばゆず湯に入るという人は多いのではないでしょうか。ゆず湯に入ると一年中風邪を引かず元気でいられると言われ、ゆずのように香りの強いものは汚れたものを洗い流す力があるとされています。ゆず湯に入ることで病気や災いも洗い流してくれると信じられ、無病息災の意味も込められているのです。
ゆず湯に入ることで血行を促進して冷えが解消されるほか、香りによってリラックスしたりする効果があり、病気にかかりにくくなると言えます。昔の人々が行ってきた風習は、現代においても理にかなったものであると言えるでしょう。
②火焚きをする
太陽の力が最も弱くなる冬至の日に、次の日からの太陽の力の復活を願うために火焚きを行っている地域もあります。今は主に神社やお寺でお祭りとして行われることが多いですが、昔は戸口や炉で火焚きをする風習もあったようです。
冬至の食べ物を食べよう!
冬至の食べ物には、寒い冬を病にかからず乗り越えられるようにといった昔の人々の願いと知恵が込められていました。ぜひ、冬至の食べ物を食べて栄養をつけ、冬を元気に乗り越えられるようにしましょう。