継ぎ足しのタレは衛生的に大丈夫?腐らない理由は?本当に汚いのか徹底調査!
継ぎ足しのタレを使っている店はありますが、衛生的に大丈夫なのでしょうか?今回は、継ぎ足しのタレが腐らない理由や、創業時のタレはそもそも残っていない疑惑について実験結果とともに紹介します。継ぎ足しのタレを抜いたらどうなるのかや、家庭での作り方も紹介するので参考にしてみてくださいね。
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継ぎ足しのタレって汚いイメージ…。衛生面は大丈夫?
伝統のあるうなぎ屋や焼き鳥屋の中には、創業以来継ぎ足しをしながら秘伝のタレを使っている店が少なくありません。しかし創業以来タレを継ぎ足していると聞くと、衛生面が心配になってしまう人もいるかもしれません。ここでは、継ぎ足しのタレは衛生的に大丈夫なのかについて説明します。
継ぎ足しのタレが腐らない理由とは?
創業以来、秘伝の味を守り続けている店の継ぎ足しのタレがなぜ腐らないのか、疑問に思う人もいることでしょう。ここでは継ぎ足しのタレが腐らない理由を2つ紹介します。
①塩分濃度が高い
うなぎ屋や焼き鳥屋で使っている継ぎ足しのタレは塩分だけでなく、糖分の濃度も高い甘辛味が一般的です。細菌は食品に含まれている水の中で繁殖しますが、これは自由水と呼ばれる種類の水分がある場合だけです。塩分と糖分を含む継ぎ足しのタレの水分は食品の水と結合し、結合水となりますが、この結合水には細菌が繁殖しにくくなります。
塩分が10%で糖分が65%の濃度で細菌が繁殖しにくい結合水の状態になると言われますが、うなぎのタレは塩分が8%程度、糖分が25%ほどなので細菌が繁殖しにくいのです。
②低温殺菌している
うなぎ屋や焼き鳥屋では、焼いたうなぎや鶏肉を継ぎ足しのタレに浸してから提供しますが、その際に熱々のうなぎや焼き鳥が継ぎ足しのタレの中に入ることで低温殺菌されています。低温殺菌とは60~70℃の熱で食品を殺菌することをいい、継ぎ足しのタレはそれが日常的に繰り返されています。
伝統のある人気店の場合は、継ぎ足しのタレに熱々の具材を浸す頻度が高いので、低温殺菌される機会が増えることで細菌が繁殖しにくくなるのです。
継ぎ足しのタレはそもそも残ってない?実験あり!
秘伝の味を守るために継ぎ足しされているタレですが、うなぎや鶏肉をつけることでなくなる分、そもそも元のタレは残っていないとも言われているようです。ここでは創業以来続く継ぎ足しのタレに、最初に作ったものが残っているのかについて説明します。
継ぎ足しのタレは継ぎ足す過程で新しいタレに全て変わる
日本テレビの人気番組である「世界一受けたい授業」でも一度紹介されたことがありますが、100年以上守られている秘伝の味であっても、当時のタレが残っているわけではありません。タレが減るたびにつぎ足しているため、時間の経過と共に徐々に中身は新しいものに変わっていっているということです。
継ぎ足しのタレを抜いたらどうなる…?
うなぎ屋や焼き鳥屋で使われている継ぎ足しのタレは、数十年にわたって容れ物が変わっていないことが珍しくありません。もしもその容れ物からタレを抜いたらどうなるのか、気になる人もいることでしょう。ここでは容れ物から継ぎ足しのタレを抜いた事例を紹介します。
壺の底に溜まった異物がでてきた
過去にテレビ番組の企画で壺から継ぎ足しのタレを取り除いたところ、ゴキブリが入っていたケースがありました。飲食店においてゴキブリやハエなどの害虫を完璧に駆除するのは難しく、人気店であっても継ぎ足しのタレが入った壺から異物が出てくる可能性は否定できません。
しかしこれは継ぎ足しのタレを使っている店に限らず、どの飲食店でも起こりうることです。前述した通り、継ぎ足しのタレは日常的に低温殺菌されているため、ゴキブリなどの異物の混入の可能性はあっても細菌の繁殖や異物の混入による食中毒にはなりにくいと考えられます。