「どんこ」とは?しいたけと違いある?方言では魚も意味するって本当?
【野菜ソムリエ監修】どんことはどんな食材か知っていますか?しいたけと似ていますが違いはあるのでしょうか?今回は、どんこの名前の由来や「生しいたけ」との違いを比較して紹介します。どんこの戻し方や食べ方・レシピのおすすめも紹介するので参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
どんことは?
どんこというときのこの一種、特に干ししいたけの袋に表示されているイメージですが、実際にどんことはどのようなきのこを示すのかを紹介します。
どんこは乾燥しいたけの一種
どんこは乾燥しいたけの一種で収穫のタイミングの差で呼称が変わり、品種に違いがある訳ではありません。かさが開ききらない7分くらいのうちに採取し乾燥したしいたけを「どんこ」、その後かさが開き平たく大きく開いてから採取し乾燥したしいたけを「こうしん」と呼びます。また、どんことこうしんの中間のしいたけは「こうこ」と言われます。
どんこの栽培方法は、おがくずを使った菌床栽培と時間をじっくりかけて育てる原木栽培の2種類です。特に原木栽培で生育し、晩冬から初春の時期に採取したかさが7分未満の乾燥しいたけは、肉厚で旨みや香りも豊かで、かさの表面が割れていることが特徴です。
どんこの名前の由来
どんこの名前の由来については、2つの説が有力と言われています。1つ目は、寒い季節にゆっくりと成長した身の厚いしいたけを「冬子(どんこ)」といった説です。
2つ目は明治時代初期に、かさの開き具合の違う2種類のしいたけを売っていた店で、かさが開いていないしいたけを選んだ中国人が「ドング」と言ったことが由来です。かさの開き方が7分未満のしいたけは肉厚で美味しいことから、通常のしいたけと区別するため中国ではドングと呼んでいました。その後、呼び名がどんこに変化していったそうです。
福光佳奈子
野菜ソムリエ
干ししいたけの発祥地は中国で、冬に収穫したしいたけを意味する「冬菇(ドォングゥー)」がどんこの名前の由来という説もあります。
「どんこ」と「生しいたけ」の違いは?
どんこと生しいたけとは、どのような違いがあるきのこなのでしょうか。成分や栄養素・見た目などの違いを紹介をしていきます。
どんこの方が旨み成分の含有量が多い
三大旨み成分はイノシン酸・グルタミン酸・グアニル酸です。乾燥しいたけであるどんこにはグアニル酸が豊富に含まれていて、旨み成分の主成分となっていますが、生しいたけにはグアニル酸がほとんど含まれません。このグアニル酸はしいたけを乾燥させる過程で酵素の働きにより生成される成分で、更に水で戻すことでより増えます。
福光佳奈子
野菜ソムリエ
どんこの中でも味がよいのは、かさの表面に亀の甲羅のような白い亀裂が入っているものです。希少性が高く高級品として販売されていますが、その分濃厚な味わいと芳醇な香りを楽しむことができます。
どんこの食べ方は?
乾燥しているどんこは調理をする前に、下ごしらえとして戻さなければならないきのことなります。そこでどのような手順で戻すとより旨み成分を抽出できるか、どんこはどのような料理にむいているのかを、紹介していきましょう。
どんこの下ごしらえ・戻し方
乾燥しいたけであるどんこは、下記の手順で戻しましょう。
【手順】
①乾燥しているしいたけ(どんこ)をサッと水洗いしゴミやホコリを洗い流す
②保存容器などにかさを上向きにして入れ5℃くらいの冷水に浸ける
③冷蔵庫に入れ10時間ほど置いて戻す
戻し時間はかさの厚さによって異なり薄めのものであれば4~5時間、肉厚のものであれば半日~1日程度戻します。ぬるま湯やお湯で戻すと旨み成分が減ってしまうので、必ず冷水でゆっくりと戻して下さい。戻しているうちに乾燥したしいたけが大きくなっていくので、余裕のある容器で戻しましょう。