渋柿を甘くする方法は?お酒が鍵?そのままでも美味しい食べ方も紹介!
【サカヤ農園監修】渋柿を甘くするにはどうすればいいか知っていますか?難しいのでしょうか?今回は、<ドライアイス・りんご・焼酎・冷凍>等を用いた渋柿を甘くする方法に加えて、渋柿と甘柿の違いも紹介します。渋柿のまま活用する方法・レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
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そもそも渋柿と甘柿の違いは?
渋柿と甘柿にはどのような差があるのでしょうか。なぜ渋柿は甘柿と違って渋味を感じるのか、品種の違いや原因となる成分についても詳しく説明します。
渋柿と甘柿は品種が違う
実は元々柿は全て渋柿だったと言われており、品種改良によって甘柿が誕生しました。そのため、渋柿と甘柿は品種自体が異なり、味だけでなく見た目にも差があります。渋柿は種がないものがほとんどで、少し細長く先が尖った形や四角く平べったい形状をしているものが多くを占めるのが特徴です。
一方、甘柿はずっしりと重みがあり丸い形で、カットすると種の周りに黒い斑点があります。詳しくは後述しますが、タンニンという成分が水溶性から不溶性へと変化するときにあらわれる黒い斑点をゴマと呼び、これがある甘柿は甘みが強いです。
渋柿が渋い原因は成分「タンニン」
渋柿の渋味は、タンニンと呼ばれる水溶性の成分によるものです。渋柿をそのまま食べるとタンニンが唾液に溶け、口内のタンパク質と結合することで粘膜が収縮して渋味として感じます。実はこのタンニンは熟していない甘柿にも存在している成分ですが、甘柿の場合は完熟になるにつれて不溶性へと変化することで食べても渋みを感じません。
しかし、渋柿は甘柿と違って完熟しても水溶性のタンニンが不溶性に変化しないため、そのままでは渋くて食べることができません。
この不溶性のタンニンは柿だけではなく、緑茶やワイン、桃にも含まれています。少量だと好まれる渋味ですが、渋柿に含まれる水溶性のタンニンはカキタンニンという収れん性の高い不快な渋味です。そのため、渋柿を食べるためには人工的に水溶性から不溶性のタンニンへと変化させる「渋抜き」が必要になります。
狩野尚希
サカヤ農園
渋抜きされていない渋柿は、一口かじっただけでも悶絶するような渋さです。これはブドウや桃とは比較にならないほど多くのタンニンが柿に含まれているからです。近年、柿タンニンには抗酸化・抗ウイルス作用があると注目されています。
渋柿を甘くする方法は?
渋柿は、上記で説明した渋柿の渋味の素である水溶性タンニンを不溶性タンニンに変化させることで甘くすることができます。甘くする方法は様々あり、それによって柿の完熟具合や味わいも違うため、好きな方法を試してみて下さい。
①常温で放置する
渋柿は完全に柔らかくなるまで完熟させると、渋味の素であるタンニンが抜けて甘くなります。そのため渋柿を甘くする方法としては、常温で完熟状態まで置いておくだけでも構いません。この方法は置いておくだけなので道具も手間もかかりませんが、雑菌が付くとカビが生えてしまうため、置き場所を消毒して風通しの良い場所を選ぶようにしてください。
②りんごで追熟する
渋柿を甘くする方法としては、完熟させる方法があると紹介しましたが、りんごから発生するエチレンという物質は果物を早く熟れさせる効果があります。
常温で放置する方法も渋柿を甘くする方法の一つですが、ポリ袋にりんごと柿を一緒に入れて置いておくとより早く完熟させることができます。仕上がりはトロトロの状態になるため、柔らかい完熟の柿が好きな人におすすめです。
(*柿を追熟させる方法について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③焼酎など酒に漬ける
アルコールからできるアセトアルデヒドが水溶性タンニンを不溶性へと変化させることでも、渋柿を甘くすることができます。柿のヘタを焼酎に付けて10日~2週間程度置いておくため、固めの柿で行うようにしてください。焼酎は安価なもので大丈夫ですが、度数が高いものを選びましょう。
(*焼酎を使った渋抜きの方法について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)