カゼインナトリウム(カゼインNa)とは?安全性は?用途や食品表示についても解説!
【管理栄養士監修】カゼインナトリウム(カゼインNa)とは何か知っていますか?そもそも「カゼイン」とは何でしょうか?今回は、カゼインナトリウムの用途と食品表示に関してや、注意すべき乳アレルギーについて紹介します。カゼインナトリウムに副作用はないか、安全性についても紹介するので参考にしてみてくださいね。
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カゼインナトリウム(カゼインNa)とは?
食品のパッケージに書かれた原材料名の中に、カゼインナトリウムという成分が記載されていることがあります。ここではそもそも「カゼイン」とはどういったものなのか、カゼインにナトリウムを加える理由について紹介します。
そもそも「カゼイン」って何?
牛乳にレモン汁などの酸を加えると固まって沈殿が起きますが、これがカゼインです。聞き慣れない方もいるでしょうが常用食品として扱われています。カゼインは乳たんぱく質の約80%を占めていて、非常に栄養価も高いためサプリメントなどの栄養補助剤としても使用されています。
カゼインにナトリウムを加える理由
カゼインは水に溶けにくいため、アルカリを加えて中和させる必要があります。そのためアルカリ性物質であるナトリウム(Na)を加えて中和させ、水溶性となったものがカゼインNaと呼ばれるのです。こうすることで用途の幅を広げることができています。
カゼインナトリウムの用途と食品表示について
カゼインナトリウムは幅広い食品に乳化剤などの添加物として使われています。ここではカゼインナトリウムが使われる目的や使用例、商品表示のされ方について紹介します。
カゼインナトリウムが使われる目的と商品例
カゼインナトリウムは水と油を均一に混ぜ合わせるための乳化剤として、主にアイスクリームやミルクコーヒーなどの乳製品に用いられています。他にも食肉の色を安定させるための安定剤としてソーセージやハムなどに含まれていたり、加工食品の栄養強化剤として含まれていたりします。
水に溶けやすく様々な用途で使うことができるので、幅広い食品に使用されている成分です。
カゼインナトリウムの食品表示のされ方
カゼインNaが添加物として使用されている食品の場合、必ず成分表示内にカゼインナトリウム(カゼインNa)と表示があります。原材料の表示が義務付けられていない食品の場合は入っているか区別がつきませんが、ハムやソーセージなどの畜産加工物にはまず含まれていると考えるのが妥当です。
また缶コーヒーにも乳化剤として含まれていることが多いですが、乳化剤としてまとめて表示されず別に表記されます。これはカゼインNaにアレルギーが発現する可能性があるためです。
カゼインナトリウムのアレルギー症状について
幅広い食品に乳化剤などの添加物として使用されているカゼインナトリウムですが、アレルギー症状を引き起こすことがあります。ここではカゼインナトリウムによるアレルギー症状について紹介します。
カゼインナトリウムは乳アレルギーを引き起こす恐れがある
牛乳アレルギーのある方はカゼインナトリウムでもアレルギー反応を起こす可能性があります。
・目の周りのかゆみ、充血や涙目
・唇や舌の違和感、口が腫れる
・全身に湿疹やかゆみの伴う蕁麻疹ができる
・くしゃみ、鼻水、鼻づまり
・呼吸困難
・下痢、嘔吐、血便
・アナフィラキシーショック
乳アレルギーはカゼインと乳たんぱく質に含まれるβ-ラクトグロブリンが原因だと言われていますが、これらは耐熱性があるため加熱してもアレルゲン性は低下しません。乳たんぱく質の約80%がカゼインで、アレルギーもカゼインに由来するものが多いです。(※1)
シェルファ
管理栄養士
耐熱性がある為、加熱加工食品であっても牛乳アレルギーの方は注意が必要です。